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吉田 隆 氏
横河電機 執行役員 通信・測定器事業部長
シミュレーションと計測を融合する架け橋に
[2007年09月号]
1973年横河電機入社。以降電子計測器の開発畑を進み、横河・ヒューレット・パッカードへの出向などを経て、2005年執行役員通信・測定器事業部長に就任。現在に至る。
電気計器からスタートした当社にとって、計測事業は本来そのルーツにつながる分野である。実際に電力計や記録計は当初から注力して来た事業であり、現在も世界シェアトップに位置する。市場が拡大するであろう高周波数帯の分野の技術はなかったが、1963年に米Hewlett Packard社と合弁で立ち上げた横河・ヒューレット・パッカード(YHP)の活動を通してノウハウを吸収し、87年にはオシロスコープを製品化している。通産省傘下の光技術開発プロジェクト「オムテック」や「テラテック」で高周波関連技術も培うことができたし、02年に安藤電気と事業統合して光通信技術も揃った。
自動車計測にトータルソリューション
自動車開発のテーマである「環境・安全・快適」を達成するために必要とされているのが電子制御ユニット(ECU)である。1台あたりのECUの数は数十個とも言われ、これらを効率的に制御するための複雑なプログラムのためにソフトウエアの開発効率は悪化している。JasParをはじめ標準化による対策が現在進んでいるが、当社としては自動車の開発プロセス「Vダイアグラム」の右側の検証プロセスで、トータルソリューションを提供できるような準備を進めているところだ。次世代ネットワークのFlexRayについて物理層、論理層を含めて全てカバーできるのは当社グループだけだし、ハイブリッド車など自動車の電動化ではモーターやインバータの開発に電力計を展開できる。5月には、オシロスコープの技術を応用して高速・大電圧アプリケーションの測定・記録を行う「SL1000シリーズ」を発表した。
自動車計測では、温度、圧力、電流/電圧をはじめ複数の物理量の同時計測を行うが、電子制御が増えることで、物理量とECUからの論理値の同期を取る必要も出てくる。ECUを仮想的に周辺機器と接続した状態で計測を行うHardware-in-the-Loop(HIL)システムのような、同時複合計測の要求を満たすソリューションを準備しているところだ。
将来に向けた技術開発は、誰もがより短い期間でより高品質に行いたいと考えている。そこでシミュレーション技術のさらなる導入が必要になり、シミュレーションと計測は一体化して行くだろうし、計測だけをとっても同時複合計測的な側面は大きくなっていくだろう。これはモノづくり全体の方向性であろうし、そういった意味でも先進的な取り組みを行っている自動車分野はベンチマークと言っていいだろう。その自動車分野でもシミュレーションについてはかなり知見は積み上がっているが、計測との融合については大手メーカーにとっても今後の課題になっている。シミュレーションと計測を融合する架け橋となる技術をいち早く提供することで自動車業界に貢献したい。
10年後にハイエンドオシロも
国内の顧客対応では技術者によるサポート、納期対応のスピードなど信頼性が高いので、特に要求の厳しい自動車業界との関係では強みになっている。もちろんグローバル対応でも、「One Global YOKOGAWA」を旗印に、顧客がどの地域にいても同じ製品、サービスを提供できるように努めている。
事業展開している3分野のうち、メカトロ・エネルギーはトップシェア、通信・ネットワークも物理層では非常に有力な位置にいるが、オシロスコープについてはまだチャレンジャーだ。国内市場の周波数200MHz以下ではシェア40%を確保しているが、当面は海外展開も含めてミッドレンジ市場に注力して事業の確立に全力をあげる。しかしコーポレートの研究開発で先端のADコンバータ開発を行うなど、基礎技術、要素技術の開発は進めており、10年後にはハイエンドオシロスコープ市場に参入できるようにしたい。
当社の電子計測器は甲府事業所に集約して生産しているが、制御機器など他の事業分野と同じく日々ラインを短くするなどして無駄を省く努力を続けている。汎用オシロスコープであれば、かつては1カ月は必要だった納期を、3日~5日程度にまで短縮した。
「モノづくり」というのは、品質を維持し作り込む技術であり、その進化を計測技術で支えて行きたい。
(聞き手:朴 尚洙)
事業展開している3分野のうち、メカトロ・エネルギーはトップシェア、通信・ネットワークも物理層では非常に有力な位置にいるが、オシロスコープについてはまだチャレンジャーだ。国内市場の周波数200MHz以下ではシェア40%を確保しているが、当面は海外展開も含めてミッドレンジ市場に注力して事業の確立に全力をあげる。しかしコーポレートの研究開発で先端のADコンバータ開発を行うなど、基礎技術、要素技術の開発は進めており、10年後にはハイエンドオシロスコープ市場に参入できるようにしたい。
当社の電子計測器は甲府事業所に集約して生産しているが、制御機器など他の事業分野と同じく日々ラインを短くするなどして無駄を省く努力を続けている。汎用オシロスコープであれば、かつては1カ月は必要だった納期を、3日~5日程度にまで短縮した。
「モノづくり」というのは、品質を維持し作り込む技術であり、その進化を計測技術で支えて行きたい。
(聞き手:朴 尚洙)
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