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米Zコーポレーション、用途拡大を目指し大型3Dプリンタを発売

[issued: 2008.11.21]

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プリント解像度を300×450dpiから600×540dpiに向上した3DプリンタZPrinter 650
プリント解像度を300×450dpiから600×540dpiに向上した3DプリンタZPrinter 650
ZPrinter 650で造形した建築模型。れんがの隙間など、微妙な凹凸を付けることができる
ZPrinter 650で造形した建築模型。れんがの隙間など、微妙な凹凸を付けることができる

 米Zコーポレーションは2008年11月、同社のフルカラー3Dプリンタ「ZPrinterシリーズ」の造形エリアサイズを大きくし、プリント解像度を向上した新製品「ZPrinter 650」を発売した。同社が07年4月に発売した「ZPrinter 450」の造形エリアサイズは203mm×254mm×203mmであるのに対し、新製品ではそれを254mm×381mm×203mmに拡大し、より大きな建築模型や自動車部品などの造形に対応できるようにした。また、ZPrinter 450ではシアン、マゼンタ、イエローを混ぜ合わせることでフルカラーを実現していたが、黒色を表現するのが難しかった。しかし、ZPrinter 650では、これら3つの色にブラックを加えて、黒色の表現力を向上した。さらに、プリント解像度もZPrinter 450の300×450dpiから600×540dpiに向上した。新製品の税別価格は898万円。

 ZPrinterは、石こうやセラミック、でんぷんベースのパウダー素材を造形エリアに薄く敷き、インクジェット方式で造形モデルの輪郭をカラー印刷する。この動作を一層一層繰り返し、積み重ねていくことで3次元モデルを造形する。一層の厚さは0.089mm~0.102mm。このようにパウダー上で3次元モデルを積層造形するため、造形中にモデルを支えるためのサポート材が不要で、造形後にサポート材を手で取り除いたり、薬品で溶かすなどの後工程が不要である。また、複数種類の3次元モデルを同時に造形することができる。造形後は、余ったパウダーの約80%を自動的にリサイクルする。造形した3次元モデルの表面についているパウダーは、造形エリアの右隣りにあるデパウダーエリアでエアーブラシを使って除去する。デパウダーエリア内は、負圧に保たれ、エアーブラシで吹き飛んだパウダーが3Dプリンタのカバーの外へ出ないようになっている。吹き飛ばされ空気中を舞っているパウダーは吸引し、自動的にリサイクルする。また、この3Dプリンタは、エアーを供給するためのエアー・コンプレッサを機体内に搭載し、100V、50~60Hz、15A電源で動くため、オフィス環境でも使えるようになっている。

3次元CADデータの修正不要
自動車のタイヤ溝やサスペンションなどを詳細に表現することが可能
自動車のタイヤ溝やサスペンションなどを詳細に表現することが可能

 3次元CADから3Dプリンタに渡すデータについて、同社日本法人であるZコーポレーションジャパンの代表取締役、宇野博氏は「当社は、米Autodesk社の3次元CADであるRevitの開発に参加した。従来、建築のCADでは、3次元モデルを縮小すると壁の肉厚が無くなってしまうなど造形上問題があったが、ある程度自動で肉厚を付けるようにしたのがRevitである。このAutodesk社との取り組みと同様に、Bentley Systems社の建築CAD、Google SketchUpなどとも連携を取り、造形前に建物の3次元モデルのデータを修正することなくそのまま造形できるようにする取り組みを行っている」と語る。一般的に、造形用のデータはSTLデータであり色の情報がない。同社の3Dプリンタはフルカラーで造形するため、STLに色情報を持たせたファイル形式VRML、PLY、3DSに対応している。この他、Zコーポレーション独自のファイル形式であるZPRもある。このファイル形式でデータを直接出力できるCADもあるという。「このファイル形式で出力するとテクスチャマッピングの色情報などをセットで間違いなく3Dプリンタに渡せるようにできている。こうした取り組みも行っており、将来的には建築CADだけでなく、機械系CADにもZPRを付ける取り組みを行っている」と同氏は語る。

 Zコーポレーションは、3Dプリンタをこれまで世界中で累計5000台販売しており、2007年に1022台を販売した実績がある。「この1022台のうち約20%は、建築業界に納入した。国内では建築業界の約20社に販売している」と同氏は語る。
(大村泰憲)

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