自動車や携帯型測位システムなどで使われる慣性測定ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)は、近年急速に成長してきた。しかし、少量生産型の産業機器では要求が異なる。産業界のユーザーは、較正されていないアナログ出力ではなく、大規模な集積化や較正された出力を求める。米Analog Devices社でiSensorインテリジェントセンサー製品の製品ラインディレクタを務めるAndy Garner氏は「多くのモーションセンサーは較正なしで出荷されるため、その性能は電圧や温度の変化、振動、IMU内のほかのセンサーの影響などを受けやすい」と語る。
Analog Devices社の慣性測定ユニット「ADIS16355」(http://rbi.ims.ca/5399-546)では、電気、位置、動作による影響を補正するために、工場での較正や直交補償、精密な調整を行うことでこれらの問題を解決している。初期段階の機械設計と最後の電気的較正を組み合わせることで、軸の配置を理想の90度にできるだけ近づけている。
シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)は、同ユニットのすべてのセンサーからのデータにアクセスし、特定のアプリケーションのダイナミックレンジに合わせたモーションセンサーの調整を可能にする。内部のデジタルフィルターは、内蔵のジャイロスコープのドリフトを消す。ADIS16355は、-40℃〜85℃の全温度範囲で較正されており、0.005度/秒/℃というバイアス温度安定性を持つ。
このユニットの設定可能な機能には、自動バイアス較正やデジタルフィルター処理、サンプルレートや自己診断、パワーマネジメント、状態監視などがある。自己診断機能は、ユニットの6軸を電気的に動かし、各軸が正しく作動するのかを点検する。単一のコマンドによって3つの加速度計と3つのジャイロスコープの自己診断が実行される。
構造を簡素化し、かつ設定可能にするために、同社の評価用ボード「Triple Axis Gyro & Accelerometer Evaluation Board」(http://rbi.ims.ca/5399-547)は、2×2×6mmの標準コネクターを介してこのIMUにアクセスできる。「Tri Axis Inertial Sensor PC Evaluation System」(http://rbi.ims.ca/5399-548)は、パソコンベースの評価システムである。
この産業用IMUは、映画製作における空中カメラの安定化や工場自動化におけるロボットアームの制御、人工の手足の安定性の確保などの用途に適している。
(Randy Frank、コントリビューティングエディター)
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