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SolidWorks、従来より設計業務にかかる時間を65%短縮するSolidWorks 2009を発表

[issued: 2008.09.26]

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SolidWorks 2009はレスポンスを大幅に向上した。SolidWorks 2008で11分38秒かかる作業を5分27秒で完了できる
SolidWorks 2009はレスポンスを大幅に向上した。SolidWorks 2008で11分38秒かかる作業を5分27秒で完了できる

 ソリッドワークスジャパンは24日、同社3次元CADソフトウエアの最新版「SolidWorks 2009」(以下、SW2009)の新機能を発表した。17番目のメジャーリリースとなる新版は、「業務をより迅速に」、「CADではなく、設計に集中できる環境を」、「設計品質の向上」の3つをテーマとして開発された。

業務にかかる時間を65%短縮
SpeedPak機能により、アセンブリの設計作業に必要な部分の幾何情報だけをメモリに読み込み、それ以外の部分をグラフィックスデータとして表示し、大規模アセンブリを扱えるようにした
SpeedPak機能により、アセンブリの設計作業に必要な部分の幾何情報だけをメモリに読み込み、それ以外の部分をグラフィックスデータとして表示し、大規模アセンブリを扱えるようにした

 「業務をより迅速に」というテーマでは、パフォーマンスの向上を実現した。デモでは、部品点数の多い火星探査機のモデルの組み付けをして、図面に落とし込むという作業をSolidWorks2008と2009で同時に行いその作業にかかる時間を比較した。SW2009の新しい機能はあえて使わずに2008と同じ機能で操作して、そのレスポンスの速さを比べた。その結果、2008では11分38秒かかったのに対し、2009では5分27秒で作業が終わった。このデモからSolidWorks自体のレスポンスが大幅に改善されていることが分かる。ソリッドワークスジャパンのプロダクトマーケティング吉田聡氏は、「これは、SolidWorksの根本的なロジックも含めて大幅に改善しており、現在SolidWorksを使っている顧客が2009をそのまま使った場合でも、レスポンスが上がることを意味する」と語る。

 いくつかの大規模アセンブリで2008と2009を比較した場合の各機能ベースの測定結果を見ると、アセンブリの操作では2.6倍、図面の操作では6.2倍、よく使うコマンドの操作では8.0倍と高速化している。「各コマンドではこのぐらいだが、業務で考えた場合は、業務によっては最大65%の時間短縮が見込めるという結果がでた」(吉田氏)という。

メモリの負荷を減らす機能
解析結果として出てきた変形したモデルを変形した状態で保存し、アセンブリ時の変形による、干渉確認や変形範囲の図面化を行える
解析結果として出てきた変形したモデルを変形した状態で保存し、アセンブリ時の変形による、干渉確認や変形範囲の図面化を行える

 SW2009では大規模アセンブリの扱いを容易にするSpeedPak(スピードパック)という機能がある。「これまで、SolidWorksではアセンブリのレスポンスを上げるために、データを軽く読み込むLightweightという機能があったが、それだけでは(複数の設計者がコラボレーションする)設計業務のフローの中で利用する上で難しいところがあったので、今回SpeedPakを追加した」と吉田氏は語る。

 SpeedPakは、アセンブリを設計した設計者が保存するときに軽く読み込めるような設定を組みこむ機能である。ほかの設計者が、部品点数が多くてアセンブリデータを読み込むときにどの部分を軽く読み込んだらよいのか判断できない場合や、アセンブリのどの部分を参照して設計を進めたらよいのか分かりづらい場合などに役立つ。データを提供する設計者が合致に使うモデルや、合致の時に使いまわしたり、編集したりする部品やアセンブリの必要なところだけを幾何情報として残しておき、皆で共有しやすくするための機能である。例えば、SpeedPak機能で、組み付ける部品や、組み付けをする面など、各条件を読み込み用として設定できる。

 合致に必要な部分の幾何情報だけを残し、そのほかの合致に必要のない部分はグラフィックスデータだけ読み込むようにする。幾何情報の部分しかメモリに読み込まないため、大規模なモデルの合致も高速かつ容易に行える。モデルの組み付け作業をする場合、モデル同士が合致する部分だけを表示し、そのほかの部分を透明化するため、設計者は必要な部分だけ触れて編集を行える。「このSpeedPakを使ってチーム設計を行えば、迅速に楽にデータを取り扱えるようになる」(吉田氏)。

プラスチックおよび板金部品に関する機能強化
CircuitWorksにより、電気系CADの2次元データを中間ファイル形式でSolidWorksに取り込んで、3次元のモデルに変換できる。3次元化した携帯電話の回路基板などのモデルは、SolidWorks上で筐体などとの干渉チェックに使ったり、熱解析に使ったりすることが可能
CircuitWorksにより、電気系CADの2次元データを中間ファイル形式でSolidWorksに取り込んで、3次元のモデルに変換できる。3次元化した携帯電話の回路基板などのモデルは、SolidWorks上で筐体などとの干渉チェックに使ったり、熱解析に使ったりすることが可能

