K.A.Swanstrom氏がPenn Engineering & Manufacturing社を設立したのは1942年のことである。創設当時、機械は4台。工場はペンシルバニア州ドイルスタウンのガレージだった。めねじを切るためのタップを立てるには薄すぎる金属板向けに、Swanstrom氏が考案したセルフクリンチングの締結具を元に創設した会社である。このアイデアは今でもPennEngineering社の中核ビジネスとなっている。多くの企業がより単純で、組み立てが容易な設計を採用し続けているからである。新たな技術トレンドに対応して、ステンレス薄板用のステンレス鋼製締結具を開発している。
また、より専門的な材料志向するメーカーもある。米Acument Global Technologies社のグループ企業Avdel社がその一例である。「我が社は、加熱可能で取り扱い易い新しい材料を常日頃から探している」と、Avdel社の製品および応用技術担当マネジャー、Pete Beecherl氏は言う。「セルフピアシング(自己貫通型)リベットを例にとろう。一枚のシートに穴を開け、次のシートに広がって入り込む。貫通対象よりも強靭でなければならない。」Avdel社は新規の特殊なステンレス合金により、この要件を満足している。
Avdel社が新規技術を目指すのは、アジアメーカーの台頭に対抗するためである。アジアメーカーは米国や欧州の設計をリバースエンジニアリングし、低コストの複製品を作るからだ。時には商標が盗まれるという疑いさえある。「我々にとって最大の課題は、新しい技術を開発し、つねにこれらアジアメーカーの前を走ることができるようにすることだ」とBeecherl氏は言い、Avdel社は英国の技術センターを再び強化しているとコメントした。
コンピュータ産業向けの、より小型な工業用締結具も開発中である。「ブラインドタイプの締結具がコンピュータの筐体に大量に使用されている」とBeecherl氏は言う。「製品の小型化が進むにつれて、より薄い材料が使われている。そして、外装面に凸部を作らない締結具の開発も大きな課題となっている。この開発成果が、機器の小型化をどこまで進められるかを左右することになる」
ボーイングのドリームライナープロジェクトでは、サプライチェーン問題が大きく報道されたため、重要な技術開発成果があったことがあまり取り上げられなかった。航空機業界の組み立て設計は、白物家電や自動車業界に比べて一段と難易度が高いようだ。
「10年前は、新しい設計についてスケッチの状態から量産化まで進むのには、4年から6年かかった」と、Alcoa Fastening Systems社の顧客およびマーケティング担当のシニアバイスプレジデント、Rick Sharpe氏は言う。「現在では実際の例として、完成品メーカーやその部品サプライヤが、我々がまだ開発中のシステムを発注しようとすることがある。この事実は、新製品が大きな改良をもたらすだけではなく、いかに挑戦課題の多い設計環境に我々がいるかということも示している」
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工業用締結具の新潮流
[2008年06月号]
「工業用締結具が、1つ以上の役割を求められたのはまったく初めてのことである。しかし、これは始まりに過ぎない」
ステロイドの研究開発
Acument North America社の業界標準コーディネーターKristi Keen氏が、CAD図面を確認している。この図面は、「Torx Plus Maxx Drive System」の締結部ボルトの詳細である。この新規の高強度締結システムは、ナットを締める間、ボルトが固定されたままとなる
提供:Acument Global Technologies社
PennEngineering社は07年、中国に設計チームを創設するなど、製品開発グループのエンジニア数を倍増した。
「我が社の開発目標は、製品ラインをマイクロサイズの締結具分野へ拡大することである」とBentrim氏は言う。「いくつかの特注製品で、すでに最初の試みは始めた。将来的には標準製品でも市場に打って出るつもりだ。」目標とする分野には、携帯型電子機器や携帯電話機が含まれる。
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