東京モーターショー2007では、素材に限らず各メーカーの持つ独自技術をアピールするための参考展示が目を惹いた。
デンソーは、独自のMEMS(微小電子機械システム)技術を応用することで、従来の機械式レーザースキャナの100分の1サイズとなる「マイクロレーザースキャナ」用のプリズムを試作し、参考展示を行った。
同社は、エアバッグなどに用いる加速度センサーをはじめMEMSデバイス開発を独自に行っている。特にエッチングでは高い技術を持っており、回路の深さと線幅の寸法比であるアスペクト比で100対1(線幅1μmの場合)を実現している。
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素材が変えるエコカー開発
−東京モーターショー2007レポート−
[2007年12月号]エネルギー源も開発
富士重工業のG4e。前方に接続しているコンセントから充電する
ホンダのPUYO。歩行者保護を意識し“ぷよぷよ”した柔らかい「ジェルボディ」を採用した
燃料電池車の大きな課題として挙げられるのが水素供給のインフラである。同社は、太陽電池を使って水を電気分解して水素を生産する「太陽電池水素ステーション」を開発するなど、エネルギー源開発にも積極的だ。独自開発のCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)系太陽電池のモジュール変換効率は11.2%で、10月末から一般販売を開始している。また水素ステーションの核となる水電解モジュールの変換効率は、高温条件で90%を超えたという。
さらに、稲わらなどセルロースを主成分とする不可食部からバイオエタノールを製造する技術も開発している。06年9月に発表した試験管レベルの実験から、07年5月には100リットルの反応層を使った試験量産に近い段階にまで進んでいる。理論値では、稲わら1kgからエタノール200g(0.25リットル)を製造できるが、同社では熱や電気の使用を極力抑えながらエタノールを生産できるプロセスの開発に注力している。
富士重工業は、次世代電気自動車のコンセプトモデル「G4e CONCEPT」を展示した。G4eは、現在電力会社と実証実験を行っている「R1e」の後継モデルとなる。独自に開発中のバナジウムナノ粒子を正極に用いた次世代リチウムイオンバッテリーが最大の特徴で、バッテリー容量の指標となるエネルギー密度を従来比で約2倍まで高めることができる。R1eの満充電時の航続距離は80〜100kmだが、G4eは2倍以上の200kmに達する。また、バッテリーモジュール自身もコンパクトになるので、16個のモジュール全てを床下に収納できる。「バナジウムは他の正極材料よりも入手しやすい素材であることも利点になる。今後5〜10年以内での実用化を目指す」(富士重工業)方針だ。
(朴尚洙)
参考展示で独自技術をアピール
デンソーが展示したマイクロプリズムの製造プロセスとレーザースキャナモジュールの拡大模型
ダイハツのOPCS。自動車のモックアップの周辺にいる来場者を検知して、上方から撮影したカメラ映像に検知位置を白い丸印で重ね合わせて左上のディスプレイに表示している
ダイハツ工業は、レーザーレーダーを使って水平360度全方位をセンシングできる「OPCS(Omni-Directional Pre-crash Safety Support System)」を参考展示した。2006年の「ムーブ」のオプションとして採用したプリクラッシュ・セーフティ・システムのレーザーレーダー技術の応用展開としてのコンセプト展示で、実車への採用は未定。
OPCSは、水平方向240度の範囲を検知できる独Ibeo Automobile Sensor社製のレーザーレーダーを自動車の前方左側と後方右側に搭載しており、これにより周辺全方位の障害物を認識できるようにしている。
「レーザーレーダーは、ミリ波レーダーと比べて安価で方位分解能が高く、距離分解能も同程度あり、検知範囲も0〜100mと実用に問題はない。課題は霧など天候条件への対応になるだろう」(ダイハツ)という。
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