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トヨタ、全長3m以下の新型車iQを発売

[issued: 2008.10.16]

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トヨタのiQと社長の渡辺捷昭氏
トヨタのiQと社長の渡辺捷昭氏
発表会では幕張メッセのイベントホールに30台近くのiQを並べた
発表会では幕張メッセのイベントホールに30台近くのiQを並べた

 トヨタ自動車は2008年10月、全長3m以下というボディサイズで、大人3人、子供1人が乗車可能な新型コンパクトカー「iQ」を開発した。排気量1.0リットルのガソリンエンジンとCVT(無段変速機)タイプのトランスミッションにより、燃費は10・15モードで23.0km/リットルを達成し、世界初のリヤウインドウカーテンシールドエアバッグなど9個のエアバッグを標準装備するなど安全性能にも配慮した設計となっている。11月20日から全国のネッツ店で販売を開始する。価格は140万円から。月間販売目標台数は2500台。2009年から、欧州市場でも販売する予定。

 幕張メッセで行われた発表会で社長の渡辺捷昭氏は「iQは、従来の自動車のサイズに関する考え方を変えるパッケージ革命を起こす、新カテゴリの新型車だ。そして、新しい価値、新しい需要を創造する、クラスレスカー、マイクロプレミアムカーとして提案したい」と語った。

Vitz比で全長を900mm圧縮
iQのエンジンルーム
iQのエンジンルーム。狭いスペースに各種要素部品を効率的に配置している

 iQのサイズは、全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mm。トヨタの主力コンパクトカー「Vitz」と比べて全幅、全高はほぼ変わらないものの、全長は3950mmから大幅に短縮することができた。小型化を図る一方で、大人3人、子供1人、計4人の乗車が可能な車室空間を持たせるために、パワートレイン、シャシー、ボディなどの各要素部品で、再設計や新開発を行っている。

 全長を圧縮しながら車室容積を維持するには、オーバーハング(車軸からボディ端までの距離)を短くする必要がある。iQでは、通常はエンジンの後ろ側に配置するディファレンシャルギヤを前方に配置した。これにより、バンパー前端からアクセルペダルまでの距離を従来比で120mm短縮できた。また、従来よりも上方に配置できるセンターテイクオフタイプのステアリングギヤボックスの開発や、ラジエータファンやエアクリーナケースの一体化などで、狭くなるエンジンルームでも部品配置ができるようにした。車体後方側では、通常後部座席の下に配置していた燃料タンクを薄型化し、フロア下に配置することで全長の短縮に貢献している。

 また、車室空間を最大化するため、小型化した部品を多数採用している。前部座席の背中を支える部分をマットからワイヤー構造に変更して薄型化することで、後部乗員のひざ前スペースを40mm拡大した。通常助手席側に配置していたエアコンの冷熱ユニットの容積を20%削減することで、インパネ中央部に配置することが可能になった。これにより、助手席の足元スペースが拡大して、助手席のスライド量は運転席より50mm長い290mmとなり、後部乗員の居住性を向上できた。電動パワーステアリングも、ECU(Electronic Control Unit)を一体化して省スペース化に貢献している。

エレクトロニクス部品にも工夫
内部システムを確認できるハーフスケルトンモデル
内部システムを確認できるハーフスケルトンモデルも展示した。右半分が透明になっており、右側の窓部は機能解説の動画を流すディスプレイとなっている

 ボディ系でも、車室空間を広く取るためにさまざまな工夫を凝らした。標準装備のカーオーディオでは、操作/表示パネルのないスロットインタイプのCDプレーヤーだけの新システムを開発した。操作は、ステアリング左側に配置したスイッチで行い、表示はメータ左側にあるマルチインフォメーションディスプレイで行う。またエアコンの操作は、温度、モード、風量で3分割してある円形スイッチと回転トグルを一体化したインターフェースで行う。

 小型化、軽量化することにより衝突耐性などが低下するものの、同排気量で世界トップレベル安全性能を持つ衝突安全ボディをベースに、エアバッグは、世界初となる後部窓カーテンシールドをはじめ、運転席と助手席の正面とひざ部、両側面にサイドとカーテンシールドなど総計9個のエアバッグを標準装備している。アウトバーンなどでの高速走行時でも横滑りが起こらないS-VSCも標準装備している。

 開発責任者で第2乗用車センターのチーフエンジニアを務める中嶋裕樹氏は「新たな価値提案につながる新規プラットフォームとして、要素部品で2年、全体で3年、合計5年をかけて開発した。全長3m以下という条件をクリアするため、新たな発想と高い技術力をつぎ込んだ。シリーズ展開の予定はまだないが、iQはさまざまな発展性を持たせられるようにFF車を前提に開発したので、今後の需要によっては可能性は広がるだろう。あと、iPodなどのように、オーナーが自分自身でカスタマイズできるようなアクセサリー展開で『マイQ』が作られるような展開も検討している」と語る。

 また、カーエレクトロニクス関連の技術については「レクサスなどと違って、高度な機能を多数搭載していないので、搭載ECUは10個以下に留まる。しかし、カーエレクトロニクスの効率化の方向性を、機能を分散するか集中するかという方向性で考えれば、iQのカーオーディオは“分散”の、エアコンの操作系は“集中”の代表例と言えるだろう」(中嶋氏)とコメントした。

(朴尚洙)

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