油圧ハイブリッド車の燃料効率と環境性能

[2008年06月号]

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アキュムレータは、油圧ハイブリッド車のエネルギー貯蓄手段として使われ、適切なサイズは車両によって変わる
提供: Bosch Rexroth社

 Hybra-Drive社では、Gates社との共同開発プロジェクトで、軍用の高機動多目的装輪車「Hummer H1」のパワートレインを油圧ハイブリッドに改修し、燃費の大幅な改善に成功している。O’Brien氏によると、例えば高機動多目的装輪車の燃費は、4.2km/リットルから9.7km/リットルへと大きく改善した。

 油圧ハイブリッドには、他にも面白い性質がある。O’Brien氏によると、エンジンと機械式トランスミッションは、高速道路走行時には効率良く運転されるため、油圧ハイブリッドによって経済性が向上する割合は比較的小さいという。しかしながら、市街地走行では始動と停止が繰り返され、大出力が不要なため、エンジンは運転効率の悪い条件で動作せざるを得なくなる。油圧ハイブリッドが燃料効率を大きく改善できるのは、こうした条件のときである。Achten氏も、これに似た意見を述べている。「油圧ハイブリッドによって、市街地での燃費が、初めて高速道路での燃費を上回った。これこそ、本来あるべき姿だ」。

 油圧ハイブリッドは、他にもすぐれた特徴がある。蓄積したエネルギーを高い出力密度で利用することで、通常のエンジンより大きな推進力を得て、短時間で一気に加速できる可能性があるのだ。では、どれぐらいの出力が得られるのだろう? O’Brien氏によると、Hybra-Drive社のHummer H1ベースの車両は、190馬力のディーゼルエンジンを搭載しているが、瞬発的な出力は最大で600馬力にまで達するという。

 油圧機構は、コストや重量を増やすことなく燃費を向上できるという利点もある。シミュレーションに使われたINNAS社の車両は、パサートの通常の四輪駆動車と同じ重量とコストにすることを前提に設計されている。「コストも重量も忠実に同じレベルを維持している」とAchten氏は言う。また、新しい車両のトランスミッションのコストは1kgあたり15ユーロで、「欧州域内の従来タイプのトランスミッションとほぼ同じ」だという。

 Hybra-Drive社のプロトタイプ車両は、「あと数百ポンド減らせばベースモデルと同じ重量になる」(O’Brien氏)。また、油圧パワートレインの導入による車両のコストの増加は、約10%にとどまると同氏は推定している。比べてみるとよく分かるが、Priusなどのパラレルハイブリッドは、通常の車に比べて何百ポンドも重く、余分のコストが何千ドルもかかる。O’Brien氏は、「現在の油圧機器でも、油圧ハイブリッドを成功させることは可能だ」として、大量生産すればコストもさらに下がり、重量の増加幅もアキュムレータとポンプモーターの改善が進めば縮小できると考えている。



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