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スポーツ
バイオメカニクス
[2008年01月号]
“スポーツサイエンス”で、Fox Sportsは無線式加速度計、高速度カメラ、接触センサー、ロードセル、
ジャイロスコープなどを用いて、運動能力を調べた
ベルトにつけた無線式加速度計を用いて、エンジニアたちはNFLのレシーバーChad Johnson選手の反応時間を測定した
提供:Mark Dick/FSN
ロードセルを組み込んだ衝突試験用ダミー人形を用いて、頭部と頸部にかかる力の試験を行った
提供:FSN
研究者は、元NFLのワイドレシーバーJerry Rice選手が、手のひらを使わずにフットボールを捕球することを発見した
提供:Michael Becker/FSN
「我々は、『生体力学の最先端の技術を持ってきて、一流の運動選手に適用したらどうだろう』と考え始めた」とMickey Stern氏は言う。同氏は、米スポーツチャンネルFox Sports Networkで日曜の晩に放映されている、この新しいプログラム(http://rbi.ims.ca/5410-545)の共同制作者である。「可能な限り大規模かつ飛び抜けた、見事な方法でこの番組を作りたかった」
実際に、Fox Sportの新番組は、エンジニアにとっても、スポーツ愛好家にとっても、大規模で飛び抜けている。
スポーツの数分の1秒の間に発生する現象、すなわち、これまで測定されたことはなかった現象を分析することで、“スポーツサイエンス”は新天地を切り開いた。例えばこの番組のエンジニアや科学者は無線式加速度計を使って、ぶつかり合う2人の相撲力士の衝撃や、バスケットボール界随一のストレートアップジャンプの名手の跳躍力を測定している。静電容量型接触センサーを、フットボール選手を引退したばかりのワイドレシーバーJerry Rice選手の手に付け、Rice氏がどのようにフットボールを捕球するのかを調査した。また、慣性計測装置(IMU)を用いて、サッカー選手の足がオーバーヘッドキックの時にどのくらい速く動くのかを測定した。さらに、赤外線(IR)カメラ、高解像度(HD)カメラ、計測器付き衝突試験用ダミー人形、ロードセルなどさまざまな技術を駆使して、バスケットボール選手の滞空時間(ハングタイム)から格闘技のパンチ力まで、あらゆるものを解析した。
「技術の進歩によって、10年前には不可能だったような測定が可能になっている」とCynthia Bir氏は言う。同氏は米国ミシガン州のウェイン州立大学の生体医用工学助教授で、この番組の主任科学者を担当している。「計測器を運動選手に装着し、測定結果を見て、選手がどのような力を発生し、どれだけ耐えられるのかを究明することができる」
米Fox社の幹部の話では、この番組を開始した時のアイデアでは、スポーツ愛好家が抱いている、無数の美化された概念を反証し、神話を覆すことを想定していたという。彼らはいわゆる“滞空時間(ハングタイム)”などいくつかの神話を覆したことは事実だが、最終的には予想もしていなかった方法で試験することになった。カリフォルニア州ホーソン空港の格納庫に測定器を設置して、運動選手の試験を数週間続けた結果、番組の制作者は畏敬の念に打たれた。
「実験を計画したとき、どんな結果になるか正確にはわからなかった」と、番組の共同制作者でこのシリーズの出演者のひとりでもあるJohn Brenkus氏は言う。「得られた結果は目を見張るものだった。運動選手たちのすごさがはっきりしたのだ。我々はスポーツ科学のうわべしか見ていなかったということがわかった」
Fox Sportsのエンジニアが採用した測定技術を、エンジニアがよりよく理解できるようにこの記事の以下の5項で、この番組の試験を技術別に解説する。
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