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火星に生き物を探せ!
[2008年07月号]特殊なアルミ製ハニカム構造部品が着陸時に崩壊することによって、探査機内の精巧な機器を保護する
太陽光による電力供給
コロラド州にある真空熱実験チャンバーで、着陸機のシステム全体をテストした
提供: Lockheed Martin Space Systems社
火星の表面上に見られる渓谷のような地形は、水の痕跡ではないかと考えられている
提供:NASA
宇宙船の基本構造部には、グラファイトで強化したポリシアネート複合材料が使用されている(http://rbi.ims.ca/5711-543)。ポリシアネート複合材は、エポキシなどの材料と比較して、吸水性とガス放出特性がすぐれている。そのため、軌道上で乾燥が進行しても寸法の変化が小さくて済む。また、ポリシアネートには、熱サイクルを受けている間に微小亀裂が発生しにくい性質もある。
機体のさまざまな部品には、アルミニウムやチタンが利用されている。接着剤としては、主にエポキシとアクリルが使用されている。フェニックスの機械設計担当のチーフエンジニアを務めるNeal Tice氏は言う。「アクリル接着剤は、主に機体の外側を保護する積層断熱カバーに使用されている。断熱カバーは、火星の地表面でも使われる。アクリル接着剤は、宇宙空間での用途に非常に適している。耐久温度の範囲が非常に広いからだ」。宇宙では、船外温度が−129℃に達する一方で太陽光に当たる部分は 121℃まで上昇する。また、「真空なので、対流がない」(Tice氏)。大気圏突入時には、摩擦熱によって最高温度は1,650℃に達する。
Lockheed Martin社が開発した耐熱システムは、室温硫化処理(RTV)したシリコンゴムとその他の材料から構成されている。このシールド素材は、大気圏突入時の摩擦熱によって溶融し、蒸発する。これが燃えてなくなることにより、熱は船体から離れていく。
フェニックスは、花崗岩に似た永久凍土の地面に着陸しなければならないが、その際の衝撃を吸収するために、2種類の特殊な金属構造が用意されている。 Gasparrini氏によると、「フェニックスの脚には、円柱形のハニカム構造の緩衝部品(アルミ製)が搭載され、着陸の際には、これがつぶれることによって衝撃エネルギーを吸収する」という。さらに「焼き鈍し処理したステンレス鋼製の荷重制限装置も取り付けられている。私のデスクには、完全に曲がってしまったものが1つある」。同氏は、Lockheed Martin社が開発した専用の試験装置で試験され、曲がったものを手元に置いているのだ。
Gasparrini氏は、「火星にたどり着くのは簡単なことではなかった」と言う。「技術的に困難な課題がいくつも存在していた。機体は基本的に巡航に適した形状であるため、大気圏突入から着陸に至るまでの段階では、さまざまな困難がともなう。巡航状態から7分間をかけて、最終的に火星表面に軟着陸しなければならない。突入時には5,000m/秒の速度があるが、着陸時には速度を0m/秒にまで落とさなければならない。減速については、大気圏突入時の摩擦熱をブレーキ代わりにすることによって行う。その後はパラシュートを開き、着陸機を制御ロケット付きの防護シェルから外に出し、最終的に着陸させる。 6〜7分の間に実行するタスクとしては、非常に複雑なものだった」
オーソン・ウェルズのラジオ放送から50年が過ぎた今、火星人が地球に生命を探しに来るのではなく、地球人が火星に生命を探しに行こうとしている。
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