目的用途別に使い分けが進む
RP装置の開発

[2008年05月号]

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RP/RMを加速するソフトウエア開発

従来のCADを使った開発プロセスのワークフロー(上)とMaterialise社の3-maticを利用したDigital Cad Workflow(下)の比較
提供:マテリアライズ ジャパン



マテリアライズ ジャパン
Jo Anseeuw社長

 ベルギーMaterialise社は、17年前、ラピッドプロトタイピングのためのソフトウエアがなかったため、そのソフトウエアの開発を始めた。今日にいたるまで、ラピッドプロトタイピング業界のためのさまざまなソフトウエアを開発してきた。

 その中で最も多く使われているソフトウエアは、CADファイルを造形用ファイルにするMagicsである。同社日本法人マテリアライズ ジャパンのJo Anseeuw社長は、「同ソフトは、世界中のほとんどのRP装置の標準となっている」と語る。

 Magicsの最新バージョン「Magics 12」では、Wrapping(ラッピング)機能により、部品や家のモデルなどの内部の不要なサーフェスを削除し、その表面を包み込むような新しいサーフェスを自動生成し、造形前のSTLデータの複雑な修正操作をせずにRPに必要なモデルを得られるようになった。「このため、建築や3次元スケッチ、レンダリング、3次元CG、アニメーション、玩具、宝飾などの分野で利用が進むだろう。建築の分野のRPも将来性がある」(Anseeuw社長)。


3-maticによってメッシュを切ったCFD(流体解析)用モデル
提供:マテリアライズ ジャパン

 また、STLをベースにしたデジタルCAD、3-matic(トリマティック)というソフトウエアもある。これは、特にCAE市場に向けたものとなっている。

 現在Materialise社は、RMの準備を進めている。「RPなら、1つの部品を作るだけでもよいが、RMの場合、同じ部品を多く作る必要がある。そのため、RMでは、部品情報を追跡できるようにすることが重要となる。例えば、20個の同じ部品を作成し、1つの部品が不良である場合、残りの19個の部品も不良の可能性があるため、いつ、どこ、どの装置で作られたのかを遡り、調べなくてはならない。そこでRMを行うために新しいソフトウエアが必要になると考えた」とAnseeuw社長は語る。

 かなり多くの部品を作るようになり、顧客にある特定の部品について、いつ、どこで、どの装置で作ったのかと聞かれた場合、データベース内にあるその部品についての情報を追跡しなくてはならない。また、RMのために装置の台数が多くなると、すべての部品の生産情報を管理するとともに、その情報をスケジュールで管理しなくてはならない。「スケジュールで管理できれば、2カ月後でも、この部品はいつ、どの装置で作ったのかを追跡できるようになる。そのため、RPとRMに特化したERPシステムのような役目を果たすソフトウエアが必要だ」(Anseeuw社長)。

 同社は、現在、総合工程管理ソフトウエア製品「Magics e-RP」を開発している。e-RPデータベースでは、各装置のスケジュールなどを見ることが出来る。データのバックアップを見て、部品の形状を変更することも可能。2008年中に日本でもリリースする予定である。

 同社は、CAEの市場にもソフトウエアを提供しようとしている。Anseeuw社長は、「Materialise社にはSTLメッシュ、つまり三角メッシュに関しては、17年間の経験がある。CAEソフトウエアでは、三角メッシュが使われることが多い。STLファイルと三角メッシュの間には密接な関係がある。そのため、我々はCAEの分野に参入することとした」と語る。

 一般的に、モノづくりの現場では、入力側にCADファイル、STLファイル、CAEメッシュ、CTスキャン、オプティカルスキャナがあり、出力側にRP、RM、(ラピッド)Tooling、シミュレーション用CAEメッシュ、CADファイルがある。「すべてのデータをSTLファイルベース、つまり三角メッシュをベースにして持ちたい。そのため、我々はデジタルCADである3-maticを利用したDigital Cad Workflowを考案した」(Anseeuw社長)。

 これは、CADを使わないワークフローである。一般的なワークフローでは、物体をオプティカルスキャナでスキャンし、そのデータを時間をかけてリバースエンジニアリングでCADモデルにし、その後、シミュレーションを行ったりする。この場合、CADデータから三角メッシュに戻らなくてはならない。また、シミュレーションの後に、形状変更を行う場合、CADに戻り、変更し、再び三角メッシュにしなくてはならず手間と多くの時間がかかる。この変換では、CADモデルのサーフェスなどの情報を失ってしまう場合もある。

 同社が考案したワークフローでは、物体形状をデジタル化するため物体をスキャンし、STL形式のファイルにし、CADファイルに戻ることなく、CAEのためのメッシュを生成し、あるいは、そのSTLファイルを使って直接RPを行う。設計を変更する場合は、STLファイルのままで変更を行える。Anseeuw社長によると、3-maticは現在、三角メッシュだけに対応しているが、将来的にはほかのメッシュ形状にも対応していくという。

 3-maticにはラップ機能がある。例えば、自動車のエンジンの部品点数はかなり多いが、一般的にCAEでは一つの部品として解析を行う。そのために3-maticのラップ機能では、簡単に部品を結合し、一つの部品にすることが可能。「3-maticでは、複数の部品からなるエンジンを包み込むようにして、簡単に一つの部品にし、解析用に簡略化できる」とAnseeuw社長は語る。



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