モノづくりと人材・技術経営

自らをリードできる人間になろう

[2008年02月号]

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コジマ・カツヒロ  1985年丸紅ハイテック(現在の丸紅情報システムズ)入社。1994年PDMシステムMATRIXのマーケティング及び営業を統括、副部長。1999年ダッソー・システムズに入社、マーケティング&営業本部長、チャネル本部長。2007年2月米think3社に入社、4月から現職。
(聞き手:大村 泰憲)

 米think3社は、概念設計から詳細設計、製造にいたるプロセスの中で、スタイリングとパッケージ、生産技術に特化した製品を提供する。ハイブリッド3D CADのthinkiD DesignXpressions、データ管理ツールthinkPLM、金型見込み形状作成ツールthinkcompensator、プロフェッショナル・サービスとカスタマ・ケアの4つのソリューションを提供する。

 私自身は大学でコンピュータ工学を学んでいたことから、卒業後にはプログラマーとして1985年に丸紅ハイテック(現在の丸紅情報システムズ)に入社し、米Applicon(アプリコン)社のCAD/CAMシステムBRAVO!システムのSEを担当した。その後、米ADRA社2.5次元CADシステムCADRA担当のSEとなった。CADRAを担当している間、私はSolidWorksも担当するようになった。

 この頃、顧客からCADデータの管理はどうしたらよいのかという相談があり、商社ではあるものの自身でデータベースとしてOracleを使ってPDMを作ろうとした。社内のいろいろなノウハウを集めて作れないこともないと思っていたちょうどそのときに、ADRA社が米Sikorsky社のインハウスのPDMをMATRIXという名前で出した。これが、現在のeMatrixの前身である。当時、MATRIXは、我々がデータベースとして使おうと思っていたOracleを使っておらず、その上、データが壊れるという問題があった。これはだめだと思ったが、2年間ぐらいプリセールス活動を行った。それまでは技術だけを担当していたが、MATRIXを選んだ張本人として、技術だけでなくマーケティングと営業も担当することになった。

 その後、最終的に営業を統括するようになった時に、データベースをOracleに変更してもらった。それ以後販売が伸び、MATRIX専任となり、データベースとPDMを3年間担当した。1999年39歳のときに、メーカーで働きたいという以前からの願望が強まり、たまたまダッソー・システムズからお引き合いをいただき、時を同じくしてMATRIXジャパンもできたため、ダッソー・システムズに入社した。ダッソー・システムズでは、マーケティング&営業本部長、チャネル本部長としてCATIAとENOVIAを担当していた。そして、2007年に現在のシンク・スリーに入社した。

オンリーワン
 1MIPSのコンピュータでCADが動いていた20年前ぐらいからこの業界にいる。この間、最初は自動車メーカーや飛行機メーカーが自社のために作ったシステムが汎用化され、我々が再販してきた。私が始めた当時は、ある顧客には向くが、ある顧客には向かないというシステムが多かった。それがある程度汎用化され、どの顧客にもある程度合うが、どの顧客にも十分には合わない部分が出てきている。

 汎用化されてきたCADにパラメトリックが導入されたことにより、設計のノウハウが中国などに流出するようになった。これからの日本は先鋭的なことを考えていかなければ、いつかは中国などに追いつかれてしまう。日本は、自分だけにしか出来ないことをやればよい。ナンバーワンでなくてもオンリーワンになることが重要である。日本的な感覚からくる日本人だけにしかできない世界がある。

 モノづくりでは今後、先鋭化されていく部分と、汎用化されていく部分がある。汎用化されていく部分があってもかまわないと思うし、それが拡大していくことだろう。しかし、汎用化が進むとすべて同じような製品となるので、ユニークな部分、先鋭化した部分をメーカーはどこかで作らなくてはならない。先鋭化する部分は新製品の投入時期やパッケージング、機能などである。そういった部分がどれだけ早く、タイムリーに顧客に提示できるかが製造業のこれからのキーとなっていくだろう。モノづくりという言葉の原点は創造性にあると思う。日本は資源のない国なので、人間のアイディア、創造力が一番の資源であり、その部分に回帰すべきだし、そうなってほしい。

自らをリードする
 今後のモノづくり業界で必要な人材は、リーダーだと思う。そのリーダーが会社やチームのリーダーではなく、自分をリードできる自分であってもよいと思う。若い人は、自分の意見を持っているが、その意見を外に出してリードしようとはしていないような気がする。人に迎合する必要はなく自分のリーダーとなり自分の思っていることをあきらめずに人に伝えることで人とのコミュニケーションがとれ、そこからいろいろなアイディアが出てくるようになる。



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