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MOTION CONTROL
軸連結カップリングを廃した787型機用RR製エンジン
[2007年10月号]
ロールスロイスのTrent 1000エンジンは、別機による初飛行テストに成功した数週間後、ボーイング787の1号機に搭載されデビューした
英Rolls-Royce社(ロールスロイス)のTrent 1000エンジン(http://rbi.ims.ca/5401-560)は、7月8日、787ドリームライナーに搭載されてデビューを飾った。しかし同エンジンは、その数週間前に初のテスト飛行を終えており、チーフエンジニアのAndy Geer氏によると、すでに“完璧な”性能を示していたという。
この事前のテスト飛行では、ボーイング747-200を使って、同エンジンの性能と機体およびインテークに対するその接続機能が検証された。
Geer氏によると、同エンジンは、このテスト飛行に臨む前に、高度シミュレーションやファンブレード離脱試験、鳥の吸込試験など、数多くの地上テストをすでにクリアしていた。テストはすべて成功したが、同氏はそのことに驚いてはいない。米Boeing社(ボーイング)は、787型機の主要な設計目標として、ブリードレスエンジンによる“電動化”アーキテクチャ(http://rbi.ims.ca/5401-561)とトータルの所有コストの削減を提示。同氏によると、これがきっかけになり、エンジンの効率と安定性を大幅に高める技術的な決定が行われたという。
これら2つの設計目標を両立させるために採用した革新的な技術の例として、Geer氏はTrent 1000の中圧軸動力抽出機構を挙げる。この同社独自のシステムは、3軸エンジンの中圧軸から抽出した動力を、787のスタータージェネレータに供給するというものだ。Geer氏によると、これによって、高圧軸から動力を抽出する場合と比較して、エンジンの燃料効率が6%向上するという。中圧軸の回転速度は、特に機体の下降時に、787のスタータージェネレータからの要求に対してより適切に対応できると同氏は言う。「この方式の主な利点は、低出力状態のときに発揮される」(Geer氏)。
一方、787型機に対して2軸型のGEnxエンジン(http://rbi.ims.ca/5401-641)を提供し、高圧軸から動力を抽出する米GE社は、当然、これに対して異論を唱えている。
ただ、ジェットエンジンの設計にそれほど詳しくないエンジニアにとっては、ロールスロイスが数ヶ月の間にこの動力抽出機構の設計を簡素化した経緯の方が、より興味深く感じられるかもしれない。このシステムには当初、高圧軸と中圧軸の間に比較的複雑なカップリングが使用されていた。この部品は、始動時に高圧軸と中圧軸を連結するために使われていた。しかし、同社のエンジニアはエンジンの最適化を進める中で、このカップリングがなくてもボーイングの要求をすべて満たすことができることに気づき、これを廃止することにした。
「今は、ジェネレータを中圧軸に直接接続している」(Geer氏)。同氏の推計によると、このカップリングの廃止によって約45kg(100ポンド)の重量と100個以上の部品を削減できたという。
Trent 1000エンジンの詳細については、http://rbi.ims.ca/5401-562を参照。
(Joseph Ogando)
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