▼モノづくりFORECAST

Bernd Schuettler 氏 
シーメンス 執行役員 自動制御ドライブシステム事業部長

「PLC王国」でUGSとのシナジーを展開

[2007年09月号]

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ベルンド・シュットラー
ドイツ・カールスルーエ大卒。92年Siemens AG Automation & Drives 入社。産業用制御機器のプロダクト・マネジャー及びシステム・エンジニアとして独・米・日の各国において勤務の後、04年より現職。

 シーメンスが東京事務所を開設したのは1887年で、今年は120周年を迎える。すでにそれに遡る1861年にはプロイセンから来日した東方亜細亜遠征隊がシーメンス製の電磁式指針電信機を幕府に献納し、これが恐らく日本に届いた最初の電気機械であったといわれている。日本とシーメンスのパートナーシップがすでに1世紀以上にわたることを誇りに思う。

「PLC王国」での事業展開

 息の長い日本市場へのコミットメントの上に今日、シーメンスの自動制御ドライブシステム(A&D)も成長している。シーメンスは世界のPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)のリーダーだが、日本はグローバル競合社が顔をそろえる「PLCの王国」であり「FAの王国」だ。

 日本でのPLC事業は当初、海外市場、主として欧州でPLCを必要とする日系の進出企業向けが中心だった。欧州ならばシーメンス仕様、国内ならば三菱、オムロン仕様など、米国ならばロックウェル仕様と1機種に3種の仕様を作り分ける時代だった。ここ数年その傾向に変化があらわれた。日本国内でもニーズが多様化し、製品の冗長性、安全性に優れるシーメンスのPLCがシェアを伸ばし始めている。昨年われわれの事業は30%成長を遂げた。私の目標としては国内PLC市場で2011年までに4~5%を確保したい。

 FA市場をフォーカス領域として、ひとつのシステムで全てのオートメーションのアプリケーション要求に応えるTIA(Totally Integrated Automation)をコンセプトとして、製品はPLCをコアに、センサ、制御パネル、SCADAソフトウエア、産業用イーサネットのPROFINETなどを揃える。

サービス拠点網の拡張
 顧客となる製造業でも変化が見られる。生産効率を追求し、コストや在庫を一層削減するなかで製品のライフサイクルコストも問われるようになり、地域市場別仕様の購買を止めて、使用する機器の仕様を国内外で統一し標準化を図るユーザーが増え始めている。

 この動きはグローバルにサービス網をもつシーメンスに有利に働いている。例えばシーメンスは中国内に60サービス拠点を展開している。また国内でも3年前に大阪、今年2月名古屋にサービス拠点を設け、さらに網を拡張する計画だ。UGSが今年グループに加わったこともあり、ローカル拠点数はさらに拡大する見通しだ。

国内パートナー連携を強化
 シーメンス・ソリューション・パートナー(SSP)プログラムではシーメンス製品のエンジニアリングとソリューションサポートを提供する提携先として日本国内でもノーケン(大阪府吹田市)を始め2~3社のパートナーを開拓中だ。また富士電機システムズとは計測分野で新プロセス制御技術DCSの協業で提携している。また販売面では国内市場開拓のためにディストリビュータ網の拡張を通じて中小企業向けアプローチを強化している。

UGS事業とのシナジーの期待
 シーメンスはすでにA&Dグループのなかでソフトウエアに関わる開発が非常に多く、生産システムのオープン化、マルチメディア化の統合環境としての機能を備えたSCADA SIMATIC WinCCをはじめ多数のソフトウエアを事業化している。シーメンスのソフトウエア開発人口は、マイクロソフトに次いで世界第2位の規模になった。

 ソフトウエア企業のUGSとの連携では、当然ながら、FA市場向けにハードウエアを販売するのとは異なるビジネスモデルがある。シナジー効果を得るためには、相互を開示し、コンサルティング力、カスタマイズが強く求められる販売プロセスを分析しなければならないだろう。

 しかし一方、顧客層を見れば、自動車、エレクトロニクス、造船はじめ重工業などすでに重なっている領域が大きい。UGSはCIOにアクセスし、A&Dグループは製造部門の担当者とコンタクトしてきた違いはある。しかし、ITレベルでは製造業領域に今後ますますフォーカスが集まることは確実だ。すでにUGSが獲得している日本市場での高い評価を背景に、シーメンスA&Dブランドと製品への関心度を高めていくことも可能だろう。この日本市場でシーメンスは、製造業の製品開発の計画段階から、生産シミュレーションを経て、シーメンスPLC製品などを使った生産を実行するまで一つのデータベースを上で、統合化されたオートメーションを展開できるだろう。

(聞き手:甲斐 真一郎)

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