環境レポート

RoHS 規制は新ステージへ

中国の第2段階とEUの見直しが焦点に

[2008年04月号]

この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る
12>> PAGE 1/2   目次に戻る
 電気・電子機器における特定有害化学物質の使用量を制限する法制——いわゆるRoHS 規制に関わる動きが再び活発化している。2006年7月に施行された欧州連合(EU)のRoHS 指令から1年半、製品への表示を義務化する第1 段階を07年3月から適用した中国版RoHS 規制からも1年を経過し、一部の例外を除いて大きな問題がないことから、取り組みの早かった国内大手電機メーカーをはじめ電気業界内におけるRoHS 対策は終わったと見る向きもある。しかし、中国版RoHS 規制が08年中にも罰則規定を持つ第2 段階に入るのに加えて、規制対象物質の追加も含めたEU のRoHS指令の見直し論議も本格化しつつある。

ついに試験法が確定へ

TC111 / WG3 の日本代 表委員を務める島津製作 所の山下部長

 EU、中国ともRoHS 規制が対象としているのは、無機系元素の鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr 6+)と、臭素系難燃剤のポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の6 物質。含有量の制限は重量比で、カドミウムが100ppm(0.01%)、他の5物質は1000ppm(0.1%)である。

 これらの物質の含有量を検査する国際的な標準試験法がなければ規制は運用できない。EU のRoHS 指令、中国版RoHS 規制とも国際電気標準会議(IEC) の国際標準「IEC62321」が標準試験法となる見通しだが、その中身はまだ決まっていない。

 IEC62321 については、05年からIEC の環境配慮専門委員会(TC111)/含有化学物質測定方法に関するワーキンググループ(WG3)で策定を進めていたが、最初の投票用原案(CDV1)が06年10月に否決され、再度の原案作成に差し戻されたことが遅れの主因である。TC111 / WG3 で日本代表委員を務める、島津製作所分析計測事業部X 線/表面ビジネスユニットの山下昇部長は「投票各国がCDV1 に沿って試験を行ったところ、Pb、Cd、Hg については試験結果が安定していたが、Cr6+ と臭素系難燃剤については各国間で二桁も違う試験結果が出るなど安定しなかったため、多くの国が反対票を投じた」と話す。Cr6+と臭素系難燃剤の試験法が、前処理の方法などを含めて高度な分析技術を必要とするため、各国の試験機関の技術レベルにより試験結果が左右されたもようだ。

 07年初から検討を始めた新たな投票原案(CDV2)は、CDV1 をベースに試験結果の安定していたPb、Cd、Hg については国際標準とし、Cr6+と臭素系難燃剤については付属参考資料として添付し、国際標準には組み入れないことになった。これにより、07年12月に行われた第2回投票でほぼすべての参加国が賛成する形でCDV2 が可決され、ようやく国際標準化の道筋が明確になった。今後は、08 年3月にCDV2 を元にした最終原案を策定、修正の後、08 年末頃にはIEC62321 が正式に文書として発行される。最終原案の執行後には、Cr6+と臭素系難燃剤の試験法を正式に国際標準に組み入れるための議論に入る。

規制運用の立ち上がり
 標準試験法は決まっていなかったものの、すでに施行されているRoHS 規制は各国で本格的な運用が始まっている。罰則適用などの細かな法整備で先行する英国では、具体的な名前は明かしていないものの違反製品があったことを07年10月に公表している。税関などでは、携帯型の蛍光X 線分析器を使った抜き取り検査を始めているもようだ。「現在は違反があっても注意勧告に留まっている。罰金の額などで罰則制定に関するEU 各国の足並みが揃っていないという事情もあるが、準備は着実に進んでいる」(山下部長)という。

 中国版RoHS 規制は、現在は表示義務だけの第1段階だが、07年10〜12月の規制取り締り強化期間に現地合弁会社製電子レンジを不合格とされた三洋電機は、生産停止と出荷品回収だけでなく、現地報道によるバッシングに近い状態に追い込まれた。規制を主導する信息産業部が、携帯電話、PC、テレビなど情報通信関連産業を統括する部局であることから、エアコン、冷蔵庫などの白物家電は規制の対象外といわれていただけに、日本で白物家電とされる電子レンジの摘発は予想外だったとする見方もあるが、電子回路を持つほとんどの製品が対象になると考える必要がありそうだ。



12>> PAGE 1/2   目次に戻る
この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

Partner Solutions

EVENTS

DNJ RESOURCE CENTER

株式会社サンエイテック
高速、微小、定量の点塗布や線引塗布を可能にするスペースショットディスペンサー「イースター」

資料一覧を見る この資料をダウンロード