乗用車やSUV、小型トラックなどの燃料効率を少なくとも今の2倍以上に向上するハイブリッド車技術があったら、どうだろう?また、それによって排気ガスの量を50%以上削減できるとしたら?さらに、これまでの人々の通念をくつがえし、高速道路よりも市街地走行で燃費が良くなるとしたら?
さらに、このハイブリッド車技術が、高価で重くて大きく、まだ主流となっていないバッテリーを使わずにすでに実績のあるエネルギー貯蔵方法を応用するものだとしたら?
実は、電気部品の代わりに油圧部品を使用することによって、これらすべての要件を満たすハイブリッド車技術がすでに存在している。
油圧ハイブリッドの設計コンセプトには、同類の電気ハイブリッドと共通する点が多い。異なる点は、エネルギーをバッテリーに蓄えるのではなく、20.68MPa(3,000psi)以上に達する高圧の油圧アキュムレータ内に蓄えるという点だ。油圧パワートレイン専門の開発ベンチャー米Hybra-Drive Systems社の創業者でCTOでもあるJim O’Brien氏によると、こうしたアキュムレータの出力密度は、約500kW/kgに達するという。
一般的に、油圧ハイブリッド車は、ディーゼルまたはガソリンエンジンで油圧ポンプモーターを駆動することによって、アキュムレータに高い圧力を蓄える。そのアキュムレータは、車輪に接続された1つまたは複数の別のポンプモーターを駆動する。加えて、もう1つ別の低圧のアキュムレータを利用することによって油圧回路が完成する。駆動方法は、1つのポンプモーターがディファレンシャルを介して2つの車輪を駆動する場合と、車輪ごとにポンプモーターを取り付け、独立したトルク制御が可能な全輪駆動の場合がある。ブレーキ時には、車輪に接続されたポンプモーターが逆回転し、通常ならば熱として散逸してしまうエネルギーを、圧力の形でアキュムレータに再び蓄える。
現在開発が進められている油圧ハイブリッドは、最新のエンジンと通信することができ、電子制御機能も搭載している。ただし、油圧ハイブリッド自身は、電子部品を一切使わずに実現可能である。例えば、Hybra-Drive社では、1968年式「Volkswagen Beetle」の車体に油圧パワートレインの試作品を搭載した車両を製作している。「搭載している電気部品は、スパークプラグだけだ」とO’Brien氏は言う。
油圧ハイブリッド車は、一部の人にとっては目新しい話ではない。多くのトラックを所有する運送会社は、以前から、この技術に注目している。米FedEx社、米UPS社、米Waste Management社は、油圧機器メーカーの米Parker Hannifin社や米Eaton社が開発した油圧ハイブリッド車の評価を以前から行っており、米環境保護庁もまた、こうした車両の設計と試験に関わっている。
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油圧ハイブリッド車の燃料効率と環境性能
[2008年06月号]トラック用に開発が進められてきた油圧ハイブリッド技術は、小型の自動車にもメリットをもたらす可能性がある
Hybra-Drive Systems社とGates社は、完全油圧式のパワートレインを搭載したHummerH1車両を共同製作した
提供:Gates社
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