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高品質なデータ変換が マルチCAD環境のカギ
KEN TASHIRO
米Elysium社COO兼バイスプレジデント
[2008年01月号]
最新ソリューションがデジタル革命を実現に近づける
Ken Tashiro氏は米Elysium社の最高執行責任者兼バイスプレジデント
現実には、設計データは異なるMCAD、CAE、CAM、PDM、PLMソリューションの間でやり取りされるので、受け取る側のエンジニアのソフトウエアで認識可能なフォーマットに変換する必要がある。ほとんどのMCADシステムでは、IGESやSTEPなど中間ファイル規格を使用してデータ変換をおこなっている。これらの規格では、高品質なデータ変換を要求しない場合に限って、データ変換要求を満足することができる。中間ファイルフォーマットによる変換では、設計意図、表面定義、そしてよくあることだが、形状が失われてしまう。
例を挙げると、現在のデータ変換ソリューションに移行する前、仏Renault(ルノー)社のF1レースカーチームでは、あるMCADから別のものにファイルを変換する際、変換のエラー率が80%以上にもなった。また、アジアの大規模OEMメーカーでは、データ変換の質が悪いことによってネイティブファイルではないすべてのファイルの70%をインポートできず、最新のデータ変換ソフトウエアへ移行するきっかけとなった。
このようにエラー率が高いと、インポートしたファイルのかなり多くを検査、修正、再構築しないと新しい作業を開始できないことになる。ファイルが大量であるほど、これは骨が折れる作業になる。さらには、質の悪いデータ変換の最も悪い特徴は、エンジニアがあるファイルを次の人に受け渡す際に、エラーのサイクルが繰り返されることである。
中間ファイルの規格やスタッフおよび設計チェーンパートナーの設計上の慣行には罪はない。むしろ、単に各MCADシステムが本来、受け渡し先のシステムと異なっているというだけなのである。これらのシステム間の違いは、システムを特殊なものにしているのと同時に、各MCADシステムを特殊化により孤立させているのである。設計チェーンを結びつけるような適切なデータ変換機能は、MCAD開発者の戦略上の関心事ではないのである。
複数のMCAD環境の間でおこなわれるこのような手作業でのファイル修正によって、設計データの再利用が阻害され、設計の時間を無駄にし、設計のサイクルタイムが伸び、会社の競争力が落ち、業務費用が増大することは、容易にわかることである。これはデジタル革命に期待されていたことではないが、質の悪いデータ変換による遅延や費用増大が当たり前になっているせいで、それに我々はほとんど気付いていない。
最新のデータ変換ソリューションは、特殊化によって孤立している各MCADの橋渡しをおこなう。これらのソリューションは、クラス最高レベルのMCADやFEAソフトウエアが特殊な設計や解析のために作られているのと同じように、複雑なデータ変換をおこなうために特殊化されている。堅牢なアルゴリズムとAPIによって、変換ソリューションはサポートするMCADソフトウエアのオペレーション上の微妙な差異を理解し、修正、データチェック、確認などのほとんどすべてのファイル変換を自動で実施する。高度なソリューションは、複雑なデータ変換の範囲と規模に対応する一連のモジュールによって拡張やカスタマイズが可能である。
最新のデータ変換ソリューションは、デジタル革命を実現しようとしている。ルノーのF1チーム、米Ford(フォード)社、トヨタなどは、理想的なデジタル革命と複数のCADが混在する現実の環境との間のギャップを、これらデータ変換ソリューションで埋めることが可能だということに気付いている。そうすることで、彼らはこのギャップを埋め、多くの製品開発時間を節約することが可能となる。
ソリッド変換成功率99.1%のソフト
エリジオンは、異なるCAD間のソリッドデータの変換成功率が99.1%の3次元データ変換ソフトウエア「ダイレクトトランスレータ」を提供している。同社の形状処理技術は、各システムの内部データ構造やトレランスの違いを補完することで、IGESやSTEPなどの中間ファイルによる変換よりも高い変換率を実現し、データ変換時の修正、確認の工数を大幅に削減する。同社はこのほか、設計履歴対応のフィーチャー変換トランスレータ「CADfeature」を提供している。同製品は異なるシステム間の設計履歴やパラメータ(拘束)情報の変換を可能にする。エリジオンは、この変換技術を利用した、DELMIAの機械加工ソリューション専用のトランスレータ「DELMIA Machining Feature Translator v1.0(Pro/E版)」を提供している。同トランスレータを使うことで、ユーザーはPro/Eで定義した設計フィーチャーをDELMIA V5上に再現し、加工フィーチャーとして利用できるようになる。また、加工フィーチャーの欠落や誤認識などのトラブルを心配することなく、DELMIAの機械加工ソリューションとのスムーズなデータ連携を行えるようになる。
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