リニアエンコーダ
最新トレンド

[2008年07月号]

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絶対位置を測定する

 目盛を等間隔に刻んでいるエンコーダは「インクリメンタル方式」と呼ばれる。移動量を積算して位置情報を算出することになるので、停電などが起きた場合には原点や基準点まで戻る必要がある。これに対して、絶対的な位置情報を検出できる「アブソリュート方式」も存在する。1980年代後半には、電池を使って位置情報を失わないようにする「電池バックアップ方式」が、そして90年代前半にはバーコードのように目盛パターンそのものに位置情報を持たせて電池を不要にした「完全アブソリュート方式」の製品が登場した。

 2000年ごろからは、工作機械の先端製品向けにアブソリュート・リニアエンコーダの需要が拡大している。大手NC制御装置メーカーによる自社サーボモーターのアブソリュート化を発端に、工作機械メーカーが先端製品における位置情報の全アブソリュート化を志向するようになったからだ。特に、5軸など複数の加工軸を持つマシニングセンターでは、省スペース化につながるリニアモーターを使用することがほとんどで、先端の多軸加工機市場とともに工作機械向けのリニアエンコーダ市場も拡大している。

シリアル転送で速度と分解能を両立

ハイデンハイン 窪田マネジャー

 Heidenhain社は、目盛の原点ともいえるメートル原器のレプリカ製造から歴史が始まっている。エンコーダを主力事業とする現在も、精密目盛の製造技術が基盤となっている。日本法人・ハイデンハインのモーションコントロール・エレクトロニクス営業部窪田貴志夫マネジャーは「リニアエンコーダの基本技術は、正確な目盛、目盛を信号としてどのように検出するか、信号をいかにきれいに取り出せるかの3つ。当社は、精密な目盛を長尺で製造できるとともに、用途、精度、コストに見合う複数の検出原理をラインアップしており、顧客からの要望に幅広く応えられる」と話す。

 リニアエンコーダ世界トップシェアの同社は、工作機械向けでシェア70%と他社を圧倒している。主力製品は検出器をアルミニウム製ハウジングで保護したアブソリュートエンコーダ「LC100/400シリーズ」。最高分解能は0.005μmで、走査窓が1つで汚れに強い「シングルフィールド走査方式」を採用している。「工作機械の新製品のうち10〜20%で光電式リニアエンコーダが使用されており、今後も市場拡大が見込める」(窪田マネジャー)という。


Heidenhain社の工作機械向けアブソリュートリニアエンコーダLC100/400シリーズ

 半導体製造装置向けでは、次世代の32nm/22nmプロセスの前工程向けに、最小分解能0.03125nmを実現した「LIP201シリーズ」を開発し、07年12月のセミコンジャパンで発表した。サブナノの分解能以上に、静止時の安定性を示すポジションノイズを従来比約10分の1となる0.1nmにまで向上したことを最大の特徴としている。

 現在提案活動を強化しているのが、独自のシリアル転送インターフェース「EnDat」だ。一般的に、エンコーダの分解能と通信速度はトレードオフの関係にある。しかし、リニアモーターはエンコーダの移動量情報を微分して移動速度を算出するためより高い分解能が必要であり、さらにアブソリュートエンコーダの絶対位置情報は情報量が多いことから、既存のインターフェースでは通信速度が不十分になる可能性がある。最新バージョンの「EnDat 2.2」は、最高クロック周波数16MHzの双方向通信による高速通信が可能で、機能安全規格に関わるデータ送信も行えるようになっている。あ


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