特集 エンコーダ

リニアエンコーダ
最新トレンド

[2008年07月号]

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仏Airbus社「A380」の製造現場にもリニアエンコーダが使用されている。写真はウイングパネルの組立機
提供:レニショー

 半導体や液晶パネルの製造やプリント配線板への部品実装、工作機械を使った加工から搬送系まで、ファクトリ・オートメーション(FA)を応用した製造ラインにとって、直動軸方向の位置決めは重要な技術要素である。リニアモーターを使った位置決め方式が広がりを見せる中、位置測定を行うセンサー部品としてリニアエンコーダの需要も拡大している。


世界市場規模は600億円
 リニアエンコーダはリニアスケールとも呼ばれており、ものさしとなる「目盛(スケール)」と、目盛から位置情報を取得する「検出器」で構成される。使用する製品は、半導体、フラットパネルディスプレイ(FPD)、プリント配線板などの電子デバイス製造装置、電子部品実装機、工作機械、搬送機械などが主となっている。

 これら製造装置内の直動軸は、現在もボールねじとサーボモーターの組み合わせが主流となっている。この場合、サーボモーターに回転角度を計測するロータリエンコーダを使用して位置計測を行うため、リニアエンコーダは使用しないことが多い。しかし、位置決めの精度と安定性が高く、機構の省サイズ化も図れるリニアモーターの場合はリニアエンコーダを使用することになる。

 FA業界では、数年前からリニアモーターの技術優位性に注目が集まっており、高精度が要求される先端製品向けから着実に需要は拡大している。併せて、リニアエンコーダ市場も着実に伸びており、現時点の市場規模は国内で約100億円、グローバルで約600億円程度と見られる。有力サプライヤは、グローバルでトップシェアの独 Heidenhain社をはじめ、国内市場でHeidenhain社とともに3トップを形成するミツトヨとソニーマニュファクチュアリングシステムズ、 FPD製造装置など大型製品向けで高シェアの英Renishaw社などがある。

光電式と検出原理

4つの走査窓を使う光電式リニアエンコーダの検出原理(透過型)
提供:ハイデンハイン

 エンコーダの位置検出は、大まかに光を利用するものと磁気を利用するものとに分かれる。リニアエンコーダの場合、光信号をデジタルの電気信号に変換する光電式が現在の主流となっている。

 初期の光電式リニアエンコーダの検出原理は、発光素子からの光を4つの走査窓に分け、各窓に対応する受光素子(フォトダイオード)が格子状の目盛を透過(もしくは反射)した光の光量変化から正弦(sin)波信号を生成するというもの。各窓から生成される正弦波信号は90度づつ位相がずれており、この位相差を持つ4つの正弦波信号により移動量を算出する。現在でも、ロータリエンコーダでは一般的に利用されている検出原理である。

 光電式リニアエンコーダの最大の欠点と言われてきたのが、水、オイル/グリース、切削粉などの汚れが目盛上に付着して起こる、精度と安定性の低下である。4つの窓を使う光電式は、汚れによる信号品質低下が非常に大きく、用途は限られていた。

 これに対して各社は、目盛と検出器をアルミケースで保護して汚れから守って信号品質を確保するとともに、汚れに強い検出原理を開発するなどして差別化を図っている。例えば、Heidenhain社やミツトヨは独自構造の受光素子により走査窓を1つにして汚れの影響を小さくする方式を採用している。また、回折格子を利用した検出原理で安定性を確保するRenishaw社の方式などもある。



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