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RP装置の開発
[2008年05月号]
RP/RMを加速するソフトウエア開発
従来のCADを使った開発プロセスのワークフロー(上)とMaterialise社の3-maticを利用したDigital Cad Workflow(下)の比較
提供:マテリアライズ ジャパン
マテリアライズ ジャパン
Jo Anseeuw社長
その中で最も多く使われているソフトウエアは、CADファイルを造形用ファイルにするMagicsである。同社日本法人マテリアライズ ジャパンのJo Anseeuw社長は、「同ソフトは、世界中のほとんどのRP装置の標準となっている」と語る。
Magicsの最新バージョン「Magics 12」では、Wrapping(ラッピング)機能により、部品や家のモデルなどの内部の不要なサーフェスを削除し、その表面を包み込むような新しいサーフェスを自動生成し、造形前のSTLデータの複雑な修正操作をせずにRPに必要なモデルを得られるようになった。「このため、建築や3次元スケッチ、レンダリング、3次元CG、アニメーション、玩具、宝飾などの分野で利用が進むだろう。建築の分野のRPも将来性がある」(Anseeuw社長)。
3-maticによってメッシュを切ったCFD(流体解析)用モデル
提供:マテリアライズ ジャパン
現在Materialise社は、RMの準備を進めている。「RPなら、1つの部品を作るだけでもよいが、RMの場合、同じ部品を多く作る必要がある。そのため、RMでは、部品情報を追跡できるようにすることが重要となる。例えば、20個の同じ部品を作成し、1つの部品が不良である場合、残りの19個の部品も不良の可能性があるため、いつ、どこ、どの装置で作られたのかを遡り、調べなくてはならない。そこでRMを行うために新しいソフトウエアが必要になると考えた」とAnseeuw社長は語る。
かなり多くの部品を作るようになり、顧客にある特定の部品について、いつ、どこで、どの装置で作ったのかと聞かれた場合、データベース内にあるその部品についての情報を追跡しなくてはならない。また、RMのために装置の台数が多くなると、すべての部品の生産情報を管理するとともに、その情報をスケジュールで管理しなくてはならない。「スケジュールで管理できれば、2カ月後でも、この部品はいつ、どの装置で作ったのかを追跡できるようになる。そのため、RPとRMに特化したERPシステムのような役目を果たすソフトウエアが必要だ」(Anseeuw社長)。
同社は、現在、総合工程管理ソフトウエア製品「Magics e-RP」を開発している。e-RPデータベースでは、各装置のスケジュールなどを見ることが出来る。データのバックアップを見て、部品の形状を変更することも可能。2008年中に日本でもリリースする予定である。
同社は、CAEの市場にもソフトウエアを提供しようとしている。Anseeuw社長は、「Materialise社にはSTLメッシュ、つまり三角メッシュに関しては、17年間の経験がある。CAEソフトウエアでは、三角メッシュが使われることが多い。STLファイルと三角メッシュの間には密接な関係がある。そのため、我々はCAEの分野に参入することとした」と語る。
一般的に、モノづくりの現場では、入力側にCADファイル、STLファイル、CAEメッシュ、CTスキャン、オプティカルスキャナがあり、出力側にRP、RM、(ラピッド)Tooling、シミュレーション用CAEメッシュ、CADファイルがある。「すべてのデータをSTLファイルベース、つまり三角メッシュをベースにして持ちたい。そのため、我々はデジタルCADである3-maticを利用したDigital Cad Workflowを考案した」(Anseeuw社長)。
これは、CADを使わないワークフローである。一般的なワークフローでは、物体をオプティカルスキャナでスキャンし、そのデータを時間をかけてリバースエンジニアリングでCADモデルにし、その後、シミュレーションを行ったりする。この場合、CADデータから三角メッシュに戻らなくてはならない。また、シミュレーションの後に、形状変更を行う場合、CADに戻り、変更し、再び三角メッシュにしなくてはならず手間と多くの時間がかかる。この変換では、CADモデルのサーフェスなどの情報を失ってしまう場合もある。
同社が考案したワークフローでは、物体形状をデジタル化するため物体をスキャンし、STL形式のファイルにし、CADファイルに戻ることなく、CAEのためのメッシュを生成し、あるいは、そのSTLファイルを使って直接RPを行う。設計を変更する場合は、STLファイルのままで変更を行える。Anseeuw社長によると、3-maticは現在、三角メッシュだけに対応しているが、将来的にはほかのメッシュ形状にも対応していくという。
3-maticにはラップ機能がある。例えば、自動車のエンジンの部品点数はかなり多いが、一般的にCAEでは一つの部品として解析を行う。そのために3-maticのラップ機能では、簡単に部品を結合し、一つの部品にすることが可能。「3-maticでは、複数の部品からなるエンジンを包み込むようにして、簡単に一つの部品にし、解析用に簡略化できる」とAnseeuw社長は語る。
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