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オマケ玩具モノづくりの知られざる世界
[2007年01月号]少数の設計エンジニアだけでCreata社は、世界で有数の玩具サプライヤになった。ここでは、同社の少数のデザイナーとエンジニアからなるチームがどのようにして、毎年1,500種類もの製品を設計・製造しているのかについて紹介する
Creata社は、マクドナルド、ケロッグ、その他の消費者向け製品の優良企業に対して、さまざまな販促用玩具を供給している
Creata社は、米McDonald's(マクドナルド)社や米Kellogg's(ケロッグ)社などの大企業に販売促進用の玩具を供給するメーカーで、毎年約1,500種類の製品を設計している。製造と流通も自社で行い、こうした製品の年間の生産個数は10億個以上に達している。驚くべきことに、同社はこうした多くの製品を40人に満たない設計者とエンジニアによって生み出している。製品は大半が玩具だが、その他に販促アイテムやパーソナルケア製品も含まれる。
さらに特筆すべきなのは、同社の製品が、より耐久性を求められる他分野の製品を扱うエンジニアたちを驚かせるほど、高度に洗練されているという点である。こうした無料の玩具の最終的な製造コストは、ドル単位ではなく、セント単位で管理されている。Creata社のイノベーションとテクノロジー担当のバイスプレジデント、Isaak Volynsky氏は、「当社の玩具は無料だが、決して安物ではない」と言う。「玩具の品質と安全性は、市販の製品と同等か、それ以上のレベルを維持している」
Creata社の開発プロセスでは、SensAble社のFreeFormソフトウエアで作成したデジタル“彫刻”モデルを活用している。同社では、こうしたデジタルモデルが設計レビュー、試作品の製作、ツールデザインなどの業務でCADの代わりに多用されている
Creata社の顧客にとっては、これらの技術は、子供が喜ぶ玩具を作り出す、というただ1つの目的のための手段に過ぎない。Creata社のクリエイティブサービス担当バイスプレジデント、Jeff Jarka氏は、「最も重要なのは、子供が遊びたいと思う玩具を作ることだ」と言う。ケロッグ社の米国マーケティングサービス担当のシニアバイスプレジデント、Kevin Smith氏は、シリアルに同梱される玩具のいわば仕掛け人だが、「最近の子供は昔ほど単純ではないので、彼らの目を引くのは大変だ」と言う。子供たちの目を引くためには、単に遊べるおもちゃであるだけでなく、少なくとも市販の玩具と同じレベルの魅力を感じさせることが重要だ。「いかにも安物に見えるようなものは、とても出せない」(Smith氏)。
また、Creata社の顧客にとって、販促用玩具は、単なる楽しい遊びの道具以上の意味がある。例えば、無料の玩具に投資した金額は、莫大なシリアルの売上となって返ってくる。「玩具は、シリアル業界を動かす原動力になっている」とSmith氏は言う。似たことは、マクドナルドのHappy Meal(日本ではハッピーセット)にも当てはまる。多くの子供はもちろんのこと、大人の中にも、シリーズものの玩具すべてを揃えようとする人がいるのだ。
販促用玩具からは、別の貴重な教訓も得ることができる。そこには、無駄を省いた世界規模の設計・製造業務を、製品の品質と創造性を損なわずに展開するためのヒントが隠されているのだ。Creata社では、年間1,500種類もの大量生産品の設計業務をきわめて少人数のエンジニアで行っており、設計業務にかける費用は非常に少ない。同社では、オフショア製造拠点の業務体制も、最適の状態に整えている。中国からの調達は、ほぼ問題なく機能している。「年間10億個を製造するには、効率的な生産体制が欠かせない」とCarsello氏は言う。
ハイテク化する無料販促用玩具
無料の販促用玩具は、安価なプラスチックだけで作らなければならないというのは、間違いだ。こうした玩具の中には、ハイテク素材を取り入れたものや、通常は高価な消費者向け製品や、自動車や産業用の製品に使われる最先端の製造プロセスを経て生産されているものもある。以下は、マクドナルドの無料の景品に使われている先進技術の例である。Creata社のイノベーションおよびテクノロジー担当バイスプレジデント、Isaak Volynsky氏によると、これらは、いずれも玩具業界で初の事例だという。
日本市場向けに設計された「おじゃる丸」の人形には、9グラムの腕を上下に60度動かすことのできる形状記憶合金製のアクチュエータが搭載さている。この玩具は、平均作動電流200mA、定格トルク12g-cm、1回の充電で4時間作動する仕様だが、安価な定速モーターの代わりに形状記憶合金製アクチュエータを採用し、より一層のコストダウンとノイズの低減にも成功している。
インモールドデコレーション(IMD)は、通常は消費者向けエレクトロニクス製品や自動車部品に使われている技術で、製造コストを極端に低く抑えなければならない製品では、一見するとコストの負担が大きすぎるようにも思われる。しかしながら、Creata社ではマクドナルドの『Cars(カーズ)』の玩具シリーズにIMDを採用することにより、約50種類の自動車モデルを最小限の数の金型で製造可能にし、実際にはコスト削減に成功している。このIMDプロセスでは、熱成形した装飾用のシェルによって、例えばフロント形状など、ベースとなる各自動車モデルに加える微妙な違いの大半を作り込んでいる。品種数が多い場合は、IMDプロセスを採用することによって、個々に塗装するよりコストを低く抑えることができ、ステッカーを貼る場合と比べると、美観もさらに向上することができる。
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