近年広報活動は重みを増し、所属の大学も大変力を入れている。どの学校も少子化の影響を免れることはできず、おのずからその取り組みは真剣なものである。地震などの自然災害発生の折にも広報による情報共有が大切で、救援活動や支援活動に重要な影響を与える。米国のNASAや日本のJAXAのように、公的な資金で宇宙開発を行っている部門では、費用が適切に活用されていること、活動が科学技術的な観点からのみならず、社会的にも有意義なものであることを理解されるよう、積極的に広報を行っている。最近では、月探査衛星が送ってきた月表面や地球の映像がよい例であろう。このような広報活動によって、人々に活動の概要を知らせ、また深い感動を与えたりしている。
一方広報の中には、宣伝的なものもあって、関係部門への関心を高めるためだったり、経費の獲得が狙いだったりする。かつて、予算獲得の時期になると新聞に記事が掲載される研究テーマもよくあった。これらのものの多くは、直接有益な影響を与えるテーマというのは少数派で、そのままでは、とても予算がつきそうにないので、広報を頑張る必要があったのだ。
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第11回
広報と真相
[2008年01月号]
広報
報告
個々の担当者の業務は、順調なものもあれば、そうでないものもある。順調なものはどんどん報告を上げたくなるだろうし、順調でない者はあまり多くを語りたくはないであろう。
勤め人の世界では、中核的な年齢ともなれば、その人の評価にも関わるので、上司への報告形態にも様々なものが現れてくる。
ある者は絶え間なく上司にコンタクトし、ある者は上司を避けようとしている。上司によくコンタクトすることは業務遂行上大切なことであるが、都合のよい情報だけ報告したり、他人の手柄を自分のものにしたり、虚偽の報告をしたりするのが人の常である。このようなことはマナーとして避けるべきことである。
一方、様々な理由で上司にコンタクトしにくい担当者も多い。そもそも、進捗が無かったり、上司との接点が無かったり、新しい上司だったり、専門の違う上司だったりするからだ。現代社会のように専門性の高い時代では、共通の技術用語を見出すことも困難な場合がある。このような状態では、どうしても報告しにくくなるものだ。
別の例は、上司や担当者の考え方によるものだ。確実なものでなければ報告の意味が無いと考える方も多いであろう。このような場合は、相当な進捗がなければ報告されないだろうし、上司の場合は受け取らないであろう。事態は慎重に推移し、物事は確実に進むかもしれない。しかし、これにも問題が多い。結果としてうまくいくものの場合、このやり方では結局遅れてしまうのだ。従って、問題点があっても、折々に情報を上げておくことが肝要であろう。これは職業生活最終章に入った筆者自身の反省でもある。
真相
公になる広報や、社内での報告はしばらくその真偽のほどは明らかにならない。時間とともに内容が確定し、正しければ信用度が高まるし、そうでなければあまり相手にされなくなってしまうであろう。
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