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日立金属、冷間プレス金型の寿命を延ばす新皮膜を開発

[issued: 2008.01.22]

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 日立金属は1月、物理蒸着(PVD)法によるイオンプレーティングとスパッタリングを組み合わせた複合コーティング技術により、冷間プレス金型の寿命を2倍以上に延ばす新皮膜「Tribec天(アマツ)」を開発した。2008年度で2,500万円、10年度には1億円の売上高達成を目標としている。

 Tribec天は、金型母材上に金色の摩耗量識別層を、その上に複合コーティング技術で炭化チタン(TiC)と炭素の銀色複合皮膜を形成し、約4,000HV(ヴィッカース硬度)の高硬度と0.15という低摩擦係数を実現した。これは、従来プレス金型で用いられてきた化学気相成長(CVD)法によるTiCコーティングと比べて、30%以上の高硬度、低摩擦係数、高密着強度を実現しており、金型寿命を2倍以上に向上できる。

 また、CVDによるTiCコーティングでは。1000℃以上の高温処理になるが、PVDでは520℃以下での成膜が可能なことから、金型の変寸や変形が起こらずに高い寸法精度を保つことができる。さらに、摩耗量識別層は、皮膜の摩耗を表面色の変化により知らせ、適切なタイミングで再コーティングを繰り返し行えるように導入されている。

 日立金属は、島根県松江市の表面改質センターで、島根県が中心となって推進したプラズマ利用技術開発プロジェクトの研究成果である複合コーティング技術をベースに、05年から表面処理事業を本格化させ、各種金型向け被膜を商品化してきた。

 複合コーティング技術は、環境に有害な原料や排ガス発生の少ない焼き戻し温度の550℃以下で成膜が可能なPVD法を使用している。硬質皮膜用のイオンプレーティングと固体潤滑被膜用スパッタリングを、同一チャンバー内で連続または同時に行うため、圧力と温度の制御が難しいが、設備と成膜条件を確立したことにより、従来にない固体潤滑性や耐摩耗性を兼備した物質の成膜が可能になった。

Tribec天(左)とCVD法によるTiCコーティングの密着性評価結果
Tribec天(左)とCVD法によるTiCコーティングの密着性評価結果


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