Directions 転換の舵取り

欧州最強のロボットソリューションを日本市場に提供

Kuka Roboter  
Martin Straeb(マルティン・シュトレーブ)
COO

[2008年01月号]

Kuka Roboterのビジョン


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 独アウグスブルグに本社を置くKuka Roboterは、産業用ロボットの開発、製造を主要事業として、全世界に30近い関連会社と販売組織を展開している。前身のKeller und Knappich Augusburg (KUKA)の創業は1898年。分社独立した96年以降、Kuka Roboterは欧州を地盤に75,000台の産業用ロボットを自動車、航空宇宙、材料加工、食品、ロジスティックス、エンターテインメント、溶接、パッケージ、医療など各領域向けに出荷してきた。

 Kukaは世界で2番目に市場規模の大きいドイツのロボット市場で52%のシェアを持つ。欧州全体でもシェアは27%を超える。その他の市場では比較的シェアが低く、シェアを追いかけることが事業目標とはなっていない。その代りにKukaのオレンジ色のロボットのパフォーマンスを通じて、それぞれの市場内の顧客の要求にどれだけ満足を与えられるかを追求している。


最速パレタイジングロボットKR40PA

 海外市場では認知度の高いKukaだが、日本に子会社Kukaロボティクスジャパンを開設したのは07年7月。11月末に開幕した国際ロボット展に初出展して注目を集めた。

 この時期に日本市場に進出したのは、グローバル事業を展開する欧米ベースの顧客企業が日本市場で事業を活発化するなかで、Kukaの日本でのサポートに対する要請が強まったのがきっかけだ。まず、欧米系の溶接装置、研磨装置のメーカーなどからサポートの要請を受けている。導入規模というより、技術的要求度の高い顧客からの要請に対応しようとしてサポートの手段を検討した結果、トレーニングを含め中途半端にサポートするよりは、長期的なビジョンをもとに市場に明確にコミットして事業の基礎を固めることにした。

 もちろん日本市場そのものが極めて興味深い市場であることも事実で、対象顧客の製造技術や技能は極めて水準が高い。技術的に最も先進的な自動化ソリューションを求める製造企業がひしめいている市場だ。日本市場では日本企業を顧客対象として彼らのビジネスをサポートしていきたいというのが、進出を決断した理由だ。

 すでにファンドリ、プラスチック、マテリアルハンドリングなど多様な業種からさまざまな要望をうかがっている。また国際ロボット展のKukaブース内にコーナーを設けて出展したIHIのように、Kukaロボットと自社技術(IHIでは画像認識・検査判定システム)をシステム化したビジネスを検討している日本企業もある。

 これまで、世界のロボット市場のほぼ20%の市場規模をもつ日本でのKukaのプレゼンスは低かった。しかし我々は時間をかけてこの市場を分析してきた。日本の顧客層から十分の信頼を得るまで、少し時間はかかるだろうが、必ず優れたものを優れていると見極める顧客層であることも我々は知っている。

 ビジネス的にはユーロ高は確かに不利な要因だ。しかし長期的な戦略の視野からすれば、それが理由で日本市場を諦めるという決定にはならない。5年後、10年後の国際ロボット展では、初出展した07年のイベント時よりはるかに多くの来場者がKukaのロボットを深く認知していることだろう。

 Kukaは幅広いロボットソリューションを全世界に展開しているが、日本ではまず1,000Kgの荷重能力を持つタイタン(titan)や、総ステンレス製ロボット、世界最速のパレタイジングロボットなど、ニッチな特定アプリケーション領域から紹介を始めたところだ。まずKukaだけがもつユニークなロボットで顧客の関心を集めたい。

 Kukaが日本で提供しようとしているのは、まず産業用ロボット製品を中心とするソリューションであり、その内訳はサービス、教育訓練、KR SIMによるシミュレーション、地域対応のシステムインテグレータ連携、技術およびビジネスパートナー連携などだ。

 日本企業とシステムパートナーとして事業提携する道も広く探っていく。また日本国内の地域サポート体制を充実して、ユーザー企業の傍にサービスメンテナンスを配置し、国内で不測の故障等に備える体制を作っていく。日本企業が欧米や中国、アジア諸国に製造拠点を展開する場合には、どの地域市場でもKukaの地域サポートネットワークにアクセスできる。

 しかし我々はまた、Kuka AGグループのもつすべてのリソースを日本企業向けに提供する用意がある。将来、もし日本の顧客企業が製造のフルターンキーソリューションを求めるならば、我々にはそれを提供する用意がある。Kukaは自社でジープ車の製造ラインをトレドに持っており、クライスラーに供給している。
(聞き手:甲斐真一郎)



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