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COMSOL、特殊ソルバの採用で連成解析を高速化

[2008年01月号]

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COMSOL社社長兼CEOのSvante Littmarck氏

 スウェーデンCOMSOL社は2007年11月末に、COMSOLカンファレンス2007を開催した。このイベントに参加した同社社長兼CEOのSvante Littmarck氏に同社のマルチフィジックスシミュレーション・ソフトウエアの最新版「COMSOL Multiphysics Version 3.4」と次世代版および今後のビジョンについて聞いた。

 COMSOL Multiphysics Version 3.4は、従来版を高速化したものとなっている。Littmarck氏は、「マルチコアに対応したことと、segregatedソルバを採用したことで高速化を実現した」と語る。同社は、ハードウエア側の取り組みとしてマルチコアプロセスに対応し、アルゴリズムの面ではsegregatedソルバを採用した。「現在、多くのPCは複数のコアを持っている。数百万自由度の問題を計算する場合、8つのコアを使えば1つのコアを使った場合よりも計算が8倍早くなる。これは、ハードウエアの進歩である」(同氏)。

 Littmarck氏はsegregatedソルバについて、「segregatedソルバは大規模な問題を複数の小さな問題に分割する。例えば、ある形状があり、その形状の全体にメッシュを切って計算するのではなく、その形状の一部に不規則なメッシュを切り、ほかの部分に標準のメッシュを切り、別々に計算したあとにお互いの解を合わせる。形状全体の解を得るまでこのプロセスを繰り返す。これは、全体を計算するよりも早い」と説明する。


COMSOL Multi-physics Version 3.4の画面例。これはSAW(表面弾性波)センサーのモデルである。まわりを流れる流体により変形する物体の構造解析を行っている

 次世代版についてLittmarck氏は、「ここ数年、設計エンジニアのためにCADのインターフェースを改善することに多く投資してきた。SolidWorksとは“1つのウィンドウのインターフェース”を開発している。設計エンジニアはSolidWorksの中で解析を行えるようになる。現状では、SolidWorksと双方向のインターフェースをもっているが、SolidWorksとCOMSOL Multiphysicsの間を行き来しなくてはならない。開発中のインターフェースでは、SolidWorksの中でCOMSOLの機能を使えるようになる。これは2008年にリリースする予定である」と語る。

 同インターフェースでは、“Fully Associative Parameterized Geo-metry”を実現する。これは、「形状はパラメータで表現されるが、曲率や半径などのパラメータを最適化し、摩擦を最小化したり、強度を最大化したりすることが可能となる」(Littmarck氏)という。

 Fully Associativeの意味について同氏は、「一般的には、解析ツールの中でアルミニウムや銅、水などの材料の導電率や粘性、密度など物理的特性を付加することはできても、CADツールの中では不可能である。形状を変更してその影響を解析する場合、解析ツールからCADツールへ戻り、形状を変更し、再び解析ツールで物性を定義して解析しなくてはならない。Fully Associativeが意味するのは、解析ツールで定義した物性は、CADツールに戻ってもモデルに定義されたままとなるということ。そのため、モデルの形状を変更し、解析ツールに戻ってきたときに、再び物性を定義する必要がなくなる」と説明する。

 同社は、2009年に次世代版COMSOL Multiphysics Version 4.0をリリースする予定である。

 Version 4.0についてLittmarck氏は、「基礎を成すデータ構造、制御メカニズムを書き直している。また、“COMSOL Desktop Environment”と呼ぶまったく見た目の異なるユーザーインターフェースや、分散並列処理のバージョンも提供する予定である」と語る。

 5年後のビジョンについて同氏は、「5年後にはユーザーがソルバを選択しなくても済むようにしたい。自動的にソルバが選択されるようになるだろう」と語る。
(大村 泰憲)



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