Cover Story

造形装置は
未来の工場か?

[2007年10月号]

ラピッドプロトタイピング装置は、装置と材料の進化が続き、本格的な生産システムへと変身する


By Joseph Ogando
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 Greg Morris氏は、未来の工場に関してあれこれ考えて時間を浪費してはいない。すでにその工場を運営しているのだから。

 Morris氏の会社、米Morris Technologies社(http://rbi.ims.ca/5399-586)は、航空、医療、産業用の生産が難しい金属部品に特化した会社だ。ちょっと見たところでは、Morris氏は、高級なCNC(コンピュータ数値制御)加工機がならんでいる一般的な機械工場を運営しているように見える。しかし、Morris氏は工作機械の隣で、一群の独EOS社製の直接金属レーザー焼結(DMLS)装置を静かに動かしている。金属粉末を焼結して、一層ずつ積み重ねることで部品を製造しているのだ。


EOS社の最新のプラスチック用プロトタイピング機Formiga 100は、長い間SF(サイエンス・フィクション)の話題でしかなかった自己複製機能を目指した、ちいさな第一歩である。機械の内部には、EOS社の他のレーザー焼結機で実際に製造された、23個の量産部品が使われている

 この装置は6台あり、Morris社はDMLSの加工能力では世界一を誇っている。Morris氏はこれらの機械を用いて、試作品だけでなく、量産部品も生産している。この製法はいろいろな名前で呼ばれている。ラピッドマニュファクチャリング、ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング、ソリッド・フリーフォーム・ファブリケーション、少量積層造形法などの名称である。これらの名前はすべて、アディティブ製造技術(必要な部分を付け加えて造形する技術)の応用であり、当初は試作品製作のために開発された技術が、実際の最終製品の生産に応用されたものである。Morris氏は、アディティブ製造システムの製造現場で占める割合が、顕著なものになるだろうと信じている。

 「モノづくりの方法に革命が起きようとしている」とMorris氏は言う。

 この革命の最前線に立っているのはMorris氏だけではない。例えば、Boeing社はラピッドプロトタイピング装置を広範囲に用いて、F18などの軍用機のための部品、工具、および製造補助具を製造している。「デジタル・マニュファクチャリングの氷山の一角に触れたところだ」と Jeff DeGrange氏は言う。同氏はBoeing社の研究開発部門であるPhantom Works(http://rbi.ims.ca/5399-587)のエンジニアリング・マネジャーである。また、ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリングは、補聴器業界では標準的な工程になっている。「誇張でなく、何百万個の補聴器の外装が、当社のステレオリソグラフィ・システムで生産されている」と、米3D Systems社(http://rbi.ims.ca/5399-588)のCEOであるAbe Reichental氏は言う。

 それほど著名ではないユーザーたちも、デジタル・マニュファクチャリングの波に飛び乗った。ラピッドプロトタイピング業界の現状に関する報告を毎年出版しているアナリストTerry Wohlers氏の推定では、アディティブ製造法のユーザーのほぼ12%が、収入の一部を試作ではなく製造から得ているという。2003年にはこの値はわずか3.7%だった。「ラピッドマニュファクチャリングが、最新のホットな話題になっている」と同氏は言う。

 やがてこの技術は、さらにホットになるかもしれない。いくつかのアディティブ製造技術はすでに準備が整い、1個ずつの少量試作から、本格的な製造へ跳躍しようとしている。ただし、アディティブ技術が製造業界で広く受け入れられ、設計エンジニアの心を掴むためには、その前にかなり大きな技術的な課題をクリアしなければならない。



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