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NI社、「LabVIEW」のシステム設計モジュール
初期バージョンを2009年中に投入

-『NIWeek 2008』から

[issued: 2008.08.15]

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Sysytem Diagramの画面
写真1 Sysytem Diagramの画面
LabVIEWとSolidWorksの連携機能のデモ
写真2 LabVIEWとSolidWorksの連携機能のデモ
SolidWorksのシミュレーション機能を利用することで、CAD(SolidWorks)上のアクチュエータをLabVIEWプログラムで制御できる。
キーパッド試験機の実機デモ
写真3 キーパッド試験機の実機デモ
SolidWorksのCADモデルに適用したLabVIEWプラグラムを使って制御している。

 米National Instruments(以下、NI)社は、2008年8月5日から7日まで米国テキサス州オースチンで開催した『NIWeek 2008』2日目の基調講演において、グラフィカル開発環境「NI LabVIEW」で2009年以降に実現を目指す新機能を発表した。前年のNIWeek 2007ではコンセプト紹介にとどまったシステム設計モジュール「System Diagram」の開発版をはじめ、各機能を実際に稼働させてデモンストレーションを行った。

 LabVIEWでは、一般のプログラムにおける関数に当たるものが、VI(Virtual Instruments)と呼ぶGUI(graphical user interface)のアイコンで表現する。これを任意に配置/接続することでプログラムを作成する。作成後のプログラムを、新たなVIとして利用することもできる。しかし、従来のLabVIEWでは、NI社の計測モジュール「PXI」や制御コントローラ「CompactRIO」など個々のハードウエア内のプログラムをVIのアイコンを使ってグラフィカルに表示するだけで、これらのハードウエア間を連動させた全体システムのグラフィカル表示や、プログラム記述には対応していなかった。

 現在開発中のSystem Diagramでは、各ハードウエアを示す大きな枠の中に関連するVIが配置され、それらの間の接続状況を表示することで、システム全体のグラフィカル表示を実現している(写真1)。各VIのアイコンを選択すれば、従来のLabVIEWのプログラミング画面に移行して、再記述などを行うことができる。また、異なるハードウエア上でも動作できるVIとして非同期VI(AVI:asynchronous VI)を導入した。加えて、既存のLabVIEWプログラミングにおいては、データフローを示す接続では同期接続が前提となっていたが、この部分に適用可能な非同期接続(asynchronous wires)というコンセプトを導入する。さらに、ウェブブラウザベースのビューワを使えば、開発チームのメンバーが、設計中のプログラムの確認やコメントの書き込みなどを行えるようになる。

 System Diagramと同じく、NIWeek 2007で開発をアナウンスしていたのが、米SolidWorks社のCADツール「SolidoWorks」とLabVIEWの連携機能である。今回は、携帯電話機のキーパッドを自動的に押す試験機の動作のデモンストレーションを行った。CAD(SolidWorks)上のモデルと実機の両方を、LabVIEWで作成したプラグラムとインターフェースにより直接制御できるというものである(写真2、3)。この機能により、CADによる設計の段階から、機械装置の制御プログラムとパソコンベースの制御インターフェースをLabVIEWで構築できる。また、これにより、LabVIEWプログラムをそのまま利用可能な制御コントローラ「NI CompactRIO」の機械装置向け需要を拡大できるとNI社は考えている。

LabVIEW Mathscriptを使ってプログラミングしたイコライザ
写真4 LabVIEW Mathscriptを使ってプログラミングしたイコライザ
周波数特性の変更を行うテキストベースの数式処理プログラムをLabVIEWのプログラム内に組み込んでイコライザを実現している。イコライザのプログラムは、PXI内にあるデュアルコアプロセッサ上でリアルタイム稼働している。
エンジン用ECUを使ったHILテストのデモンストレーション
写真5 エンジン用ECUを使ったHILテストのデモンストレーション
テスト中でもインターフェースの追加/削除を自由に行える。

 数式演算のプログラムは、LabVIEWではなく、米The MathWorks社の「MATLAB」などテキストベースのプログラミングツールを利用して作成するのが一般的である。LabVIEWでは、MATLABなどで作成した「.m」形式のプログラムを読み込む「LabVIEW Mathscript」を提供することで、グラフィカル開発環境でも数式演算プログラムを活用できるようにしている。しかし、最新バージョンであるLabVIEW 8.6でも、LabVIEW Mathscriptで読み込んだ数式演算プログラムのリアルタイム処理には対応していない。現在、NI社は、リアルタイム処理とマルチコアシステムに対応できるようLabVIEW Mathscriptの改良を図っており、そのデモンストレーションとして同社の計測/制御プラットフォーム「PXI」内のデュアルコアプロセッサ上でリアルタイム稼働するステレオイコライザを紹介した(写真4)。

 NI社の本業と言える電子計測に関する機能については、静的な状態で計測を行う従来のテスト手法「Static Test」から、計測対象をさまざまな条件下で動作させながら計測する「Dynamic Test」への移行を提案した。このDynamic Test手法の代表的な活用例として、自動車のECU(electronic control unit)の動作試験を動的な周辺環境モデルの中で行うHIL(hardware-in-the-loop)テストを挙げた。デモンストレーションでは、開発中のLabVIEW用高レベルツール(high-level tool)を使ったエンジン用ECUのHILテストの様子を示した(写真5)。同社は、LabVIEWとPXIを顧客の要求に合わせてカスタマイズしたHILシステムを提供しているが、この高レベルツールを利用すれば、HILテストをはじめとしたDynamic Test手法を自由に利用できるようになるという。デモンストレーションでは、PXIの制御ボード上で動作させているエンジンのモデルにおいて、車載通信規格であるCAN(Controller Area Network)対応の通信カードをPXIのFPGAボードで代替することでECUと接続してHILテストを行った。また、通常のLabVIEW環境上での計測と同様に、HILテストの計測中でも自由にインターフェースを追加/削除できる機能も実現していた。

(朴 尚洙)

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