 モデリングについて強化された機能は、プラスチック成形部品のモデリングに特化した機能である。これまでプラスチック成形部品の分割という機能はあったが、SW2009では成形部品のパーティングラインの角度を調節できるようになった。また、勾配付きのはめ込み用のリップおよび溝を自動で作成できるようになった。

 板金に関する機能も強化した。SW2009では、ソリッドモデルの外形形状から直接板金化する機能が備わった。基準面を選び、折り曲げの位置を選択し、展開のラインを選択すると、ソリッドモデルから直接板金モデルを作れるようになった。展開モデルを図面に落とし込むこともできる。

2次元図面の再利用を効率化
デュアルモニターを活用し、設計者はより設計領域を広く使えるようになった。一方のモニターに設計モデルを表示しながら、もう一方にメニューを表示することが可能
デュアルモニターを活用し、設計者はより設計領域を広く使えるようになった。一方のモニターに設計モデルを表示しながら、もう一方にメニューを表示することが可能

 昔に描いた2次元図面の利用を効率化する機能も追加した。SolidWorksを購入すると標準で付いてくるDWGeditorというAutoCADのDWGが使える2次元CADがあり、SW2009からSolidWorks上の設計からじかにDWGeditor上の図面編集に移行できるようになった。これまでに作成した2次元データにSolidWorksで作った2次元データをはめ込む作業が容易になった。このため、ユーザーはこれまでに描いた2次元図面を簡単に使いまわすことができるようになる。

 また、DWGeditor上で昔のDWGデータとSolidWorksのモデルを使って図面編集を行う場合、SolidWorksのモデルとの連想性は保たれる。そのため、SolidWorks上でモデルデータの編集が行われると、その内容が自動的にDWGファイルにも反映される。これまでは、SolidWorks上でモデルを編集するたびにDWGファイルを吐き出す必要があった。

解析結果として出た変形後のモデルを保存
 SW2009ではさらに、解析用のモデルを解析の画面で直接変更できるようになった。これまでは、解析用のモデルをSolidWorks上で作って、同じ画面上とはいえ解析のタブに切り替えて、解析の作業を行っていた。SW2009では解析画面からわざわざ設計画面に切り替えることなく解析モデルを編集できるようにした。

 また、解析結果として出てきた変形したモデルを変形した状態で保存し、アセンブリ時の変形による、干渉確認や変形範囲の図面化を行える。例えば、“カチッ”とはめ込む部品のモデルは、はめ込む時に変形する。こうしたモデルを解析した結果をSolidWorksのCADモデルとして保存する。変形させてはめ込むような部品の場合、設計者が変形した状態のモデルを設計していたが、その作業を不要にした。このため、変形前後の図面の作成にかかる工数を削減することが可能となる。

スケッチと寸法記入をほぼ同時に
 2番目の「CADではなく、設計に集中できる環境を」というテーマでは、設計者がCADの操作にわずらわされることなく、設計に集中できるようにするための機能を強化した。その一つとして、スケッチツールでは四角や円などを描くと同時に寸法が記入できる状態になる。そのため、スケッチを描いた後にコマンドを選択して寸法を入れるという作業を減らせる。

 スロットを描くための機能も強化した。これまで、スロットを作成する場合、外側の両方のエッジを描き、円でつないでなどの一定の手順が必要だった。これに対しSW2009からは、中央の軸を描いてワンクリックでスロットを作ることができるようになった。また、スロットのフィーチャの中心の軸が合わせて追加されるようになった。これは、スロットに何か部品を合致させたいときに役立つ。この機能により、スロット形状を多く作図するユーザーは、設計工数を大幅に削減できるようになる。作ったスロットはSWIFT機能のInstant3Dで編集することも可能。

 SW2009にはまた、リアリスティックかつ高速なレンダリング製品としてPhotoView 360というモジュールが追加された。「現在もPhotoWorksというレンダリングのソフトウエアがあるが、PhotoView 360は3次元のレンダリングをさらに高速化するためのツールとなっている」(吉田氏)。画面の右側にプロパティの設定画面があり、そこから3次元モデルに対してドラッグ&ドロップで色や材質、シーンを設定することができる。

解析未経験でも大丈夫
 3番目の「設計品質の向上」というテーマでは、シミュレーションの2つの機能が追加された。1つはシミュレーション・アドバイザである。これは、設計者が解析の知識がなくても、解析を速く行えるようにする機能。解析の専門的なアドバイスを提供するもので、解析の種類などをチェックしていく質疑応答形式のワークフローにより、質問に答えていくことで、解析を行えるようになった。質問事項に対するいくつかある答えにチェックを入れていくことで解析できる。

