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さらなる生産効率向上へ
実装機メーカーが生産増強と高速化を進める

[2007年02月号]

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 携帯電話、薄型テレビ、エアコン、自動車の電装機器など、エレクトロニクス製品の生産効率を律速するのが、半導体チップや電子部品をプリント配線板へ実装する工程だ。その実装ラインに使う装置としては、クリームハンダ印刷機、検査機、リフロー炉などがあるが、中核となるのはプリント配線板に印刷されたハンダ上に、高速で電子部品を搭載する表面実装機である。 現在、実装機の有力メーカーはほぼ国内勢が占める。そしてこれら国内メーカーは、04年から続く好調な受注を背景に、装置の生産能力増強や超高速実装機の新開発に取り組んでいる。


生産能力1.5倍へ
ヤマハ発動機IMカンパニーで実装機事業を統括する岩塚佳久バイスプレジデント
ヤマハ発動機IMカンパニーで実装機事業を統括する岩塚佳久バイスプレジデント

 ヤマハ発動機で実装機事業を展開するIMカンパニーは06年12月、このほど完成した早出工場(静岡県浜松市)内の新営業・技術棟を公開し、同時に07年6月には実装機を含めたIMカンパニー製品の生産能力を従来比1.5倍に拡張することを発表した。新営業・技術棟建設と生産増強による投資額は延べ17億7,000万円に達する。

 今回の生産増強は新たに敷地を広げるのではなく、早出工場から移転する二輪車マフラー製造部門の建屋を利用して、IMカンパニーが取り扱う実装機、単軸・直行ロボット、電動車椅子の生産スペースの集約と拡張を行う。実装機事業担当の岩塚佳久バイスプレジデントは「IMカンパニーの事業立ち上げ時は、早出工場に間借りするという感じだったが、事業の成長によりIMカンパニーの専門サイトにすることができた」と語る。

 新棟は、鉄骨4階建てで、実装機事業の営業・技術機能を集約。デモ・商談スペースとなる1階とメカ設計を行う2階がそれぞれ従来比2倍の2,000m2、電気設計、ソフト開発を行う3階と営業の4階がそれぞれ1.6倍の1,600m2。高速実装機の開発に対応するため、床の耐荷重を従来比2倍の1トン/m2に強化している。環境対応としては、太陽光発電設備(33kW)や既存部分を含めて壁内に断熱材を導入し、屋上緑化も行った。

顧客向けスペースとなる1F面積が2倍になったことでデモルームも広がった。内装は「気持ちよく商談していただくため豪華にした」という。
顧客向けスペースとなる1F面積が2倍になったことでデモルームも広がった。内装は「気持ちよく商談していただくため豪華にした」という。

 工場の効率化と拡張では、3号館と5号館に分かれていた実装機の組立スペースを5号館に集約し、顧客向けのトレーニングルームも拡張する。3号館はロボット組立を集約するだけでなく営業・技術オフィスを新設して、生産、販売、技術一体の工場とする。マフラーを製造していた6、7号館では、6号館で電動車椅子の組立と、実装機、ロボット用ユニットの加工を行い、7号館は仕掛品などの倉庫にあてる。総延べ床面積は従来比1.4倍の1万7,180m2、月産能力は実装機が450台、ロボットが3,000台、電動車椅子が1,200台とそれぞれ従来比1.5倍となる。

10万CPH超の高速機を開発
実装機工場では、主力のYG100であれば受注後最短で2週間で出荷できる。さらに2007年6月から生産能力は月産450台に拡大する。
実装機工場では、主力のYG100であれば受注後最短で2週間で出荷できる。さらに2007年6月から生産能力は月産450台に拡大する。

 同社の戦略は生産増強にとどまらない。現在の実装機トレンドは、多品種生産に対応できるモジュラ型が主流だが、その種類は部品搭載速度に応じて、高速機、中速機、汎用機の3つに分けられる。同社が得意にして来たのは、中速機以降の製品だが、最高部品搭載速度で10万5,000CPH(Chip Per Hour)と業界最高速となる超高速機「YG300」の開発を進めている。07年3月から一部メーカーに出荷を開始し、6月から一般発売する予定だ。「実装機市場の中心は、携帯電話メーカーをはじめ生産基板の量が圧倒的に多い顧客が対象の高速機だ。これまで当社は、中速機で高品質かつコストメリットも高い装置を供給して来たが、競争の厳しい実装機市場で生き残っていくには高速機の開発市場も取り込む必要がある。開発の課題は、10万5,000CPHを達成することではなく、従来製品と同じ『ヤマハの良さ』を維持していけるかどうかにあった」(岩塚バイスプレジデント)。

 さらに実装機市場全体の約6割を占める中国市場の営業・サポート展開も強化する。ヤマハ発動機本体が上海に設立した現地法人「ヤマハ・モーター・コマーシャル・トレーディング(上海)有限公司」を活用し、代理店支援やサポートを強化する。拠点は、上海と深センにあるが、今後は天津と蘇州にも設置する計画だ。上海のデモルームには、営業用で4台、サポート用3台の装置を設置する。岩塚バイスプレジデントは「高速機の投入、中国展開強化も含めて、2011年には生産能力増強と同等以上の成長を達成したい」と話している。

高速競争が激化
最大手パナソニックは10万CPH製品を投入
パナソニックファクトリーソリューションズ、電子部品実装ソリューションビジネスユニット長の中島俊明専務取締役
パナソニックファクトリーソリューションズ、電子部品実装ソリューションビジネスユニット長の中島俊明専務取締役

 実装機最大手パナソニックファクトリーソリューションズの主力製品は、高速モジュラタイプの実装機「CMシリーズ」。同社は03年に、松下電器産業FA社と九州松下電器FA事業の合併で誕生したが、「CMシリーズ」は九州松下で開発した製品で、03年に投入した最高部品搭載速度が6万CPHの「CM402」はベストセラー機となっている。

 電子部品実装ソリューションビジネスユニット長の中島俊明専務取締役は「CMシリーズは、高速モジュラ機として常に他社にベンチマークされて来たが、05年この高速モジュラ市場のスピード競争に火がついた」と話す。実際に、05年10月の展示会「2005実装プロセステクノロジー展」で、パナソニックが7万5,000CPHの「CM602」を、独Siemens社が8万CPHの製品を発表したのを皮切りに、日立ハイテクインスツルメンツが05年11月のドイツの展示会「Productronica」で8万CPHの製品を投入した。

 一方、パナソニックも06年夏にCM 602用の12ノズル新型高速ヘッドを開発して、能力を10万CPHにまで引き上げた。そして07年3月にはヤマハ発動機が10万5,000CPHの「YG300」の出荷を始める。ほぼ1年半で部品搭載速度が75%も上昇したことになる。「実装機メーカーのモジュラ対応が04年ごろにほぼ終わったこともあり、分かりやすい差別化要素として速度に焦点が当たった。高速化に終わりはないが、今後は0402部品や狭ピッチリードの半導体チップで良品を生産できる実装品質の重要度が高くなる」(中島専務)という。


パナソニックFAショー2006では、0603部品を使った40μmの狭隣接実装のデモを行った。従来は100μm程度が限界だったという。

 06年12月に開催したプライベートショー「パナソニックFAショー2006」では、同社の実装機、検査機、ハンダ印刷機で構成した実装ラインによりさまざまな実装ソリューションの提案を行った。実装プロセス制御システム「APC(アドバンスト・プロセス・コントロール)システム」の最新バージョン「APC80」を用いた実装ラインでは、電子部品間の距離を従来比2分の1以下となる40μmの狭隣接実装技術のデモ実演を行っている。

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