Cover Story

ウェランド運河の
油圧化プロジェクト

[2008年04月号]

By John Dodge
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オンタリオ湖に向かう、第5 水門の穀物運搬船。07 年11 月9 日撮影
写真: John Dodge

 重量500トン、2台の30馬力電気モーターで押し動かされるものは何か。

 その答えは、カナダオンタリオ湖とエリー湖を結ぶウェランド運河の11の水門を締め切る鋼製のマイターゲート(観音開き型のゲート)である。このゲートは建設後75 年を経過している。43km(27マイル)の運河とその50カ所のゲートは、1日に12隻以上の船舶ては、1829年から数えて、4番目になる。5カ所の“スーパー水門”を持つ5番目の運河は、いまのところ検討段階にある。

 この航路の航行パターン、市場、環境への影響、インフラの状況などを徹底的に調査した報告書が2007年秋に発行された(http://rbi.ims.ca/5702-570)。ここで、設備更新の緊急性が最も高いと指摘された部分がcover story 著者_John Dodgeをオンタリオ湖の水位まで下降させ、またはエリー湖の水位まで上昇させている。水門によって、ナイアガラ断崖の高低差を解消している。

 北米内陸部と大西洋を結ぶ、全長3,770km(2,340マイル)のセントローレンス航路をひとつなぎにする重要な役割を果たしているのが、ウェランド運河である。現在の運河は五大湖のうちの東側の二つを結ぶ人工の水路とし水門であった。ウェランド運河の水門システムのほか、スー水門とモントリオール・オンタリオ湖水門がある。セントローレンス航路には5つの運河があり、Duluthから大西洋まで航行する船は水門で17時間を、水上移動に112時間を費やす。



油圧動力ユニットは10 トンもの重量があり、精妙なクレーン
操作を経て動力室に運び込まれた
写真: John Dodge

 1932年に現在の運河が建設されてからずっと、3つの主要な水門システムの動力として電気機械式システムが、信頼性をもって役目を果たして来た。しかし、高い維持管理費用および安全性と信頼性に問題が生じるようになって、2000年にセントローレンス航路会社では現在の機械を修理して使うべきなのか、あるいは完全に交換すべきなのだろうか、という議論が始まった。結論として、Bosch Rexroth Canada (BRC)社の新しい油圧機器に置き換えるという選択がなされた。

 「2003年に推計を行ったとき、最初の費用対効果はコスト:利益で1:1.4だった。しかし、2004年に鉄鋼価格の大幅な上昇があった。機器の価格に基づいて分析をやり直し、いまでは1:1.28となっている」と、航路会社の油圧転換プロジェクトマネジャーIqbal Biln氏は言う。Biln氏にとって、航路会社の仕事は前職とかなり違っている。オーストラリア、フィジー、およびオンタリオ州サドベリーで鉱山技師として働いていたのだ。フィジー共和国出身のBiln氏は、定年退職するエンジニアの後任として、1998年に検査評価エンジニアの職を得た。18ヵ月の間、Biln氏はゲート、橋梁、弁、シップ・アレスター(船舶固定装置)、その他の何万もの電気機械駆動装置の評価・格付けを行った。



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