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自動調律する
ギブソンの
ロボットギター
[2008年08月号]
サーボ機構と効率的な調律アルゴリズムに頭脳的な工学技術を組み合わせることにより、
スイッチを切り換えて弦を1回かき鳴らすだけで自動的にチューニングされるギターを実現
ギブソンの新製品「ロボットギター」には、ドイツTronical社が開発したサーボ機構による自動チューニングシステムが搭載されている。 Tronical社のPowertuneシステムは、ギターに電気機械コンポーネントを追加するものの、ギター本体に恒久的な改造を行うことなく取り付けることができる
Tronical社は、ギターのサイズや重量を変更することなく、チューニングヘッド部に小型のDCブラシレスモータを組み込むことに成功した。この46.5gのサーボ動作式チューナーは、高級な手動チューナーよりも2.5g軽く設計されている
提供:Gibson Guitar社
このロボットギター(http://rbi.ims.ca/5702-597)は、ドイツのTronical社が提供する自動調律システム Powertuneをギブソンのエレキギター「Les Paul(レス・ポール)」に搭載することによって誕生した。このシステムは、標準の調律以外の調律設定にも利用でき、チューニング作業を非常に簡単なものにする。チューニングを開始するには、ギタリストは制御用ノブを引き、弦を1回かき鳴らす。するとサーボドライブが動作して、ギターの音を自動的に調律する。このPowertuneシステムは、6本の弦の張りをすべて同時に調節するという、ギター奏者には決してできない芸当をやってのけることができる。調律にかかる時間は、各弦の調律前の音程と調律後の音程との差によって変わるが、通常はほんの数秒間で完了する。
このシステムには、ユーザー定義の音階とプリセットの音階を含めて、最大で6種類の変則チューニングを記憶させることができ、記憶させたチューニングは即座に実行することができる。
このロボットギターは、チューニングを素早く簡単にするだけでなく、絶対的な音程の精度も向上させる。Tronical社の社長でPowertuneの発明者であるChristopher Adams氏によると、この自動チューニング機能は、弦の音程を誤差2セント以下という非常に高い精度で調節することができるという。1オクターブの音程差は、周波数で言うと2倍の差になるが、これが1,200セントに相当する。ピアノの鍵盤の隣り合う黒鍵と白鍵の間の音程差は、100セントである。ほとんどの人は、5セント以下の音程差のある音を交互に聞かされても、違いを認識することはできない。
一方、エンジニアは、たとえ音痴であっても、制御設計と機械設計の両面で困難な課題を克服したPowertuneの電気機械設計を参考にすることができる。制御系では、振動している弦の物理特性や、1本の弦の張力が変わると他の弦にも影響する場合があることを考慮する必要があった。ギブソンのCEOであるHenry Juszkiewicz氏は、自動チューニングを“驚くほど難しい多分野問題”と表現する。
機械設計面では、レス・ポールの外観や音を変えることなく搭載できるように、コンパクトな設計のチューニングシステムにしなければならなかった。「レス・ポールの音と外観は変えられないというのが、われわれの考えだった」(Adams氏)。
機械設計面では、レス・ポールの外観や音を変えることなく搭載できるように、コンパクトな設計のチューニングシステムにしなければならなかった。「レス・ポールの音と外観は変えられないというのが、われわれの考えだった」(Adams氏)。
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