CONTROL ENGINEERING

モータ制御システムのユーザー動向

[2008年02月号]

ユーザー調査による回答の89%がVFD(variable frequency drives)のシンプルなオープンループのボルト/Hzドライブを使用していた。設定の容易さ、プログラムしやすさ、パラメータのダウンロードやコピー機能に対する要望が強く、今後12ヶ月の導入計画では98%が昨年並みか導入台数を増やすと答えた。


By Peter Cleaveland, Control Engineering誌コントリビューティングライター
この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

 リードリサーチの協力を得てコントロール・エンジニアリング誌で、モータの制御システムについて行った読者アンケートの調査結果では、設定とプログラムが容易なシステムに要望が強く、ユーザーはVFD(variable frequency drives)あるいはASD(AC adjustable speed drive)と呼ばれるシステムを従来以上に購入することを計画している。回答者は2005年の調査と比べ、概ねシンプルなオープンループのボルト/Hzドライブを好む傾向を示した。最も重要な特色としては、設定の容易さ、プログラムしやすさ、パラメータのダウンロードやコピー機能に対する要望が強かった。また今後12ヶ月の導入計画では45%が昨年より導入台数を増やすと答え、減らすと応えたのは2%だった。

 今回のアンケート調査では、VFDやASDの評価、選定、推薦、設置、購買に関わる317名の米国内読者から回答を得、回答者数は2005年のほぼ倍に増えた。回答者がVFDやASDを購入する目的は、57%が自社工場への導入、24%が再販するOEM製品への装備、19%の回答者は自社工場でもOEM製品向けにも利用していると答えた。

ブロワー、ポンプ、モーション

 モータ制御システムの利用目的の48%はポンプ、ファン、ブロワーで、2005年の27%を大きく上回り、2003年の50%に近い結果となった。次いで38%がアセンブリラインやコンベヤラインを挙げた。25%はエレベータやクレーンやホイストを含むマテリアル・ハンドリング、24%がパッケージング機械、17%がプラスチック成形機にVFDを使用すると回答した。これら以外の分野における利用は、すべて16%を下回った。

 VFDでは高機能タイプも売られているが、アンケート調査では単純なオープンループのボルト/Hzタイプが最も支持されていることを示した。回答者の89%がこれを利用していると答え2005年より10%上昇した。センサレス・ベクトル制御あるいはエンコーダレス制御と呼ばれるタイプにも人気があり、2007年の利用者は2005年の41%から52%に増えた。クローズドループのフィールド志向ベクトル制御タイプの利用者も41%と、2005年の38%から拡大をみせた。

 設定の容易さ、価格、使いやすさは、購入を決める上で他の理由を圧倒している。回答者の97%が単純な制御と設定をモータ制御システムの購入理由に挙げ、68%がこれを非常に重視し29%が考慮したと回答している。ソフトウエアのプログラムしやすさが僅差で続き回答者の94%が購入理由とし、51%が非常に重視し、43%が購入に影響したとしている。これに次いで、パラメータをダウンロードしたりコピーする機能も89%と高く、51%が非常に重視し、38%が購入に影響したと回答した。

 モータ制御システムの特長で大多数の回答者が不必要と考えるものはなかったが、速度のプリセットに関しては61%が非常に重要、17%が購入に影響したと答えたものの、39%はほとんど利用していなかった。また、NEMA 12エンクロージャーについては31%が、NEMA 4エンクロージャーについては29%が購入理由にはならなかったと回答した。これに対し、価格については回答者の97%が重視している。

 モータ制御システムの選定に影響を与える性能関連の特長に関する質問では、トルク制御について44%が非常に重要、47%がある程度重要と答えた。また、回答者の86%がトリップレス稼働、83%がゼロスピード制御、80%がセンサレス・ベクトル制御が、それぞれ選定理由になったと答えた。

 また、関心がある特長としては、回答者の85%はダイナミック・ブレーキング、77%はライン出力再生を挙げた。

 回答者の80%は、モータと制御システム間の距離に注意を向けたが、50%が購入にいくらか影響したと答えたのに対し、非常に重要と答えた人は29%だけだった。回答者の57%は2.3kV以上の中電圧稼働には関心がなく、40%は1台の制御システムで複数のモータを制御することを重視しないと答えた。

 ネットワーキングには関心はあるものの、非常に高いわけではなかった。55%のユーザーは制御システムのネットワークについて調べているが、88%はスタンドアロンで使用している。


特色、サイズ、統合システム

アンケート調査回答者の半数近くがASDを、ポンプ、ファン、ブロワー関連のアプリケーションに使用。アセンブリラインとコンベアラインでも一般的に使用している

 アンケート調査では、ユーザーがモータ制御システムに求める追加機能について質問した。回答者の数人はオートチューンに不満を表明し、1人はオートチューンの信頼性向上を求めた。ディスプレイの種類にも要望があり、情報表示の多さを求める人も少なさを求める人もいた。通信インタフェースには、選択肢の幅を求める意見も何件かあった。

 モータ制御システムのサイズに関する要望は、回答者によりかなり違いがみられた。大多数を占める77%のユーザーは1 hpから5 hpの出力を使用しているが、53%は1 hp以下、58%は6 hpから10 hpのユニットを使用している。速度調節が可能な制御システムは、大きなサイズにも浸透しており、49%の回答者が50 hp以上のシステムを使っていた。

 関連する質問で、11 hpから20 hpの制御システムを1ヵ所で使用する平均台数は85台、1hpから5hpのシステムを1ヵ所で使用する平均台数は71台、そして1 hp以下のシステムを1ヵ所で使う場合の平均台数は約62台になった。翻って、50 hp以上のシステムを使用する場合でも、1ヵ所に平均25台設置している。

 モータに制御システムを組み込む考え方は数年前から検討されているが、このような統合システムは大きな支持を獲得するには至っていない。回答者で統合システムを利用しているのは19%で、75%は未使用かつ導入計画もない。ある読者は、統合システムが障害を起こすと、標準的な制御システムとモータの組合せよりコスト高になると語り、面積あたりの電気機器規制(Class I Div. I)を懸念する意見もあった。しかし、最も一般的な意見は、交換やアップグレードがしにくくなるため制御システムとモータの統合を望んでいないようだ。


この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

Partner Solutions

DNJ RESOURCE CENTER

PTCジャパン株式会社
【PTC/Mathcad】表計算ソフトを越えて計算の作成と文書化に適したソリューションへの移行

資料一覧を見る この資料をダウンロード