究極の予防安全には、カメラで自動車周辺の画像を撮影して一定のアルゴリズムで処理を行い、歩行者や障害物などを認識して自動的に危険を避ける技術などが考えられている。カーナビと連携すれば自律運転も可能な技術だが、そのために必要なのがカメラとなるCMOSセンサーと高度な画像認識LSIである。画像認識では、レクサスの歩行者検知に採用された、100GOPS(1秒間に1000億回の処理を実行できる)の処理能力を持つNECエレクトロニクスの「IMAPCAR」をはじめ、東芝の「Visconti」やルネサスの「SH-Navi2V」があり、またアナログ・デバイセズも汎用のメディアプロセッサ「Blackfin」を使った白線検知技術を提案している。しかし「自動車メーカーの求める性能にはIMAPCARでもまだ不足しており、第2世代の歩行者検知ではさらに数倍の処理能力が必要」(NECエレクトロニクス金子事業部長)で、今後も技術開発競争は続きそうだ。
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半導体技術
[2007年09月号]
画像認識
第2世代に向け競争続く
IMAPCARのアーキテクチャと構成(出所:NECエレクトロニクス)
ネットワーク
FlexRay実装が間近
ECUの数が増えるほど接続のためのワイヤーハーネスの量は増加することになる。1990年代にCANという標準プロトコルが登場したことにより、ネットワーク回線を共有しての制御が可能になった。またCANよりも機能を絞ってドアやミラーなどのボディ系に特化したLIN(Local Interconnect Network)や、エンターテイメント系のMOST(Media Oriented Systems Transport)の登場で、自動車のネットワーク化が進んだものの、依然ワイヤーハーネスの量は増え続けている。
CANの最大転送速度は1Mbps。実際の運用は500kbps程度で、急増するソフトウエア量には対応しきれていない。この問題に対して、欧州の「FlexRayコンソーシアム」が標準化を進めているのが、最大転送速度10Mbps、タイムトリガ通信による高い信頼性が特徴の次世代車載ネットワーク「FlexRay」である。FlexRayが目指すのは、まだメカ部品に任せているステアリング、アクセル、ブレーキなどを電動化する「バイワイヤ」の実現。独BMW社は、2007年発売のBMW X5の走行制御機能「Adaptive Drive」にFlexRayを採用しており、バイワイヤ技術への展開も近いことを予感させた。
国内で自動車関連の標準化活動を行っているJasParでは、FlexRayの実装に必要な技術提案を行っている。具体的には、5Mbps、2.5Mbpsでの使用、ノード接続の制約の緩和、インピーダンス不整合への対応など。「国内メーカーはFlexRayについて、CANの置き換えとして期待しており、欧州メーカーとは方向性が違う。FlexRayコンソーシアムと協力しながら、使い易い規格にしてもらうのがJasParの役目。2004年から2年以上の活動を経て、かなり良い技術提案がまとまったと思う」(JasPar FlexRayコンフォーマンスWG)という。
現時点で、FlexRay対応マイコンを製品化しているのは、BMW X5に採用されたフリースケールと富士通。富士通電子デバイス事業本部自動車事業部の独古康昭事業部長は「本格的な採用は早くて2011年と見ているが、早期の製品投入で研究開発段階から浸透したい。当社はFlexRayを含めてネットワーク関連技術に強みがある。映像関連ではMOSTの帯域幅ではカバーしきれないリアシートエンターテインメント向けのオンリーワン技術『IDB-1394』もある」と話す。
(朴 尚洙)
CANの最大転送速度は1Mbps。実際の運用は500kbps程度で、急増するソフトウエア量には対応しきれていない。この問題に対して、欧州の「FlexRayコンソーシアム」が標準化を進めているのが、最大転送速度10Mbps、タイムトリガ通信による高い信頼性が特徴の次世代車載ネットワーク「FlexRay」である。FlexRayが目指すのは、まだメカ部品に任せているステアリング、アクセル、ブレーキなどを電動化する「バイワイヤ」の実現。独BMW社は、2007年発売のBMW X5の走行制御機能「Adaptive Drive」にFlexRayを採用しており、バイワイヤ技術への展開も近いことを予感させた。
国内で自動車関連の標準化活動を行っているJasParでは、FlexRayの実装に必要な技術提案を行っている。具体的には、5Mbps、2.5Mbpsでの使用、ノード接続の制約の緩和、インピーダンス不整合への対応など。「国内メーカーはFlexRayについて、CANの置き換えとして期待しており、欧州メーカーとは方向性が違う。FlexRayコンソーシアムと協力しながら、使い易い規格にしてもらうのがJasParの役目。2004年から2年以上の活動を経て、かなり良い技術提案がまとまったと思う」(JasPar FlexRayコンフォーマンスWG)という。
現時点で、FlexRay対応マイコンを製品化しているのは、BMW X5に採用されたフリースケールと富士通。富士通電子デバイス事業本部自動車事業部の独古康昭事業部長は「本格的な採用は早くて2011年と見ているが、早期の製品投入で研究開発段階から浸透したい。当社はFlexRayを含めてネットワーク関連技術に強みがある。映像関連ではMOSTの帯域幅ではカバーしきれないリアシートエンターテインメント向けのオンリーワン技術『IDB-1394』もある」と話す。
(朴 尚洙)
電子部品メーカーの取り組み
松下電工のEVリレー。カプセル接点機構により内部に封入した水素ガスでアークを冷却する
リレーやスイッチなどの安全部品メーカーは自動車業界に長く製品を供給してきたこともあり専用製品の開発を行っている。松下電工がハイブリッド車用に開発したのが「EVリレー」。自動車用バッテリーなど100V以上の高電圧遮断では、大型で接点部のアークを空気中に放出するコンタクタを使用するのが一般的だったが、EVリレーは接点部を密封する「カプセル接点機構」などにより体積比で6分の1以下という小型化を実現した。1997年に販売を開始しており、ハイブリッド車1台に数個採用されるようになった。
自動車には多数のモーターが使用されている。小はサイドミラーから大はパワーステアリング、ハイブリッド車の走行用など1台あたり100個以上ともいわれる。TDKの主力製品の一つがモーター用磁石であり、自動車向けに温度条件を満足するための製品開発を行っている。「磁石は原理的に高温になると保磁力が大幅に低下する。例えばある製品は140℃になると保磁力は3分の1以下になってしまう。これを組成や製造法を工夫することで性能向上に務めている。また大型品に使う希土類磁石では耐食性を高めるコーティング技術も信頼性確保で重要だ」(TDK)という。
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