中国RoHSセミナー詳報

段階的に進む中国版RoHS規制
——基準策定に国内外企業の声も反映

[2007年05月号]

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まず表示義務から

信息産業部、電信研究院、泰爾実験室、何桂立主任

 中国版RoHSの詳細については、信息産業部で電信研究院の傘下にある泰爾実験室(CTTL)から何桂立主任が解説を行った。CTTLは、中国版RoHS の基準制定や検査方法の策定に大きな役割を果たした部門であり、RoHS関連の分析サービスやコンサルティングなども行っている。

  中国版RoHSが対象としている「電子情報製品」とは、電子情報技術を用いて製造される製品であり、レーダー、通信機器、テレビ、コンピュータ、電子測量機器、家電、電子部品など多岐に渡る。対象となる製品の詳細は「電子情報製品分類注釈」として、信息産業部のホームページに掲載されており、当初は対象にならないと言われていた、半導体製造装置、電子部品実装機、工作機械なども含まれている。一方で、EUのRoHS指令やJ-MOSSで対象としている、冷蔵庫やエアコンなどの「白物家電」は含まない。

 何主任は「中国は生産拠点としての役割が大きいので、EUのRoHS指令と違って部品なども対象に含めた。また表示義務から始めるのは、生産者への負担を小さくするためだ」と語る。第2段階の重点管理目録への登録は、その製品について多くの企業で有害化学物質を含んだ材料の代替が可能になったことを確認してから行う。

 中国版RoHSは、法制運用の基準となる「業界基準」が8つあるとされている。表示、有害物質の濃度制限、有害物質の分析方法に関する3つの基準は06年 11月に公開されている。残りの5つははんだ材料に関する基準で、草案は完成しており、現在は国家認証を待っている状況だ。

 表示については、全ての有害物質が濃度制限以下の場合のグリーンマークと、濃度制限以上の有害物質を含む場合のオレンジマークがある。オレンジマークの場合はマーク内に環境への汚染が起こらない年数として「環境保護使用期限」を表示する必要があり、この年数は製造企業自身が決定する。また、どの部材で有害物質が制限濃度を超えているかについても、表で表示しなければならない。さらに、有害物質濃度とは関係なく、リサイクル表示、包装材名表示も行う必要がある。

  濃度制限については、電子情報製品の構成部材を、「EIP-A:均質材料」、「EIP-B:金属メッキ層材料」、「EIP-C:体積4mm3以下でそれ以上分解できない小型部品又は材料」の3種類に区分している。EIP-Aは、EUのRoHS指令におけるHomogenious materials(均質材料)と同じ定義であり、EIP-BとEIP-CはEIP-Aを補完する分類である。

  分析方法は、IEC/TC111/WG3で策定中のRoHS関連物質の標準測定法(第1案)を基準としている。蛍光X線分析装置によるスクリーニングが基本で、精密分析方法も6物質ごとに指定されている。

中国独自の鉛フリーはんだ

清華大学、材料化学・工程研究院、馬●生教授

  清華大学材料化学・工程研究院の馬●生教授は、中国独自の鉛フリーはんだ開発について紹介した。馬教授は、現在国家認証を待っている、はんだ材料に関する5つの基準の制定にも関わるなど、中国の実装技術研究の第1人者として知られている。

 この5つの標準には、SN-Cu-Ni-Ce系、Sn-Ag-Cu-Ce系のはんだ材料が組み込まれ、さらに清華大学が3月初旬に特許公開したばかりの、 Sn-3.0Ag-0.5-Cu-Ni-Al系、Sn-Zn-Bi-In-P系も採用される予定だという。「清華大学では、7種の新型鉛フリーはんだについて研究していたが、特許を公開した2つは成功例になった」(馬教授)という。

  Sn-3.0Ag-0.5-Cu-Ni-Al系は、現在鉛フリーはんだとして一般的なSn-Ag-Cu系と同じく融点は220℃前後のはんだ材料で、広がり率、耐酸化性、時間温度特性に優れる。Sn-Zn-Bi-In-P系の融点は、従来の鉛を含む共晶はんだとほぼ同じ183℃で、広がり率、濡れ性に優れる。さらに共晶はんだと比べて、耐熱疲労性が30%高く、2倍近い結合強度を持つという実験結果が出ている。はんだ接合点での金属間化合物層が薄く、その成長も非常に緩慢であり、またはんだ側の接合界面にZnが濃縮されていることにより、性能向上が達成されたとしている。馬教授は「Sn-Zn-Bi-In -P系は、共晶はんだを使う既存の実装ラインをそのまま使うことが出来る。今後は工場での実証作業を進めて行きたい」と語った。

注:●は草かんむりに呂




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