SCF REPORT

EtherCATの進出とProfinet

[2008年01月号]

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 産業用イーサネットによるモーション制御の領域では、EtherCATとProfinet展示が注目を集めた。

超高速モーション制御

日本でのEtherCATの初出展を果たしたMartin Rostanエグゼクティブ・ディレクター

イーサネットベースのオープンな超高速フィールドバスシステムとして2003年に独Beckhoffで開発されたEtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology)方式は、I/Oおよびモーターなどモーション制御を最適の適用領域として、欧州では先行するCANbusとProfibusを急速に追い上げている。

 すでにIEC、ISO、SEMIの各標準規格を取得。普及促進団体EtherCAT Technology Group (ETG)のMartin Rostanエグゼクティブ・ディレクターは「産業用イーサネットとしては最後発に属するが、そのぶん次世代ネットワークシステムと呼ぶべき超高速性と堅牢性を特徴とする。今回はじめて日本での出展を果たした」と語る。

 その特徴は1,000点のデジタルI/O信号をリード・ライト全二重化モードで30μs、200点のアナログ16ビット信号を20kHzのサンプリングレートで50μs、さらに100軸制御を100μsでサイクル可能とする高速性能にある。EtherCATはイーサネットのスター型トポロジをシンプルなライン構造に置き換える。「マスタ側には標準MACとソフトウエアのみで、特別なハードを追加する必要がなく、スレーブ側のASICチップがすべてを扱う仕組み」であり、いわば多数のEtherCATスレーブの集合体という構成になっている。ケーブルは通常のCAT5ツイストペアを使用する。

 ETGのメンバー企業は635社。日本ではケーメックス社内に06年11月に日本オフィスを構えた。日本のメンバー企業40社には日立産機システム、松下電器産業モータ社、山洋電気、富士電機機器制御などのベンダに加え、オークマ、アマダ、住友重機械、トヨタテクニカルデベロップメントなどのユーザーも加わる。「日立がとりわけ開発熱心」とRostan氏が語るように、EtherCATブース内ではBeckhoffのモーター制御システムと並んで、日立産機システムがユビキタスコントローラUbiCubeとACサーボシステムAD SeriesをEtherCAT接続して、超高速のサーボ制御を駆動実演していた。

同期性の確保技術

シーメンスブースにおけるProfinet利用のIsochronous技術36軸同期デモ

 シーメンスと安川シーメンスオートメーション・ドライブの共同ブースでは、Profinetを用いて標準イーサネット通信を使いながら厳密なリアルタイム性を追求するためのIsochronous(アイソクロノス)技術のデモンストレーションを行なった。アイソクロノスはデータ転送方式のひとつで、伝送路の負荷が高い状態でも特定の通信に対して必ず一定の転送量を確保する技術。

 デモの構成はアイソクロノス技術を用いたProfinetで接続しSimotionモーションコントローラ6台を、36軸のモーターを同期制御させるもの。Simotionコントローラはロジック制御、モーション制御、閉ループドライブ制御の機能をCPU部に一体化したシステムで、同コントローラ脇にはSinamicsパワーモジュールを配置。1台のパワーモジュールは1台の入力モジュールと3台の2軸モーターモジュールから構成される。全てのコントローラは通信で同期性をとるためにProfinet接続した。

 デモは、このシステムのイーサネット上にビデオ信号を流すと、TCPの負荷が増大し、モーターの同期性が乱れる。その段階でアイソクロノスをオンにすると、同期性を回復する、というもの。この状態では、TCPの負荷を最大限に上げてもProfinetの同期通信は影響を受けない。

 Profinetはアイソクロノス技術によって、リアルタイム信号の送信と到着時間を保証することで、モーション制御の厳しい要求にこたえることを訴えていた。



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