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このページをホームページに登録Calamities 本当にあった事故例
フォークリフトのモーターが「不機嫌」になった理由
[2008年03月号]
ある医療用品倉庫で、立ち乗り式フォークリフトの運転手が不満を漏らしていた。フォークリフトを急旋回させると、急激な停止と発進を繰り返すので体が激しく揺さぶられてしょうがないという。フォークリフトは修理のため作業から外された。作業に戻されたのは2日後だった。運転手は、「いつもの」フォークリフトが戻ってきたことを喜び、オーダーピッキング作業を開始したが、またもや急旋回時の急停止と急発進が再発した。
現場の状況
運転手は、そのフォークリフトの運転を拒むとともに、フォークリフトによる負傷を訴えて医療扶助を要求した。そして運転手の担当医が職場復帰を認めなかったことから、運転手は弁護士を雇い、フォークリフト・メーカーと車両整備ディーラーを告訴した。運転手の弁護士は私を雇い、フォークリフトのギクシャクした動きについて原因の追求を依頼した。
捜査開始
整備メモによると、整備士は、速度制御ポテンショメーターの交換を最初の訪問で実施し、フォークリフトを作業に戻している。その後に、急旋回時のギクシャクした動きが再発した。2回目の訪問で整備士は、ひどく何かが削れるような音と旋回時のギクシャクした動きを確認している。そして、大口径のトラニオン・ベアリング(いわゆる旋回リング)が粉々になっているのが発見された。このベアリングは、可動式の駆動部と車輪を支持している。このベアリングを交換することで、滑らかな動きが取り戻された。なるほど、不具合が駆動部を支持するベアリングに発生したことで、動作が荒くギクシャクしたものになる、という点では論理的に思える。
しかし、疑問も残る。このベアリングの不具合で、フォークリフトのギクシャクした動きが発生するだろうか?
私は、典型的なフォークリフトの構造と、問題のフォークリフトと同じモデルの整備マニュアルの図を比較した。図では、垂直に設置された駆動モーターの電機子を支持するモーター・ベアリングは、シャフトの出力側ではなく、ドラム・ブレーキがある反対側のみにあった。シャフトのスプライン・ドライブ側は、駆動部の入力シャフトにあるメスのスプライン・プラグに挿入され、軸方向に支持されていた。私は、この設計が採用された理由として、同じ方向を向いた各シャフト上にある3つのベアリングが近接していることから、不整合や結合を避ける目的があったのではと推測した。このことが意味しているのは、駆動システムの動作の信頼性は、駆動部を支持するベアリングの信頼性に依存する、ということだ。これではっきりした。支持ベアリングに不具合が発生したことで、駆動部を固定できなくなった。そのため、モーターの電機子が磁極片表面と擦れ合ってしまい、強力、かつ、断続的なブレーキのように作用した。その結果が、旋回時のギクシャクした動きだ。私の考えは、ある整備連絡書を見つけたことで強まった。その連絡書では、ドライブトレインの配列方法が改訂されており、電機子が擦れる可能性を排除できるようになっていた。しかし、改修部品キットは入手可能となっておらず、製品のリコール通知も出ていなかった。
しかし、疑問も残る。このベアリングの不具合で、フォークリフトのギクシャクした動きが発生するだろうか?
私は、典型的なフォークリフトの構造と、問題のフォークリフトと同じモデルの整備マニュアルの図を比較した。図では、垂直に設置された駆動モーターの電機子を支持するモーター・ベアリングは、シャフトの出力側ではなく、ドラム・ブレーキがある反対側のみにあった。シャフトのスプライン・ドライブ側は、駆動部の入力シャフトにあるメスのスプライン・プラグに挿入され、軸方向に支持されていた。私は、この設計が採用された理由として、同じ方向を向いた各シャフト上にある3つのベアリングが近接していることから、不整合や結合を避ける目的があったのではと推測した。このことが意味しているのは、駆動システムの動作の信頼性は、駆動部を支持するベアリングの信頼性に依存する、ということだ。これではっきりした。支持ベアリングに不具合が発生したことで、駆動部を固定できなくなった。そのため、モーターの電機子が磁極片表面と擦れ合ってしまい、強力、かつ、断続的なブレーキのように作用した。その結果が、旋回時のギクシャクした動きだ。私の考えは、ある整備連絡書を見つけたことで強まった。その連絡書では、ドライブトレインの配列方法が改訂されており、電機子が擦れる可能性を排除できるようになっていた。しかし、改修部品キットは入手可能となっておらず、製品のリコール通知も出ていなかった。
動かぬ証拠
熟考の末に陪審は、被告であるメーカーには設計上の過失がないと判断した。公判の後に、陪審の投票結果から明らかになったのは、モーターの不適切な動作と整備の落ち度については陪審が認めていたことだった。しかし、その一方で、ギクシャクした動作が負傷の原因になる程酷くはなかった、という被告側の専門家による医学的反論に陪審は同調したのだった。
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