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三菱電機、レーザー/放電加工で最新技術を開発

[2007年04月号]

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 三菱電機は2月15日、同社情報総合技術研究所(神奈川県鎌倉市)内で最新の研究開発成果を発表した。同社が毎年2月に「研究開発成果披露」として行っているもので、今回は6分野から15件について発表を行った。特に、同社が高い技術力を持つレーザー加工、放電加工分野の新技術が注目を集めた。

深紫外レーザーで10Wを実現

波長213nmの深紫外レーザーを発生させる波長変換部(模型)。大阪大学で開発した高品質非線形光学結晶を2つ使って、入力光である赤外レーザーの波長を5分の1に変換する

 レーザー加工分野で発表したのが「世界最高出力深紫外固体紫外線レーザー」。空気中で吸収されない最短の領域である波長213nmの深紫外レーザーとして、従来の約2倍となる出力10Wを達成した。レーザー加工では波長が短いほど加工精度が高く、波長300nm以下であればガラスなど透明材料への吸収率が高いことなどから、光学デバイスや高密度プリント配線板などの加工用途に深紫外レーザの高出力化が期待されていた。

 深紫外レーザーとしては、イオンレーザーやエキシマレーザーなどがあるが、ビームの集光性、メンテナンス性、寿命などについては固体レーザーの優位性が高い。固体レーザーで一般的なYAGレーザーの波長は赤外領域の1064nmだが、非線形光学結晶を使った高調波発生により、波長532nmのグリーンレーザー、波長355nmの紫外レーザーなども実現できる。


波長の短い深紫外レーザーを使えば直径0.1mmの毛にも微細な穴加工が可能だ

 同社は波長213nmの深紫外レーザーを発生させるために波長変換を3回行っている。従来まではこのうち2回の波長変換で使用するセシウムリチウムボレート(CLBO)結晶の純度が低かったため、赤外レーザーの出力をどれだけ高くしても5.6Wで飽和していた。しかし今回発表した成果では、大阪大学工学部佐々木研究室が開発した高品質CLBO結晶を用いることで飽和現象の発生を抑えながら、入力の赤外レーザーも300Wと高出力・高集光にすることにより、繰り返し周波数10kHzで10Wという高出力化を実現し、レーザー加工機としての実用化に道筋を付けた。「300Wの赤外レーザーから10W出力なので効率が低いように見えるが、現行のイオンレーザーやエキシマレーザーと効率は同等水準にある。波長変換時の飽和現象がないので、入力光を高めればさらなる高出力化も可能だ」(三菱電機)という。

放電加工で太陽電池をスライス

放電スライシングとワイヤソーの比較

 太陽電池は、多結晶シリコンウェーハを材料としているが、その多結晶シリコンの需給が逼迫している。太陽電池事業も展開する同社は、「太陽電池用シリコンの放電スライシング技術」として、世界で初めてワイヤ放電加工による太陽電池用ウェーハのスライスに成功した。現在の研磨砥粒を使ったワイヤソー加工と比べて環境負荷が低く、薄いウェーハを狭い切り代でスライスできる技術として期待できる。

 今回の発表では、150mm角のシリコンブロックをウェーハ厚さ0.2mm、切り代0.25mm、加工速度毎分0.267mmとワイヤソーと同程度の性能を実現した。半導体であるシリコンではパルス放電しにくいため放電加工は難しいとされてきたが、印加電圧の正負が逆転しない単極性電源を開発することで対応。また放電加工によるシリコンへの影響については、実際に放電スライスしたウェーハで太陽電池セルを試作し、従来と同等の発電効率(15.2%)を確認している。

  今後2009年をめどにさらに開発を進める。「薄肉加工ではウェーハ厚さと切り代を合わせた加工ピッチで0.25mmが目標。さらにワイヤソーで一般的なマルチワイヤ加工にも取り組む」(同社)方針だ。

(朴 尚洙)



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