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オマケ玩具モノづくりの知られざる世界
[2007年01月号]製品のデジタルモデルが、すべての業務を動かしている
設計業務のデジタル化
Creata社では、こうしたデジタルモデルを、一般的な方法とは少し異なる方法で作成している。一般的に、デジタルモデルは主にCADによって作成されるが、同社では、ほとんどの製品について、米SensAble Technologies社のFreeFormという技術を利用して、デジタルモデルを“彫刻”している。設計者は、玩具のキャラクターなどが登場するアニメ映画から、可能であればデジタルファイルを入手して、そこから設計を開始する。例えば、アニメ映画「Cars(カーズ)」に関連する玩具を開発した際には、映画製作会社である米Pixar Animation Studiosからデジタルファイルを入手した。「デジタルファイルが入手できない場合は、何もないところからモデルを作成する」(Carsello氏)。
デジタルモデルが準備できれば、そこから本当の意味のエンジニアリングが始まる。Carsello氏によると、FreeFormで作成したモデルは、3次元設計レビューに使用しているという。Creata社の顧客やPixar社などの著作権者は、提案された玩具の外観について、それぞれの意見などをフィードバックする。その後、モデルはそのままラピッドプロトタイピング装置の動作制御に使われる。Creata社では、3次元プリンターやウレタン注型を多用しているのだ。
3Dモデルは、金型製作プロセスの出発点となる。Creata社では、FreeFormのモデルを直接分割することにより、コアとキャビティの形状を定義している。「FreeFormは、サーフェス(表面形状)をうまく処理でき、複雑な部品の肉厚に関する処理能力が優れている」とCarsello氏は言う。一般的なCADを使用するのは、ここから後になる。Creata社では、モールドベースやイジェクター部など、射出成形金型に関連する部品の設計にPro/ENGINEERを使用している。金型の設計は、最終的には中国国内の製造拠点にデジタルデータとして渡される。
Carsello氏によると、同社の玩具にはあまり見られないものの、より“無機的な”サーフェスを設計する場合には、SolidWorksを使うこともあるという。「設計ツールはさまざまなものを揃えているが、ほとんどの仕事はFreeFormで行っている」(同氏)。
コンセプト開発から製造ツールの製作までをデジタル化することの最大の利点は、スピードである。Creata社のグローバルサプライチェーンおよび製品品質担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント、Tao Xu氏は、「当社の業務のペースは非常に速い」と話す。同社のクリエイティブ部門とエンジニアリング部門は、非常に少ない人員にもかかわらず、マクドナルドに対しては毎月、ケロッグに対しては四半期ごとに新しい玩具を提供し続けている。それに加えて、他の顧客のための仕事や、いくつかの独自製品に関する業務も、つねに継続している。「開発期間数日しかない場合もある」(Xu氏)が、通常は、実際の製造ツールの製作を除き、エンジニアリングチームに与えられる時間は数週間程度である。
こうした同社のスピードは、今後さらに加速する可能性がある。Xu氏によると、同社では、地球を一周する形で、アメリカ、アジア、ヨーロッパの各地に設計オフィスを配置し、運用を開始しているという。デジタル彫刻の作業には時間がかかるので、同社ではFreeFormのオペレーターが、1日の仕事の終わりに次のタイムゾーンのエンジニアに仕事をバトンタッチすることにより、24時間体制で作業を進めているのだ。
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