グローバルでの厳しいコスト競争にさらされる国内製造業にとって、製造コスト削減は常に取り組まなければならない重要な課題である。そのためには国内よりも人件費などが低く、現地需要を取り込むことのできる海外生産は必須であり、自動車メーカー、電機メーカーとも積極的に工場の海外展開を進めている。
電子製品のモノづくりの中枢であるプリント配線板への電子部品実装工程の海外比率は特に高く、国内実装機メーカーの生産額の約80%にあたる2,041億円(日本ロボット工業会統計)が海外に輸出されていることからも分かる。そして輸出される実装機の半分以上は「世界の工場」中国向けである。実装機メーカーの中国展開も活発で、06年末にヤマハ発動機が上海に実装機のサポートを中心とした現地法人を、07年5月にタムラFAシステムが蘇州にはんだ付け装置の新工場を立ち上げるなどしている。その一方で、かつての電子製品生産の中心地だった東南アジアにも再度注目が集まっている。
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東南アジア回帰へ、実装機需要に変化の兆し
[2007年05月号]
タイから自動車で約1時間の距離にあるJUKI SMT ASIA(上)。2006年秋に全面開港した新国際空港も近い。3月8日の開所式では、客先以外にも、タイ商工会議所会長、チョンブリ県副知事などが出席した。
JUKIがタイに現法設立
JUKIは、タイ・チョンブリ県アマタナコン工業団地にチップマウンタの販売・サポートを行う現地法人「JUKI SMT ASIA」を設立し、3月から営業活動を開始した。タイ以外に、シンガポール、ベトナムのハノイとホーチミンに事務所を置く。総従業員数は約20人。 2010年までに東南アジアのマウンタ市場でシェア20%以上を目指し、従業員数も約2倍にまで増やす計画だ。タイの本社社屋は、実機を使ったデモやトレーニング機能に加えて、パーツだけでなく完成品在庫も置ける倉庫や、半導体との混載実装など将来需要も見据えてクリーンルームも設置するなど本格的な作りになっている。
これまでJUKIの東南アジア展開は、シンガポールにある工業用ミシンの現地法人内に置く事務所が中心だった。JUKI産業装置事業部の野本営業本部長は「昨年から東南アジア市場のてこ入れのために新たな現地法人設立を考えていた。10年前ならシンガポールに設立するところだが今ならタイが最適だと考えた。車載機器を中心に市場が大きく、新規市場として期待できるインドとベトナムへのアクセスも容易だ」と語る。
2000年以前まで電子製品生産の中心地だった東南アジアだが、中国への工場移転が急速に進んだことで実装機需要は一気に冷え込み、今や世界市場の10%にも満たないレベルにまで落ち込んでいる。しかし近年は「アジアのデトロイト」と呼ばれるようになったタイが車載電子機器の生産を拡大しており、インテルが最大規模の半導体後工程工場の建設を決定するなどベトナムでの電子機器生産も確実に伸びる状況にある。「将来的には東南アジアの実装機市場は世界全体の 20%程度まで再成長するだろう」(野本営業本部長)とその期待は大きい。
中速マウンタでJUKIと市場を二分するヤマハ発動機IMカンパニーは、海外販売は代理店営業に重点を置く方針をとっている。しかし06年からは、タイの現地事務所にサポート人員を常駐するなどして東南アジア展開を強化した。「東南アジアの中心になりつつあるタイで大手顧客の信頼を勝ち取るためにも、完全に代理店任せにせずヤマハ発動機としての顔も見せられるようにして行く」(ヤマハ発動機IMカンパニー岩塚佳久バイスプレジデント)という。
(朴尚洙)
これまでJUKIの東南アジア展開は、シンガポールにある工業用ミシンの現地法人内に置く事務所が中心だった。JUKI産業装置事業部の野本営業本部長は「昨年から東南アジア市場のてこ入れのために新たな現地法人設立を考えていた。10年前ならシンガポールに設立するところだが今ならタイが最適だと考えた。車載機器を中心に市場が大きく、新規市場として期待できるインドとベトナムへのアクセスも容易だ」と語る。
2000年以前まで電子製品生産の中心地だった東南アジアだが、中国への工場移転が急速に進んだことで実装機需要は一気に冷え込み、今や世界市場の10%にも満たないレベルにまで落ち込んでいる。しかし近年は「アジアのデトロイト」と呼ばれるようになったタイが車載電子機器の生産を拡大しており、インテルが最大規模の半導体後工程工場の建設を決定するなどベトナムでの電子機器生産も確実に伸びる状況にある。「将来的には東南アジアの実装機市場は世界全体の 20%程度まで再成長するだろう」(野本営業本部長)とその期待は大きい。
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