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新たな用途開発に向けて
[2007年04月号]
NTN、竹田幸浩主査
NTNの風力発電機用高負荷容量円筒ころ軸受
NTNは、現時点で連結売上高に対する軸受事業の割合は64%。2番目に来るのが30%を占める等速ジョイントだ。1963年に初めて市場投入した等速ジョイントは、軸受技術を応用することで生まれた製品であり、自動車の低燃費化に合わせて事業を拡大。現在は世界シェア2位、生産累計は3億本を超えた。
NTN知的財産戦略部商品企画グループの竹田幸浩主査は「自動車や工作機械関連の製品開発にも注力するが、風力発電機や情報機器など新しい分野で他社に真似のできない独自の製品を供給することで、等速ジョイントのように育てたい」と話す。
風力発電機の増速機用では、従来比1.5倍まで寿命を伸ばした高負荷容量円筒ころ軸受を開発した。従来増速機の中間軸や出力軸には、保持器付きの円筒ころ軸受が用いられていたが、低速回転の入力軸に使う総ころタイプに比べてころ本数が少ないため寿命が短かった。新開発の製品は保持器を使わず樹脂製のセパレータをころの間に入れることで、総ころタイプとほぼ同等のころ本数を実現して高い負荷能力を実現しながら、総ころタイプで起こるころ同士の接触による低い回転性能も克服した。一定のシェアを持つ発電機用のセラミック絶縁軸受「メガオームシリーズ」をベースに、増速機用での事業拡大を図っている。また事務機やプリンタなど向けでは、金属の寸法性と樹脂の低摩擦性能を併せ持つ滑り軸受「ハイブリッドベアファイト」や、電力なしで一方向だけに駆動する機構を持つクラッチ、トルクリミッタ、トルクダイオードなどを展開している。「両面コピーなどのために紙送りの構造が複雑化しており、これらの製品の需要が高まっている。4月のモーション・エンジニアリング展では特設コーナーを設け、新製品も発表したい」(竹田主査)という。
小径軸受世界トップ・ミネベアの実力
ミネベア、矢島裕孝常務執行役員
軸受メーカーでは、創業が1951年と遅い方だが、海外展開は60年代からと早かった。ボールベアリング事業部長の矢島裕孝常務執行役員は「最初は飛行機の計器向けが中心だったので、営業面で米国に進出するのは必然だった。生産面では、71年にSKF社の米国工場買収を皮切りに、シンガポール、タイ、英国、中国と順次海外展開を進めてきた」と話す。現在は、世界10工場で年間生産量は20億個を超える規模にまで成長している。
事業は順調に拡大しているが、その主要顧客については移り変わりが激しい。70年代までの航空機の計器向けから、80年代にはビデオヘッド用の外径 15~16mmの製品で従来品で問題になっていた「ラジアル振れ」を抑えた高精度品を投入し、一気に需要が拡大した。90年代に入ってからは、ハードディスクのスピンドル用の需要が伸び始めた。「従来最高2万倍までしか計測できなかった真円度測定器で、10万倍を測定できる機種がでてきたことで、ビデオヘッド用よりもさらに高い精度要求に応えることができた」(矢島常務)という。しかし2000年以降からはハードディスクのスピンドル用では流体動圧軸受が主流になり、需要は急激に減少して行く。代わって現在の需要をけん引するのが、パソコンやデジタル家電に使う冷却ファン用で、高速・高温対応のため潤滑技術への要求が厳しいという。またエレクトロニクス化の進む自動車分野でも、着実に使用数の増えるモーターに合わせて需要が拡大している。
生産技術の追い込みでグローバルで高効率の小径軸受を生産できる
(写真はミネベアのタイ・アユタヤ工場)
工作機械用の軸受などと異なり、小径軸受は価格に最も敏感な顧客が対象となる。矢島常務は「もちろん軸受の設計、軸受材料、潤滑剤などの製品開発も重要だが、やはり年間20億個も生産する以上、生産技術が最も重要だと考えている。加工に関わる要素をできるだけ減らし、サイクルタイム、治具一つとっても常に効率を上げて行く必要がある」と強調する。
同社は研究開発は本社のある軽井沢工場でのみ行い、生産技術開発については海外工場でも行うという、一見普通の体制が取られているように見える。しかし生産技術についても、軽井沢工場が一括で情報管理できる体制となっているのだ。軽井沢工場には、小径軸受を生産する工程ごとに、切削課、研削課などの部署が設けられており、各部署のトップは、世界10工場全てにおいて自分の担当する工程を管理する権限を持っている。「工場長などからの制約なしに、ある海外工場で効率化を実現したらその技術をグロバールに展開できる体制がある」(矢島常務)。この生産技術を徹底的に追い込む体制が、同社の圧倒的競争力を生み出す源泉の一つになっている。
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