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利島 康司 氏
安川電機 社長
人と社会に優しいロボット開発へ
[2007年09月号]
64年慶応義塾大卒。同年安川電機製作所(現安川電機)入社。86年システム技術部計画部長。95年取締役に就任し96年ロボット事業部長。02年専務取締役ロボティクスオートメーション事業部長。04年から現職。
安川電機の源を辿ると親会社は石炭採掘の明治鉱業に至る。明治鉱業が当時の国の基幹産業である石炭を事業化するなかで、1915年に炭坑採掘用モーターを製造する子会社、安川電機製作所をつくる。これが安川電機の前身となった。明治鉱業を創業した安川敬一郎、松本健次郎父子は、当初から海外の新技術を積極的に導入する体制を固めて技術立社を標榜した。こうして国の基幹産業の一翼、海外に目を開く、技術立社を背景として立ち上がった安川電機は以後もその遺伝子を継承する。
基幹産業として鉄鋼が拡大成長する時期になると、創業者は官営の製鉄所を九州に誘致する活動に尽力し成功する。しかし開業した八幡製鉄所は電機機器のほとんどが欧州からの輸入品だった。安川電機製作所はその国産化に取り組み、中枢となる溶鉱炉の電機品の開発力を培っていく。その後溶鉱炉周りの電機品、すなわち中大型モーターおよび複数のモーターを統括制御するシステムに関しては、安川が100%を供給するようになる。
製鉄を皮切りに、セメント、製紙、化学プラントなど大型モーターを稼働する重厚長大型の開発製造およびシステム・エンジニアリングに事業を拡張していった。
60年代以降は社会構造が変わり、機械の自動化の流れが出てくる。それまでの重厚長大型の原料一貫プロセス加工統括制御から、一回プロセスが完了すると区切れて、また二次加工につながるフレキシブル・オートメーションへと展開。使う電機が小振りになる一方、工程が一端途切れるところから、この間をつなぐ搬送・ローディングなどが新たに必要になってきた。これを機に安川電機製作所もオートメーションを技術の中心に移そうとする。
自動化は機械の連続性の制御であり、モーター制御技術だけでは不足する。このころ米国を中心にマイコンが登場し、自動化・省力化の技術としてエレクトロニクス技術に着目した。64年にはエレクトロニクス事業の開発製造拠点として東京工場(埼玉県入間市)を設立し、これがひとつの転機となる。
基幹産業として鉄鋼が拡大成長する時期になると、創業者は官営の製鉄所を九州に誘致する活動に尽力し成功する。しかし開業した八幡製鉄所は電機機器のほとんどが欧州からの輸入品だった。安川電機製作所はその国産化に取り組み、中枢となる溶鉱炉の電機品の開発力を培っていく。その後溶鉱炉周りの電機品、すなわち中大型モーターおよび複数のモーターを統括制御するシステムに関しては、安川が100%を供給するようになる。
製鉄を皮切りに、セメント、製紙、化学プラントなど大型モーターを稼働する重厚長大型の開発製造およびシステム・エンジニアリングに事業を拡張していった。
60年代以降は社会構造が変わり、機械の自動化の流れが出てくる。それまでの重厚長大型の原料一貫プロセス加工統括制御から、一回プロセスが完了すると区切れて、また二次加工につながるフレキシブル・オートメーションへと展開。使う電機が小振りになる一方、工程が一端途切れるところから、この間をつなぐ搬送・ローディングなどが新たに必要になってきた。これを機に安川電機製作所もオートメーションを技術の中心に移そうとする。
自動化は機械の連続性の制御であり、モーター制御技術だけでは不足する。このころ米国を中心にマイコンが登場し、自動化・省力化の技術としてエレクトロニクス技術に着目した。64年にはエレクトロニクス事業の開発製造拠点として東京工場(埼玉県入間市)を設立し、これがひとつの転機となる。
「メカトロニクス」の誕生
自動化を推進する過程で、従来の油圧式・空気式が環境、可搬性、コンパクト化に不便であったため、電機式を選択する傾向が出てきて、多様な機械を電機で動かす方向に開発を傾けていく。まずモーターの軽量化、小型化、応答性能の改善を図り、細長形状のミナーシャ(ミニマム・イナーシャ)モーター、扁平形状のプリントモーターを開発。これらを組み込んだ電動シリンダーのようなMOTOアーム、MOTOフィンガーなどを生みだし、自動化の中で道具化していく。機械を融合した電機品を生み出していくのが60年から70年代初頭で、この頃機械と電機の融合を志向した「メカトロニクス」の用語、概念の生みの親となった。
さらに複数台数を同期して集中制御するために米国で発展したマイコン制御技術を身につける。この成果の一部は77年に商品化して、ロボットの1号機「MOTOMAN」に結実する。
80年代後半からは重厚長大からの事業転換を加速する必要に迫られ、ミナーシャモーターからサーボモーターに展開していた要素技術を、工作機械、製造装置、搬送機などへ展開。他方、ロボットは自動車の溶接ラインから実用化が進み、年間3ケタ台数を出荷した85年はロボット元年と呼ばれる。半導体の製造工程でもサーボモーターによる精密制御が2000年まで市場を順調に拡大した。
バブル崩壊の影響は厳しかったが、これを機に本社の開発資源をサーボモーター、ロボットとインバータに集中する。ロボットの用途を拡大し、溶接から塗装、液晶ガラス基板の搬送、シリコンウエハ搬送などに展開して、累計15万台を製造する世界最大のロボットメーカーに成長してきた。自動車生産では今後ロボットは双腕や多関節でボディやエンジンの組立てに入っていく。
さらに複数台数を同期して集中制御するために米国で発展したマイコン制御技術を身につける。この成果の一部は77年に商品化して、ロボットの1号機「MOTOMAN」に結実する。
80年代後半からは重厚長大からの事業転換を加速する必要に迫られ、ミナーシャモーターからサーボモーターに展開していた要素技術を、工作機械、製造装置、搬送機などへ展開。他方、ロボットは自動車の溶接ラインから実用化が進み、年間3ケタ台数を出荷した85年はロボット元年と呼ばれる。半導体の製造工程でもサーボモーターによる精密制御が2000年まで市場を順調に拡大した。
バブル崩壊の影響は厳しかったが、これを機に本社の開発資源をサーボモーター、ロボットとインバータに集中する。ロボットの用途を拡大し、溶接から塗装、液晶ガラス基板の搬送、シリコンウエハ搬送などに展開して、累計15万台を製造する世界最大のロボットメーカーに成長してきた。自動車生産では今後ロボットは双腕や多関節でボディやエンジンの組立てに入っていく。
人に役立つロボット技術
社会が安全、安心、健康、環境を目指すなかで、次世代の市場は、安川電機の開発技術の延長線上に開けている。例えば、少子高齢化する社会のなかでは、人間や社会に優しいモノづくりが求められる。双腕で80kgを抱え上げるリハビリテーション用ロボット、さらには老人家庭や共働き家庭用にクッキングロボット、お手伝いロボットなどが登場してくるだろう。また家庭で使える安全技術や使いやすさは、デジタル家電組立てロボットなど製造プロセスへフィードバックする循環が働くだろう。
(聞き手:甲斐 真一郎)
(聞き手:甲斐 真一郎)
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