Designer's Corner 設計アイデアの投稿欄

成形機の新駆動方式

[2007年01月号]

偏心クランクでボールねじを代替


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 全電動式成形機は、その高い効率性と正確な動きにより、過去10年ほどの間に多くの油圧式成形機に取って代わった。これらの成形機のほとんどすべてに共通することは、ボールねじとタイミング・ベルトを使用して、射出に関する動きを制御しているということである。米Moog社では全電動射出成形機に対し別の方法を採用した。

 同社は偏心クランクを使用して射出スクリューの前進運動を駆動する電動射出ユニットを開発した。Moog社のBurkhard Erne技術部長によると慣性モーメントと長寿命がその開発の目的だという。「タイミング・ベルトの問題は慣性モーメントが大きいことだ。ボールねじは摩耗するため、交換しなければならない。」交換が必要となる前であっても、ボールねじはその精度を失う傾向がある、すなわちバックラッシュである、と同氏。

 Moog社の偏心クランクはスクリューの背後にあるギアボックスの上に配置されており、これら両方の問題をうまく解決する。堅牢な鋼製のクランクは、成形機の寿命がくるまで壊れることはない、とErne氏は言う。さらに装置の慣性モーメントはかなり減少する。同ユニットを搭載したデモ機は200または250トン・クラスの射出成形機用であるが、わずか35ミリ秒で最大射出速度の600mm/sまで加速することができる。

 この電動射出ユニットの射出出力は300kWである。「通常このサイズのユニットでこれほどの出力があるものは、アキュムレータを備えた油圧成形機だけにみられるものであって、全電動成形機ではみられない」(同氏)。「この装置は肉厚が薄いものを高速成形する場合に適している。」

 モーターに内蔵されているレゾルバがクランクの角度および角速度をフィードバックし、装置の射出速度を制御する。また、ロードセルからのフィードバックによって射出圧力を制御する。

 この全電動装置をまとめ上げているのは、Moog社製のサーボモーターで、スクリューの回転運動を制御している。

偏心クランク
偏心クランク
Moog社が成形機用に新しく開発した全電動射出ユニットは一般的なボールねじとタイミング・ベルトによる方式ではなく、偏心クランクを使用してスクリューを駆動する。


連絡先:Burkhard Erne氏(berne@moog.com
Moog社の射出成形機に関する詳しい情報は以下のリンク先をご参照下さい:
http://rbi.ims.ca/4935-528

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