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電池技術で競い合う
自動車開発
[2008年06月号]
エネルギー密度との戦い
Dodge Sprinterプラグインではリチウムイオン電池とニッケル水素電池を用いている
提供:Chrysler社
GEM社Oswald氏
「電池で走る、走行距離の長い自動車が欲しいならば、電池重量がとてつもなく大きくなる。これは電気式車両には用途が見つからないという意味ではないが主要な自動車にはなり得ない」
提供:GEM社
DHS社Swan氏
「現行の自動車を直接置き換えるような電気自動車が欲しいと思っている。しかし、性能面でも価格面でも対抗できるようなものを作ることは、とてつもなく難しい」
提供: DHS Engineering社
1980年代に、再び自動車業界は電池の問題を解決しようと共同で取り組んだ。この時もまた失敗だった。クライスラー、フォード、GM、本田技研工業、日産自動車、トヨタなどの電気自動車は、90年代後半には計画中止に追い込まれた。
10年前に電気自動車用電池が直面した課題は、今もそのまま残っている。エネルギー密度、充電時間、コスト、耐久性、安全性などが大きなチャレンジ項目である。とりわけエネルギー密度が主要な課題だ。エネルギー密度は自動車の航続距離を直接左右するからだ。エネルギー密度が高いほど、次の充電を行うまでに走行できる距離は長くなる。例えば、フルサイズのセダンでエネルギー密度100W-hr/kgの場合は、航続距離に換算するとおよそ160km(100マイル)に相当する。航続距離を伸ばすために、自動車メーカーはより多くの電池を搭載しなければならないが、そうすると質量が劇的に増えてしまう。
質量に関する問題が原因となって、動力源としての電池は長い間自動車エンジニアの想定外となっていた。多くのエンジニアが、数値を見て、頭をかいた。例えば、現在の最も高性能の電池はおよそ150W-hr/kgのエネルギー密度を供給する。それに対して、ガソリンのエネルギー密度の値はおよそ1万2,722W-hr/kgとされている。ガソリンのエネルギーのうち実際何割が使われているかについては、エンジニアの間でよく議論の的になる。しかし、4,000W-hr/kgしか利用できないと仮定しても、ガソリンのほうがリチウムイオン電池の25倍も多いエネルギーを持っていることになる。
さらに悪いことに、電池は充電が遅い。110Vの家庭用電源を使うと、電気自動車用電池をフル充電するには、一般的に6時間以上かかる。
「エネルギー密度に差がありすぎる」と、クライスラーのグループ会社であるGEM社のCEO、Larry Oswald氏は言う。「電池は、注入口が非常に小さくて、重い燃料タンクのようだ。」90年代に電池メーカーは、エネルギー密度不足があたかも解決できるかのような見込みに終始していた。航続距離640km(400マイル)で充電時間15分などということを話していたのだ。しかし、これはどちらも実現しなかった。
「我々は、現状の技術水準、取り組むべき課題、達成までに要する年月などについて甘く考えすぎたために、自らの信用を著しく傷つけてしまった」とSwan氏は言う。同氏は電気自動車を3台保有する。「電池メーカーは航続距離を計算するときに、エネルギー消費のかなり少ないクルマに基づいた計算をしていた。いろいろな都合の良い条件を仮定して、走行距離640km、充電時間15分を紙の上だけで達成していたのだ」
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