設計情報の見える化と3次元図面

第8回 広がる3Dビューワの役割

[2007年08月号]

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図2 3Dビューワの必要機能・必要条件


3Dモデルの動的閲覧
 3Dビューワによる3Dモデルの活用で特筆すべきことは、3Dモデルの動的閲覧を可能にすることである。閲覧者が見たい視点を連続的に変えて形状の確認をしたり、見たい断面を必要ならば連続的に動かして確認したりすることが可能となる。

 たとえば、米Adobe社のAcrobat 3DではMicrosoftのWordやExcel、PowerPoint等のファイルに3Dモデルを挿入してPDF文書化し、閲覧ソフトAdobe Readerで動的閲覧を可能にしたりする。同様にラティス社のXVLの普及もある。このように3Dモデルは3D CADの世界から飛び出して、どのコンピュータでも、当たり前のように動的に活用できる環境が実現しつつあるのだ。

3Dビューワの必要機能

3Dビューワの必要機能としてまとめると以下の5項目となる。

①3Dモデルの確認・検証機能
 3Dモデルを正確に再現し、形状の確認や寸法計測ができること。

②アセンブリ編集機能
 3Dモデルの部品の組立てや他の部品の追加・移動ができること。

③コミュニケーション機能
 主に開発時のコラボレーションのために、検証モデルに対してコメント・注釈などを記し、関係者間の意見交換ができること。

④3D文書作成への支援
 3Dモデルを各種文書に挿入し、3Dモデルの確認を可能にすることでそれぞれの文書意図の理解を高めることができる。このために3Dビューワは Word、Excel、PowerPoint、PDFなどのファイルへ3Dモデルを挿入して、動的・静的閲覧を可能にする3D文書の作成を支援できること。

⑤2次元図の作成と印刷
 3Dモデルを2次元図に表現して閲覧するために、任意の2次元図に変換・表現して、印刷できること。

3Dビューワの必要条件

設計情報のアウトプットを担う媒体として3Dビューワに求める必要条件は以下である。

①普及への価格配慮
 3Dモデルの活用を広げるために3Dビューワに求める重要な条件は、必要な時にいつでも何処でも閲覧可能といえる環境づくりである。具体的には、パソコンさえあれば閲覧できる環境である。そのためにはコストを含めて3Dビューワが容易に入手できることが求められ、普及版は無償で、高機能版は低価格で入手できることが条件となる。

②CADデータへの迅速な追従
 3Dモデルを生成する各社の3D CADは頻繁にバージョンアップがあるため、3DビューワはCADファイルからのデータ変換において、常に3D CADの最新バージョンへの迅速な対応が必須条件となる。図2に3Dビューワの必要機能と必要条件を示す。


各社3Dビューワの対応
 3Dビューワのベンダー各社は自社アプリケーションを3次元図面からの要求に対応させる方向で機能の充実を図っている。前回も紹介したが日本自動車工業会(JAMA)等の3D図面標準化WGではこれらの対応状況の調査検証を実施し、結果をDEV(Digital Engineering Visualization)ガイドライン付録にまとめ、下記ウェブに公開している。ただし、具体的な評価には常に最新情報の確認が必要である。

・JAMA/JAPIAのDEVガイドライン

成沢良幸
ナリサワ ヨシユキ 1954年東京生まれ。東京航空高専機械工学科卒、1974年リオン株式会社入社。世界初の防水補聴器の開発など補聴器の研究開発に携わり、1989年補聴器の小型高密度化のため設計の3次元化を推進。その後国内製造業各社の3次元CAD導入推進をサポート。現在同社技術統括部聴能技術部部長を務める。

●著者連絡先
yosiyuki@rion.co.jp

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