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ELECTRONICS

相変化メモリ、アクセス速度でフラッシュメモリの約1,000倍

[2007年04月号]

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研究者たちは2つの接点間のギャップを渡す厚さ3nm、幅20nmの“ブリッジ・セル”に相変化半導体合金を使用した。2つの単純なブリッジ・セルがメモリ・チップの2ビット分になる(左図)

 共同で開発を進めてきた米IBM社と台湾Macronix International社(http://rbi.ims.ca/5383-527)、独Qimonda(キマンダ)社(http://rbi.ims.ca/5383-528)は、このほどいくつかのアプリケーションでディスク装置との置き換えが可能な新型のコンピュータ・メモリを発表した。

  相変化メモリ(phase-change memory)と呼ばれるこの新たなメモリ技術は、フラッシュメモリとDRAM(dynamic random access memory)の長所を兼ね備えている。DRAM製品のように、データ書き込み/読み出し時間がフラッシュメモリやディスク装置よりはるかに速く、しかも DRAMとは異なり不揮発性で、将来的に低価格にできる可能性がある。不揮発性なので電源を切っても内容が失われない。

 「技術が熟して価格が下がってくれば、このメモリがディスク装置と置き換わるのを想像できるだろう」と、IBM社のナノスケール・サイエンス&テクノロジー、シニア・マネジャーSpike Narayan氏は言う。「アクセス速度が速いうえ、フラッシュメモリのような書き込み回数制限がないし、ハードディスク装置のような可動部品もない。」

 実際、IBM社のエンジニアが言うように、このメモリのアクセス速度はフラッシュメモリの約1,000倍で(しかし、DRAMのアクセス速度より 1,000倍遅い)、“書き変え寿命”がフラッシュメモリよりもかなり長い。通常のフラッシュメモリでは約10万回書き変えると寿命がくるが、相変化メモリでは何百万回も書き変えできる。

  「現在、フラッシュメモリに格納したアプリケーションを動作させることができないのは、短時間に何回もフラッシュメモリに書き込むことができないからだ」(Narayan氏)。

  相変化メモリのキーポイントは、電気抵抗の低い規則正しい結晶構造状態から電気抵抗の高いアモルファス状態に相を迅速に変化可能な半導体合金GeSb(ゲルマニウム-アンチモン)を使用することにあるという。

  ユーザーにとって、メモリから直接アプリケーションを動作できることは非常に好都合だろう。これはフラッシュメモリではできなかった。相変化材料からなるUSBベースの“キー”がリモート端末として使えることを意味する。

  「USBベースのキーにアプリケーションをロードしておき、遠隔のほかの人のコンピュータでそれを動作することができるようになる」(Narayan氏)。

  IBM社は、この相変化メモリの開発で、DRAMメーカーのキマンダ社と、フラッシュメモリおよびROM製品のメーカーであるMacronix International社とチームを組んだ。

  このメモリは当初、デジタルカメラや音楽プレーヤー、携帯電話のフラッシュメモリに取って代わることになるだろう。さらに、現在ディスク装置の使用が進んでいる自動車用アプリケーションにも使われるようになると確信するエンジニアもいる。

(Charles J. Murray、エレクトロニクス担当シニア・テクニカル・エディター)


Macronix International社
 台湾Macronix International社は、1989年12月の創業以来、顧客およびアプリケーション主導の不揮発性メモリのリーディングカンパニーである。従業員数は3,600名(2005年8月現在)。同社は、2004年に日本市場への販売に対するサポートを目的としてMacronix Japan Cayman Islands Limited 日本支社(http://www.mxic.co.jp)を開設した。





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