自動車にはあらゆるセンサーが使用されているが、トルクセンサーは使用されていない。「現在あらゆるメーカーが、製品開発のために実験室や計測装置にトルクセンサーを使用しているが、乗用車や小型トラックの量産にトルクセンサーを採用している例は今のところない」と語るのはCustom Sensors and Technologies社のPaul Cain氏。「エンジン制御モジュールおよびトランスミッションを担当するエンジニアから、アセンブリに採用する高精度なトルク技術へのニーズは大きい。ただし、トルクセンサーの価格がこれまで高すぎた」。同社のBEI Duncan Electronics部門が提供するBEITORQ(http://rbi.ims.ca/5411-549)と呼ばれる技術は、製品への利用が有望であり、この状況を変える可能性がある。
独NCTEngineering社からライセンスを受けた特許技術(http://rbi.ims.ca/5411-550)であるパルス電流変調エンコーディング(PCME)により、強磁性素材でできた既存のシャフトの内部に永久磁気化によるエンコード領域を設ける。機械的な力がかかるとシャフトには磁界が生じ、これをセンサーで測定する。シャフトにかかるトルクが増大すると、このエンコード領域の外側の磁界も強まる。そしてコイルによってこの変化した磁界を「読み取る」仕組みである。センサーユニットは、地磁気など外部の不要な磁界信号を除去するように設計されている。またセンサーは空気中、水中およびオイルの中で使用でき、消費電流はわずか5 mAである。信号帯域は10 kHzと高く、0.5 mmの位置合わせ公差を許容する。最大210℃の温度で使用可能で、理想的な用途は自動車本体および開発生産工程である。
自動車の場合、クランクシャフトに取り付けられたトルクセンサーは、次世代エンジン制御モジュール用の主要なセンサーとしてエンジンの動的トルク検出の監視を行い、燃費を最適化すると共に、他のセンサーを不要にする。さらにトランスミッション用として、入力軸および出力軸位置の両方にトルクセンサーを開発中である。効果的にトルクセンサーを使用するためには、異なるアーキテクチャの制御モジュールが必要となる。このための設計変更は小さくはないが、そのことがもたらす利益は新しいエンジンまたはトランスミッション管理システムを作るだけの値打ちがある。燃費改善への圧力が強まり、ガソリン価格が高騰している現在、トルクセンサー技術は従来の設計手法を上回る手段ともみなされる。現在、最初の採用例の有力候補としてディーゼルエンジンが注目されている。
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エンジン制御+トルクセンサー=燃費改善
既存のシャフトを利用した低コストな測定方法
[2008年02月号]
ハイトルク
この非接触式トルク測定ではシャフトの磁性と特許であるエンコード方式を利用してコストをかけずにリアルタイム制御システムのための信号を提供する。
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