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MOTION CONTROL
モーター規格はいつ改訂されるべきか?
[2008年01月号]モーター技術の進歩は標準規格に必ずしも反映されていない
モーター技術の進化に、規格も歩調を合わせる必要がある
電気モーターの技術は劇的に進化しないかもしれないが、過去数年間だけでも数多くの改良で進化を遂げてきた。こうした進化は本来なら、モーターの設計と性能を規定している規格を改定する契機となって然るべきだろう。モーター業界のコンサルタントで米Motion Control Association(MCA、モーション・コントロール協会)(http://rbi.ims.ca/5411-557)の役員を務める米Incremotion Associates(インクリモーション・アソシエーツ)社社長のDan Jones氏は、「技術が進化すれば、規格を更新すべきだ」と語る。
しかし、現実には、規格がモーター技術の進化に遅れぬよう頻繁に改定されるわけではい。規格と実際のモーターの相違は、現場のエンジニアが直面する実際の問題についての洞察を与えてくれる。そこで、米国電機製造業者協会(NEMA)(http://rbi.ims.ca/5411-558)と米国保険業者安全試験所(UL:Underwriters Laboratories)(http://rbi.ims.ca/5411-559)における最近の規格改定について考えてみたい。
NEMAのモーター規格は周知のようにフレームサイズ、実装、様々な性能特性を規定している。NEMAのプログラマブル・モーション・コントロール委員会のプログラムマネジャーGreg Winchester氏は、「規格には5年間の有効期間がある」と語る。
しかし、NEMAのICS 16規格は2002年以来、関連するフィードバック・デバイスと制御装置とともにモーション・コントロール・モーターについて規定している。技術的な観点から、規格は更新されるべきである。Winchester氏とJones氏は、サーボモーターとステッピングモーターのメーカーは過去5年間に、小型パッケージで高出力を実現してきたと言う。
ICS 16規格は17、23、34のフレームサイズしか規定していない。Winchester氏は、「NEMAでは14と8のフレームサイズのモーターが話題になるが、この規格には含まれていない」と語る。同氏とJones氏は、これらのモーターを“準NEMA”フレームサイズだと呼んでいる。
そうであれば、現在使用されている全てのフレームサイズを反映して、規格を更新すべきではないのだろうか。ただ、NEMAは2006年にモーターメーカーの会員に小さいフレームサイズを含めて規格を整理するよう呼びかけたが、関心は低かった。Winchester氏は、「寄せられたフィードバックは消極的で、更新に必要な賛同数を得られなかった」と言う。
Winchester氏は、現場における適用上の問題が生じないことが背景にあると考えている。「ユーザが異なるメーカーの小型モーターを組み合わせ適合させることが可能な限り、規格化を検討しようとは考えない」と話す。これまでのところ、ICS 16規格にフレームサイズが規定されていないモーターの利用のしづらさなどの混乱が広がる兆しは、ほとんどないという。
そのような問題が表面化しない限り、ICS 16に変更が加えられることはなさそうだ。
これとは対照的に、UL1004モーター安全規格には大幅な変更が加えられた。ULの主席エンジニアのFrank Ladonne氏によると、ULはモーターを集合部品として扱うことから転換し、単体部品としてリスト掲載をはじめたため、部品規格の改訂の対象となった。この改訂では、技術の進歩に遅れを取らないようにするという考えも作用した。Ladonne氏は、「改定を始めてみると、既存規格が新技術の問題に対応していないことも分かった」と語る。
重要な問題の例として、同氏はULが安全なモーター運転に必要なクリアランスを要求していると指摘する。120Vの電気モーターではこれまで、モーターの帯電部と接近する金属部品との間に約1.6mm(16分の1インチ)のすき間を設けることを規定していた。Ladonne氏は、「20年から25年前であれば、何の問題もなかった」と語る。しかし、今日の小型モーターは数十年前より絶縁性に優れ、このクリアランスの規定は現実的ではなくなっている。Ladonne氏は、「同様性能を持つ今日のモーターは、外形は最大でも12.7mm(2分の1インチ)なので、16分の1インチの隙間は問題になりえる」と語る。
