韓国国防関係の航空機などを設計開発生産しているKorea Aerospace Industries(KAI)社は、新しいヘリコプターをシミュレーションベースで設計するために、エンジニアスの設計、開発、製造作業向けシステム基盤「FIPER」を使ったシミュレーションデータマネジメントシステムを構築した。同プロジェクトは、今年1月8日から7月20日までの28週間で完了した。
KAI社のプロジェクトでは、どのようなファイルやデータでも受け渡しできるようなバス「Engineering Data Bus(EDB)」をFIPERの上に構築することになった。プラグインでいろいろなテンプレートにつながるという、FIPERやエンジニアリングプロセスの自動化・統合化・最適化を実現するシステム基盤「iSIGHT-FD」が持っていた機能をデータベースとファイルにも応用した。
FIPERにはもともと3つのレイヤーがある。ワークフローなどを管理するコアのレイヤーがあり、その外側にコアエクステンション、さらにその外側にCADやCAEなどのアプリケーションのレイヤーがある。このコアエクステンションにEDBの機能を持たせた。このコアエクステンションはもともとPDMやデータマネジメントの機能を持っており、これを強化してEDBを構築した。
従来、FIPERの環境ではPDMや、FIPERの計算結果などのファイルやコンポーネントは、ハードコーディング、つまりスクリプトでつながなくてはならなかったが、それを不要とした。
EDBでは、ファイルシステムやPDM、FIPERの計算結果、各種アプリケーション、WebやEDB用のコンポーネントをプラグインするだけで自動的にコミュニケーションできるようになる。EDBは、大きなデータを管理するデータソースというレイヤーと、エンドユーザーの各種アプリケーションやワークフローを管理するEDBクライアントというレイヤーの真ん中に構築され、FIPERのOracleやDB2などのデータ管理機構を持っている。その管理機構を介してデータの変換やそのやりとりを行う。
KAI社のプロジェクトでは、Teamcenterを使っているため、TeamcenterのデータベースにあるCADデータなどをEDBを介してFIPERの結果に接続したり、ワークフロー上で実行したりすることができる。
エンジニアス・ジャパン加藤毅彦社長は「KAI社や欧米数社から同時にFIPERをつかったシミュレーションデータマネジメントを構築したい、FIPERのドラッグ&ドロップをアプリケーションだけでなく、データ管理でも使いたいという要望があった。それをKAI社で実現した」と語る。
「KAI社は、エンジニアスのシステムを導入する前に、ほかのシミュレーションデータマネジメントツールのベンチマークを行っていたが、柔軟性がなく、たとえば、ヘリコプターのプロジェクト用に使えても、ジェット戦闘機や輸送機に適用するには、全部システムを作り直さなくてはならず、悩んでいた」(加藤社長)。FIPERのアーキテクチャをベースにした場合は、ジェット戦闘機や輸送機などに必要な部分だけ追加すれば、あとはほぼすべて再利用でき、使えるようになるため採用された。
(大村 泰憲)
MAGAZINE ARTICLES
このページをホームページに登録News 海外・国内の技術トレンド
SOFTWARE/HARDWARE
FIPERベースにデータ管理システム構築
[2007年09月号]
FIPERをベースにしたシミュレーションデータマネジメントシステムでは、どのようなファイルやデータでもプラグインで受け渡しできるようなバスEngineering Data BusをFIPER上に構築した
Sponsor Links
Partner Solutions
EVENTS
-
品質向上セミナー 『「誰でも」「どこでも」高品質の実現に向けて』
2008年12月11日ー2008年12月11日
UDX GALLERY -
Automotive Electronics Forum 2008 『欧州エコカー技術の最前線』
2008年12月09日ー2008年12月09日
ベルサール西新宿 -
第1回 アナログセミナー 『アナログICを選ぶ、使う』
2008年12月03日ー2008年12月03日
東京コンファレンスセンター・品川













