MACHINE SAFETY

「機械安全」を推し進める

[2007年11月号]

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「セーフティ・アセッサ」認証

 日本での産業事故の死者数の推移を見ると1973年には年間5,269人であったが81年には2千人台(2,912人)にまで減少した後、低減率はスローカーブ状態となり、98年には1千人台(1,844人)となったものの2005年になっても依然1,514人が亡くなっている。このうち産業別に見た製造業の死者数は、全体の25%を占める。また05年における製造業での死亡災害の事故の型別を見ると、「挟まれ・巻き込まれ」が27%、「墜落・転落」が14%などとなっており、機械にまつわる事故が半分近くになる。

 「これまでの方策ではさらに死者数の減少は望めず、安全を一段と進めるためには本質的な見直しを加える必要がある」と語るのはNECA同委員会メンバーでSUNX海外営業部の熊崎郁夫マスターセールスコンサルタント。そこで同委員会では経産省の支援を受け、安全技術の講習会で実績のある安全技術応用研究会(SOSTAP)の協力を得て、ISO12100規格に基づいた機械・生産システムの安全管理の資格認証プログラムを「セーフティ・アセッサ資格認証制度」としてスタートさせた。これは日本で初めて設計者、生産技術者などに機械設備や生産システムの安全性の妥当性を評価・確認できる人材の育成と資格認証のプログラムを提供する活動で、日本認証(NC)が実施機関となって04年度から毎年1回の資格認定試験を実施している。

規格提案を活発化
 NECAは安全関係の最新技術や規格化の動向を取り込んで、日本だけでなくグローバルに普及させる活動を活発化している。「実は最近の安全関連の技術進歩は、IT技術の進歩を上回るハイペースで進展している」と語るのは、制御安全委員会メンバーで三菱電機FAシステム事業本部機器フィールドエンジニアリング部第1グループ情報・制御技術チームの八尾尚志専任。

 そのひとつがSIAS(産業オートメーションの安全に関する国際学会)への参画。99年から隔年で開催され、これまで4回の会合で、企業、大学、研究機関が最先端の安全技術を発表している。八尾専任によれば、「もともと安全の規格化は欧州が先行し、初期にはドイツが発表件数でリードしたが、最近のSIASでは日本からも発表が増加し、前回の第4回ではドイツ13件に対し日本は11件に迫った。今年の11月に東京で開催されるSIAS2007では、さらに日本からの技術の発信を拡大する」という。

安全性とともに生産性を極める

非常停止ボタン、ライトカーテンなどを備えた設備
(提供:IDEC)

 機械安全の事業化で比較的に先行する日系企業の取り組みはどうか。
 オムロン、セーフティコンポ事業部では、安全をトータルアプリケーションとして位置づける。セーフティコンポ事業部商品開発部の松岡和成部長によれば、顧客は現場で非安全事象に対する課題解決を求めている。そのソリューション提供がビジネスとなる。

 機械的に安全を実現する安全コンポーネントのメカ的な仕組みに加えて、機能安全規格(IEC61508)ができたことにより、電子回路やソフトウエア技術が製品に活用できるようになってきた。「これらを使うことによって、これまで安全コントローラはリレーで安全回路のシーケンスを組んでいた世界から、実際に電子回路とCPUで制御できるようになり、さらにその延長線上にソフトウエアのプログラマブルであったり、ネットワーク対応であったりすることが可能になった」と松岡部長。

 またメンテナンスなどの非定常業務のときに、人と機械が接近する。この状態に特化した専用コントローラの新製品を提供している。フレキシブルセーフティユニットはオートスイッチング機能を用いて、人とロボットが同時に協調エリアに入らないことを監視する。これにより、ロボットをむやみに止めない仕方で安全性を確保することにより安全性と生産性をともに維持することができる。

 松岡部長は今後の課題を「同時に生産性を安全性とともに極めていくこと」と語る。これまでは人と機械が交わる協調領域では位置を検出し時間的、空間的に分離することで安全性を確保した。しかし生産性を追及するために「安全モニター」を極めていく。すなわちセンシングによって人の状態、機械の状態、環境の状態をモニターする。「位置だけではなくひとの動きの方向や速さの検知のための技術を極めていく」

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