このためLadonne氏は、安全なクリアランスや近接距離であることを実証するための方法として機能テストを容認するようUL1004を改訂した。「メーカーはULが規定した要件を満たすか、誘電率か衝撃テストにより、設計の安全性を実証することができる」と同氏。
改定されたUL1004規格は、全てのタイプのモーターと関連する電気機器について、9つの異なる項目を規定している。
Ladonne氏は、「我々は、安全上問題になるモーターの構造上の側面だけに関心を向けるように常に気をつけている。イノベーションを妨げたくはないからだ。重要なことは、現在、メーカーは設計の安全性を実証するめに、より多くの選択肢をもっているということだ」と語る。 (Joseph Ogando)
しかし、現実には、規格がモーター技術の進化に遅れぬよう頻繁に改定されるわけではい。規格と実際のモーターの相違は、現場のエンジニアが直面する実際の問題についての洞察を与えてくれる。そこで、米国電機製造業者協会(NEMA)(http://rbi.ims.ca/5411-558)と米国保険業者安全試験所(UL:Underwriters Laboratories)(http://rbi.ims.ca/5411-559)における最近の規格改定について考えてみたい。
NEMAのモーター規格は周知のようにフレームサイズ、実装、様々な性能特性を規定している。NEMAのプログラマブル・モーション・コントロール委員会のプログラムマネジャーGreg Winchester氏は、「規格には5年間の有効期間がある」と語る。
しかし、NEMAのICS 16規格は2002年以来、関連するフィードバック・デバイスと制御装置とともにモーション・コントロール・モーターについて規定している。技術的な観点から、規格は更新されるべきである。Winchester氏とJones氏は、サーボモーターとステッピングモーターのメーカーは過去5年間に、小型パッケージで高出力を実現してきたと言う。
ICS 16規格は17、23、34のフレームサイズしか規定していない。Winchester氏は、「NEMAでは14と8のフレームサイズのモーターが話題になるが、この規格には含まれていない」と語る。同氏とJones氏は、これらのモーターを“準NEMA”フレームサイズだと呼んでいる。
そうであれば、現在使用されている全てのフレームサイズを反映して、規格を更新すべきではないのだろうか。ただ、NEMAは2006年にモーターメーカーの会員に小さいフレームサイズを含めて規格を整理するよう呼びかけたが、関心は低かった。Winchester氏は、「寄せられたフィードバックは消極的で、更新に必要な賛同数を得られなかった」と言う。
Winchester氏は、現場における適用上の問題が生じないことが背景にあると考えている。「ユーザが異なるメーカーの小型モーターを組み合わせ適合させることが可能な限り、規格化を検討しようとは考えない」と話す。これまでのところ、ICS 16規格にフレームサイズが規定されていないモーターの利用のしづらさなどの混乱が広がる兆しは、ほとんどないという。
そのような問題が表面化しない限り、ICS 16に変更が加えられることはなさそうだ。
これとは対照的に、UL1004モーター安全規格には大幅な変更が加えられた。ULの主席エンジニアのFrank Ladonne氏によると、ULはモーターを集合部品として扱うことから転換し、単体部品としてリスト掲載をはじめたため、部品規格の改訂の対象となった。この改訂では、技術の進歩に遅れを取らないようにするという考えも作用した。Ladonne氏は、「改定を始めてみると、既存規格が新技術の問題に対応していないことも分かった」と語る。
重要な問題の例として、同氏はULが安全なモーター運転に必要なクリアランスを要求していると指摘する。120Vの電気モーターではこれまで、モーターの帯電部と接近する金属部品との間に約1.6mm(16分の1インチ)のすき間を設けることを規定していた。Ladonne氏は、「20年から25年前であれば、何の問題もなかった」と語る。しかし、今日の小型モーターは数十年前より絶縁性に優れ、このクリアランスの規定は現実的ではなくなっている。Ladonne氏は、「同様性能を持つ今日のモーターは、外形は最大でも12.7mm(2分の1インチ)なので、16分の1インチの隙間は問題になりえる」と語る。
このためLadonne氏は、安全なクリアランスや近接距離であることを実証するための方法として機能テストを容認するようUL1004を改訂した。「メーカーはULが規定した要件を満たすか、誘電率か衝撃テストにより、設計の安全性を実証することができる」と同氏。