 もう一つは、センサーという機能である。設計者があらかじめ設定した重量の値などを設計データが超えてしまった場合、自動でアラートを出す。例えば、コストを抑えるために、あらかじめ設定した材料の重量を超えたらアラートを出すようにできる。許容応力や変位、部品重量などを設計目標として設定可能。センサーはこれらの値を常に監視する。解析に関してはこれらに加え、解析の計算をバックグラウンド処理できるようになった。解析を実行した後、裏で解析をさせながら、モデルの更新や追加など編集を継続して行える。

電気系CADとの連携強化
 電気系CADとの相互運用性も強化された。CircuitWorksというモジュールがSolidWorksのラインアップに加わった。CircuitWorksは、以前からSolidWorksのパートナー製品として提供されており、電気系CADの2次元データを中間ファイル形式でSolidWorksに取り込んで、3次元のモデルに変換するソフトウエアである。3次元化した携帯電話の回路基板などのモデルを、SolidWorks上で筐体との干渉チェックに使ったり、熱解析に使ったりすることができる。また、SolidWorks上でその3次元モデルを編集した場合、そのデータを電気系CADに渡すことが出来る。そのため、電気設計者と機械設計者のやりとりがスムーズになる。

複数のBOMを管理
 設計者がデータ管理でストレスを感じないようにするためにデータ管理機能も強化された。SolidWorks Enterprise PDM(旧PDMWorks Enterprise)2009は、チェックインされているファイルを開く際に、チェックアウトするかどうかを設計者に確認するアラートを出す。サーバー上にあるモデルを持ってくる場合、チェックアウト作業をしないで、単にモデルを参照して持ってきてしまう場合がある。この場合、一生懸命設計作業を進めて更新したときに、チェックアウトをしていないがゆえに、他の人が同時に同じモデルを編集してしまい、それまでの設計作業が無駄になるという問題が起こる。そのためSW2009からは、ファイルをサーバーから持ってくるときに、チェックアウトしていないので、チェックアウトするかという質問をダイアログで出すようにした。

 また、複数のBOMを管理することも可能となった。部署によって、EBOM、MBOM、サービスBOM、購買BOM、資材BOMなど使うBOMが異なる。これらのカスタムBOMを連想性を持たせたまま管理できる。例えば、設計情報には入らない生産部門が使う接着剤やグリースなどの情報をカスタムBOMで管理し、設計変更があったときにそのBOMを手作業で変更するのではなく、PDM上で自動更新できる。

メッシュの使い分けが可能に
 熱伝導の解析も強化された。これまで、熱伝導解析と応力解析の両方を行う場合、同じメッシュを使わなくてはならないという制限があった。熱の解析を行って、同じメッシュで応力解析を行っていた。熱解析と応力解析では、チェックしたい場所が異なり、細かいメッシュを切る場所が異なる。そのため、SW2009では熱解析用のメッシュと応力解析用のメッシュを分けて切り、解析できるようにした。詳しく調べたい場所にだけ細かいメッシュを切ればよいため、解析時間の短縮につながる。

 この他、解析の機能として、薄板のサーフェスモデルが解析できるようになった。これまで、積層シェルと呼ばれる、材料を幾層にも重ねたモデルを解析することはできたが、厚みのないサーフェスモデルでも解析を行えるようになった。層方向つまり、材料の方向や角度などが設定でき、薄肉、厚肉、複合を切り替えて解析できる。

 また、複数のボルトで部品を固定する場合の各ボルトにかかる複合応力を解析し、その応力が各ボルトの規定の安全率を超えるのかどうかを確認できるようにもなった。規定の安全率を超えてしまうボルトを赤く表示して、設計者に知らせる。

 これら上述の機能に加えて、SW2009はマルチスクリーンに対応した。デュアルモニターを活用し、設計者はより設計領域を広く使えるようになった。一方のモニターに設計モデルを表示しながら、もう一方にメニューを表示することが可能。

 なお、SolidWorks社は、SW2009から各製品の名前を変更する。これまでCOSMOSWorksやPDMWorksなど複数の製品名があったが、これらをSolidWorksブランドに統一するため、SW2009から製品群の名前を変える。3次元CADソフトのSolidWorksはSolidWorks Standard、同SolidWorks Office ProfessionalはSolidWorks Professional、同SolidWorks Office PremiumはSolidWorks Premium、CAEソフトのCOSMOSWorksはSolidWorks Simulation、同COSMOSWorks ProfessionalはSolidWorks Simulation Professional、同COSMOSWorks Advanced ProfessionalはSolidWorks Simulation Premium、同COSMOSFloWorksはSolidWorks Flow Simulation、製品データ管理ソフトのPDMWorks WorkgroupはSolidWorks Workgroup PDM、同PDMWorks EnterpriseはSolidWorks Enterprise PDMに変更となる。
(大村泰憲)

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