特集 メカトロニクス

自動車メカトロニクス技術
最新トピックス

[2008年05月号]

最近のエレクトロニクス業界では、自動車向けエレクトロニクス技術に関する製品や発表に注目が集まっている。
(朴 尚洙)


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 1980年代には、自動車1台あたりのコスト比率が1%程度に過ぎなかったエレクトロニクス部品だが、現在は20%〜30%にまで急拡大しており、ハイブリッド車などの電動自動車では50%に達するという意見もある。拡大する市場へ事業展開を目指すことは当然のことである。

 自動車向けエレクトロニクス技術は、おおまかに情報系と制御系に分けることができる。情報系は、ETC、DSRCなどの無線関連機器やカーナビゲーションシステムに用いられるもので、90年代以降自動車におけるエレクトロニクス部品のコスト比率を押し上げてきた主役でもある。制御系は、自動車の本来機能である「走る、曲がる、止まる」に関連するもので、エンジンやブレーキなどの制御を行うECU(Electronic Control Unit)などがこれにあたる。

 そして、今後エレクトロニクス部品のコスト比率をさらに押し上げると期待されているのが、制御系に用いられる自動車メカトロニクス技術である。

機械と電子の融合

自動車における磁石の応用例。希土類磁石、フェライト磁石を含めて、そのほとんどがセンサーやアクチュエータなど、メカトロニクス部品のキーパーツとなっていることがわかる
提供:TDK

 メカトロニクス(Mechatronics)は、機械工学(Mechanics)と電子工学(Electronics)を融合した造語で、従来は工作機械や製造装置に関わるFA(Factory Automation)業界で用いられてきた。当初は国内の業界用語に過ぎなかったが、最近では欧米でも通じる技術用語になりつつある。その要素部品として知られるのが、センサー、アクチュエータ、コントローラである。

 機械工学をベースに、機械技術者が発展させてきたのが自動車技術である。現在の内燃機関やトランスミッションなどの主要な自動車部品は、これまで進化させてきた機械技術を改良することで現在のものになっている。自動車へのエレクトロニクス技術の本格的導入の端緒となった、エンジン用ECUと酸素濃度を測定するセンサーは、70年代の排ガス規制「マスキー法」に対応するために、エンジン内における燃料燃焼を最適化することを目的としていた。このエンジンの電子制御では、酸素濃度計測がセンサー、燃料噴射がアクチュエータ、ECUがコントローラに相当することから、メカトロニクス技術であることがわかる。

 そして現在では、ほとんどの市販車に装備されているアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)をはじめ、今後普及が見込まれる電動パワーステアリング(EPS)、横滑り防止装置(ESC)、トラクション・コントロールなど、センサー、アクチュエータ、コントローラで構成される自動車メカトロニクス技術の重要性は高まっている。

 実際に、カーエレクトロニクスの進展の指標として取り上げられることの多い、高級車のECU搭載数と同様に、センサーとアクチュエータ(モーター)も「100個」搭載しているといわれる。独自の技術をベースに開発を進めるNTNと東洋電機製造の成果事例を紹介する。


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