改定されたUL1004規格は、全てのタイプのモーターと関連する電気機器について、9つの異なる項目を規定している。
Ladonne氏は、「我々は、安全上問題になるモーターの構造上の側面だけに関心を向けるように常に気をつけている。イノベーションを妨げたくはないからだ。重要なことは、現在、メーカーは設計の安全性を実証するめに、より多くの選択肢をもっているということだ」と語る。 (Joseph Ogando)
森精機、最新のUL規格の認証を取得
森精機製作所(森精機)は2007年12月5日、最新のUL規格(2007年版)への対応を完了し、2007年度第3四半期にはほぼ全量産機種でUL認証を取得することとなると発表した。この対応にともない、同社は2007年12月3日より各機種で平均1%の価格の値上げを実施した。
同社は、1990年代に欧州の安全規格であるEN規格に基づいた機械の設計に着手し、1995年に同規格に適合した製品に与えられるCEマーキングを取得した。その後も世界中で定められた安全規格への準拠に努めてきており、この度、UL規格の2007年版の認証を取得した。現在、同社の伊賀、奈良、千葉の各事業所がUL規格の認定工場となっている。
森精機は、1998年からUL規格の認証の取得を目指し、2002年に工作機械の制御盤に関する規格であるUL508Aの認証を取得した。同社では、同規格に適合した製品に与えられるUL認証ラベルをはり付けた機械の、2002年2月から2007年12月までの累積出荷台数は約9,000台。
米国保険業者安全試験所(UL:Underwriters Laboratories Inc.)は、公共安全への寄与を目的として、1894年に米国で設立された独立試験・認証機関である。様々な製品規格の策定と、それらに順じた製品試験・認証サービスを提供し、幅広い製品の安全性確保に寄与している。 ULマークは米国の多くの州や自治体で採用され、消費者は、ULマークを品質や信頼の証として認識している。また、ULは安全規格の開発も行っており、それらの規格の70%以上が、米国規格協会(ANSI)に認められ、米国の国家規格として採用されている(UL Japanのホームページより抜粋)。
そのため、森精機によれば米Ford(フォード)社や米Boeing(ボーイング)社などの米国の大手顧客ではUL規格取得品の使用が機械購入の前提となっており、UL認証の取得は米国での大きな販売ツールとなっているという。また、同社によるとUL508Aの認証を取得するためには制御盤の電気系統において使用機器ごとに使用条件が細かく定められており、その条件に合った機器を使用しなければならないという。
同社は、1990年代に欧州の安全規格であるEN規格に基づいた機械の設計に着手し、1995年に同規格に適合した製品に与えられるCEマーキングを取得した。その後も世界中で定められた安全規格への準拠に努めてきており、この度、UL規格の2007年版の認証を取得した。現在、同社の伊賀、奈良、千葉の各事業所がUL規格の認定工場となっている。
森精機は、1998年からUL規格の認証の取得を目指し、2002年に工作機械の制御盤に関する規格であるUL508Aの認証を取得した。同社では、同規格に適合した製品に与えられるUL認証ラベルをはり付けた機械の、2002年2月から2007年12月までの累積出荷台数は約9,000台。
米国保険業者安全試験所(UL:Underwriters Laboratories Inc.)は、公共安全への寄与を目的として、1894年に米国で設立された独立試験・認証機関である。様々な製品規格の策定と、それらに順じた製品試験・認証サービスを提供し、幅広い製品の安全性確保に寄与している。 ULマークは米国の多くの州や自治体で採用され、消費者は、ULマークを品質や信頼の証として認識している。また、ULは安全規格の開発も行っており、それらの規格の70%以上が、米国規格協会(ANSI)に認められ、米国の国家規格として採用されている(UL Japanのホームページより抜粋)。
そのため、森精機によれば米Ford(フォード)社や米Boeing(ボーイング)社などの米国の大手顧客ではUL規格取得品の使用が機械購入の前提となっており、UL認証の取得は米国での大きな販売ツールとなっているという。また、同社によるとUL508Aの認証を取得するためには制御盤の電気系統において使用機器ごとに使用条件が細かく定められており、その条件に合った機器を使用しなければならないという。
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