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アルティウム、Altium Designer 6.8でPCB設計データのリアルタイム3D表示機能を追加

[issued: 2007.11.27]

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 豪Altium(Nick Martin CEO、シドニー)の子会社アルティウムジャパン(井上卓也代表取締役、東京都品川区)は11月27日、統合エレクトロニクス製品開発システムAltium Designerの最新日本語バージョン 6.8をリリースし、PCB設計データのリアルタイム3D表示機能をはじめ300以上の新機能と機能強化を追加した。ノードロックライセンス価格は140万円。既存のAltium Designerライセンス契約者には無償で提供される。

Altium Designerはボードレベルハードウエア設計、FPGAプログラマブルハードウエア設計、組込みソフトウエア開発のそれぞれ異なる設計手法に属する開発作業を、統一データベース上で単一の設計環境として実現する電子回路設計者向けの開発ツール。同環境では、ボード開発プロジェクトにおけるソフトプロセッサとそれを動かすエンベデッドソフトウエア、FPGA、ボードレベル回路図、PCBが連携付けられ、プロセスのどのレベルで変更が発生してもこれと協調しながら、並行設計を可能にする。

PCB設計データのリアルタイム3D表示
設計中のPCBのリアルタイム3D表示
設計中のPCBのリアルタイム3D表示

 新バージョンで注目される新機能として、ボード設計における3D可視化エンジンを搭載した。設計したボードは特別な3Dモデルを追加せずに、フルアクセラレイテッドの3Dグラフィックでレンダリングされ、表示化される。設計者はリアルタイムで3D表示された配線基板を自由に回転、反転し、ベアボードをトラックやトレースまでズームすることが可能なだけでなく、多層基板の任意の断面を表示させ、ボードのレイヤ構造、レイヤ間の接続性、貫通ビアの配置など内部構造を検査できる。またボード内部を含め、2D-3D間を任意に切り替え移動できる。

 従来はポスト設計データを抽出して3D表示化していたが、新バージョンより、完成予定の基板の動作を設計中にあらかじめ視認することが可能となり、リアルタイムで基板概観を検査できる。これにより、ボード設計者から開発チーム管理者を含む設計チームのメンバーが、ボード設計のプロセスや多層構造に関してビジュアル化された情報を共有することが容易になり、デザインレビューが効率的に実行できる。

直感的なOpenBusシステムエディタ
OpenBusシステムエディタの編集画面
OpenBusシステムエディタの編集画面
OpenBus設計パレット
OpenBus設計パレット

 またAltium Designer 6.8では、ハードウエア設計とソフトウエア設計の連携を強めたグラフィカルなOpenBusシステムエディタ機能を備える。同機能はボードレベル設計者がFPGAを含むシステム構造を作成する際に、フローチャートイメージで、直感的かつ高度抽象レベルでの設計操作性を提供する。設計パレットにはプロセッサ、バスアービタ、ペリフェラルドライバ、メモリー、インターフェースなど包括的な機能コンポーネントのIPコアを揃え、OpenBusはこれらコンポーネントをパレットからドラッグ&ドロップし、ポイント&クリックで接続するだけでシステムアーキテクチャを定義できる。これにより面倒なWishboneインターコネクトシステムなどの作成の手間が省ける。

C to Hコンパイラ
Peter Williamson セールスディレクター
Peter Williamson セールスディレクター

 新バージョンでは、Xilinx、Altera、Lattice、Actel4社のFPGAデバイスに対応して、C言語からハードウエア(H)リソースへの論理合成を標準機能化した。標準Cコードから直接ハードウエアへと透過的にコンパイルするコンパイラを提供して、コンパイラされたオブジェクトコードとFPGAターゲットRTLアウトプットの組み合わせを生成する。生成されたハードウエアに対し、ソフトウエアを自動的にリンクし、アプリケーションに適したコプロセッサを生成できる。これにより、ソフトウエアの設計者は、HDLの使用に熟練しなくてもハードウエアを生成できる。

Peter Williamson セールスディレクター(アジア太平洋域担当)は「日本の電子設計領域はアジア、世界からの激しい追い上げを受けている状況だ。EDA業界の対応を見ると、特許による自社技術保護、顧客の特定ツールへの固定化、非公開技術によるツール価格の高止まりなどが目立ち、ポイントツール開発に傾注する一方で複数の設計プロセス間の統合連携はルースなままだ。これに対し、Altium Designerは低価格でユニファイドな開発設計環境を提供できる」と語る。

同社は「今後のエレクトロニクス製品の差別化は、機能性の差別化へと傾斜を強める」と予想し、同社の設計領域での開発の軸足をハードウエアからソフトウエア領域へ、開発の上流指向(実装から機能設計)へ、再利用可能な「ポータブル」組込みインテリジェンス設計による新ハードウエアプラットフォームへ移行させつつある。「設計ツールによって、一般のエンジニアがプログラマブルデバイスを自由に活用できるようになれば、ハードとソフトの可能性を拡張できる」とWilliamsonディレクター。グローバルで約4万ライセンスを供給するAltium Designerは、日本ではまだ「過去2年間で1,000ライセンス程度」だが、今後年率で倍々の成長を見込んでいる。(甲斐真一郎)

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