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中国の第2段階とEUの見直しが焦点に
[2008年04月号]中国の第2段階とEUの見直し
現在最も注目されているのが、中国版RoHS規制の第2段階の施行時期である。この第2段階では、EUと同様に規制対象物質の含有量が制限値を上回る製品の販売を禁止し、販売した場合には罰則も適用できるが、その導入は具体的な製品種を指定・発表した上で実施されることになっている。07年中にもその発表が行われるという観測もあったが、認証を行うための指定検査所の整備が遅れていることもあり、実際には08年末までずれ込むという見方が強い。山下部長は「第2 段階を実施する上で、中国版RoHS 規制に例外規定がないことも問題になる。最終的にはEUと同じ例外規定を導入するだろう」と予想している。
EUのRoHS指令も、4年ごとの見直しが規定されていることから、08年以降その議論が活発化しそうだ。欧州委員会が規制対象に新規の物質を追加することを検討しているものの、その詳細を公表していないことから、業界内では追加の有無を含めて話題となっている。「07年6月に施行された『REACH規則』により、化学物質全体を包括的に管理することになるので、対象物質を追加する可能性は低い」(山下部長)という意見もあれば、ヒ素や新たな臭素系化合物が加わるという予想もある。
このRoHS指令見直し論議に影響を与えているのが、ノルウェーが新たに発表した「PoHS規制」である。RoHS指令を上回る18物質について、消費者向け製品への含有を規制するもので、07年6月に発表された。08年1月に施行される予定だったが、欧州委員会がその受け入れを否決したことや、ノルウェー国内からも導入反対の声が上がっていることからまだ施行されていない。しかし、PoHS規制が新たに対象とした、スズ化合物、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)などは環境団体が自然界への悪影響を指摘してきた物質である。
(朴 尚洙)
EUのRoHS指令も、4年ごとの見直しが規定されていることから、08年以降その議論が活発化しそうだ。欧州委員会が規制対象に新規の物質を追加することを検討しているものの、その詳細を公表していないことから、業界内では追加の有無を含めて話題となっている。「07年6月に施行された『REACH規則』により、化学物質全体を包括的に管理することになるので、対象物質を追加する可能性は低い」(山下部長)という意見もあれば、ヒ素や新たな臭素系化合物が加わるという予想もある。
このRoHS指令見直し論議に影響を与えているのが、ノルウェーが新たに発表した「PoHS規制」である。RoHS指令を上回る18物質について、消費者向け製品への含有を規制するもので、07年6月に発表された。08年1月に施行される予定だったが、欧州委員会がその受け入れを否決したことや、ノルウェー国内からも導入反対の声が上がっていることからまだ施行されていない。しかし、PoHS規制が新たに対象とした、スズ化合物、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)などは環境団体が自然界への悪影響を指摘してきた物質である。
(朴 尚洙)
IEC62321におけるRoHS試験法の概要
IEC62321のCDV1 では、RoHS試験の測定をスクリーニングと精密化学分析に分けている。スクリーニングでは、エネルギー分散型もしくは波長分散型の蛍光X 線分析装置を使用して、Pb、Cd、Hg、Cr6+、臭素(Br)の試料濃度を測定する。スクリーニングの結果、規制値を超えるおそれの試料については精密化学分析を行う。各物質の精密化学分析の標準法を以下に示す。
Pb/Cd:誘導結合プラズマ(ICP)発光分光法、ICP質量分析法、原子吸光法(AAS)Hg:ICP 発光分光法、ICP質量分析法、還元冷却AAS(CVAAS)、原子蛍光法(AFS)。AFSは、日本ではほぼ使われていないが、中国や東南アジアで低価格にできるAAS として多く利用されている。
Cr6+:ジフェニルカルバジドとCr6+ の呈色反応による光吸収法。金属材料は熱水抽出法を、樹脂を含む場合は冷凍粉砕からのアルカリ抽出法を利用する。樹脂の種類や含有状態によって抽出条件が変わり分析が難しく、第1回投票の否決の理由とされた。
PBB/PBDE:ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)。GC-MSの前処理には、比較的低温で行えるソックスレー抽出法だけが認められている。
Pb/Cd:誘導結合プラズマ(ICP)発光分光法、ICP質量分析法、原子吸光法(AAS)Hg:ICP 発光分光法、ICP質量分析法、還元冷却AAS(CVAAS)、原子蛍光法(AFS)。AFSは、日本ではほぼ使われていないが、中国や東南アジアで低価格にできるAAS として多く利用されている。
Cr6+:ジフェニルカルバジドとCr6+ の呈色反応による光吸収法。金属材料は熱水抽出法を、樹脂を含む場合は冷凍粉砕からのアルカリ抽出法を利用する。樹脂の種類や含有状態によって抽出条件が変わり分析が難しく、第1回投票の否決の理由とされた。
PBB/PBDE:ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)。GC-MSの前処理には、比較的低温で行えるソックスレー抽出法だけが認められている。
分析機器メーカーの取り組み
玩具規制に対応したSII ナノテクのEDX 測定ソ フトウエア
メーカーがRoHS 規制に対応するには、RoHS 試験法のスクリーニングで使用するエネルギー分散蛍光X 線分析装置(EDX)を工場の出荷検査などのために導入する必要がある。EU のRoHS 指令、中国RoHS 規制への対応により、2006 年のEDX 需要はバブル的に拡大した。
EDX 大手のエスアイアイ・ナノテクノロジー(SII ナノテク)も、07 年2 月期のEDXの出荷台数が前年度比30 〜40%増加した。営業統括部長の長沢寛治取締役は「08 年2月期の出荷については、07 年内と見ていた中国版RoHS 規制の第2 段階導入が遅れたこともあり、06 年2 月期並に戻った。しかし、化学物質規制関連の需要は底堅いものがあり、今後も着実な成長が見込めるだろう」と話す。中国向けでは、06 年に立ち上げた上海工場でコスト削減を進めることで、実売300万円以下ともいわれる中国現地メーカーの製品に対抗していく。
SII ナノテクの長沢取締役
島津製作所の若尾マネ ージャー
島津製作所でも、08 年3 月期のEDX の出荷台数は前年度比約40% 弱減少する見込み。分析計測営業部の若尾豪スペクトロ、X 線・表面分析担当マネージャーは「07 年を規制対応の駆け込みによるバブルと考えれば順調に需要は拡大しており、特に第2 段階導入を控える中国、東欧をかかえる欧州、欧州と関連の深いインドなどの潜在需要は大きい」と期待している。また、米国電子回路工業協会(IPC)などが08 年初に発表した、回路基板やコネクタなどへの臭素や塩素などハロゲン系物質の含有制限を1,500ppm から900ppm以下に強化するという規格案に注目し、塩素の標準試料を3 月から販売している。
同社は、EDX に加えて、臭素系難燃剤の精密分析に必要なGC-MS の大手でもある。「05〜06 年のRoHS 指令導入初期はGC-MS採用への意識は高いとはいえなかったが、最近は一部大手電機メーカーが、前処理の容易な熱分解法を利用して工場の検査インフラとして配備する事例もでている。EU の玩具へのフタル酸エステル類の含有規制など、有機物の検査に必要なGC-MS 需要は拡大しつつある」( 若尾マネージャー)という。
さらに、顧客側での運用準備が必要なものの、より低コストな臭素系難燃剤の簡易測定ができるガスクロマトグラフの提供も開始した。
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